03. 夢の中の女神様
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「ねぇ、起きなさいよ!」
「う、眠い。もう少し寝かせてくれんかの~」
「何言ってんのよ!夢の中まで寝るなぁー!」
夢の中?あ~全部夢だったのか。
それにしてもリアルな夢だったな~
「いや、夢じゃないし。って、今は夢だけど。そんな事はどうでもいいの!起きなさいッ!」
夢の中、女神に叩き起こされる章造。
「私は生命を司る女神、アイリス。」
「章造さん、あなたに天命を与えます。
この世界の魔王を倒すのよ!」
「!?」
「死んでカメムシに生まれ変わる所を勇者にしてあげようって言うんだからありがたく思いなさい!」
うわぁ~ひでぇ~。死んだらカメムシって。前世でそんなに悪いことしたっけな~?
「あなた、大のつく賢者なんでしょ?」
「!?」
「普通なら転生した時点で記憶を粗方消すのだけれど、今回は特別に持ち越しさせてあげる」
「どう?感謝してもいいわよ。感謝しかないわよね?感謝しなさい!おーほっほっほっ!」
うわぁ~、感謝の押し売り。
この女神様は見た目可愛いのにキャラが濃い。
「夢の中なんだから、全部聞こえてるわよ。可愛いってとこは否定しないけどね☆」
「で?賢者なんでしょ?どんな魔法が使えるの?」
女神アイリスが詰め寄ってくる。
「面目ない。女神様。儂はあなたの思う賢者じゃなか。」
「賢者じゃなきゃなんなの?もう勇者として転生しちゃったんだから、天命は絶対よ。」
「賢者と言ってもの~。この老いぼれに何にも力はないし魔法も使えない。」
「おっかしいな~?じゃあ何でこのリストにー?」
はッ!? まさか!こいつ! 童貞かッ!?
「女神様。聞こえてますよ。」
「どーすんのよ!女神の加護与えちゃったじゃない!」
「そ~言われましても…。」
いっそ殺っちゃうか。
「女神様!やっぱり魔法使えるみたいです!」
「正直なウソついたわね。」
「まぁ間違ったのは私だし、加護は一人にしか与えられないから、死ぬ気で魔王を倒しなさい!」
「はぁ、はい。…ですが女神様。年老いた身体では魔王処か、明日にも逝きそうなのですが…」
転生してもおじぃちゃんじゃ話にならない。
ここは若い身体を賜りたい。
「そういう事ね。それなら大丈夫。この世界は普通の世界と時間の流れが違って、一部の生命は逆に流しているの。だから、産まれた時から若返って行くってわけ。面白いでしょ?」
なるほど、だから両親はあの反応だったのか。
ややっこしいな。爺さんなのに赤ちゃん扱いか。
父親にハグされるのは嫌だけど、母親にならありだな。
もしかして!?おっ
「それはないから!どんだけ童貞思考なの。」
「とにかく、加護があるから何とかあなたなりに考えて天命を全うしなさい!いいわね!」
「はい。」
意識の中から女神の気配が消えた。
謎が解けたけど、色々面倒な世界に来てしまったようだ。
とりあえず…。もう一度寝よう…。
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