24. 白猫奪還プロジェクト その3
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朝早かったせいか眠い。
馬車の揺れが心地よく、ぽかぽかと暖かい。
ジジはうつらうつらと首を上下に揺らしていた。
首の痛みで時折起きては、またヘッドバンキング!
「ジジ君大丈夫?眠いなら寝てていいよ?」
リリーは膝をポンポンと叩いてみせた。
「大丈夫、です・・・。」
と、言いながらも意識が遠のくのを感じた。
そのままジジはリリーもたれかかる。
「言葉ではいいと言いながら、身体は限界みたいっスね。」
―――――
休憩を何度か挟みながら、荷馬車は数時間走ってようやく北の街ツルギザキにたどり着いた。
「二人とももうすぐ着くっスよ!」
荷馬車は小高い丘から緩やかに下って行く。
目の前に広がるのは意外にも水平線、港街だった。
中央に大きな時計台がそびえ立つその街は、ラヴァンナの5倍はあるだろうか。
全体的に建物の高さもあるように見える。
「綺麗~!」
「リリーはあんまり森から出ないっスからね~。ツルギザキはラインハルト領の交易中心都市っス。上手くいけば、ここから船で国外にも行けるっスよ!」
「そっか~、あ、ジジ君おはよう!」
「お、はようございます、リリーさん。スミマセン!」
いつの間にか膝枕になってたところを飛び起きた。
「おはよう~って言っても昼過ぎっスけどね~。」
朝早かったのもあるが、馬車の揺れは悪魔的な眠りを誘う。
次乗る時は気をつけなんな~。
「もう着いたんですね?検問とか大丈夫かな?」
「検問はないからたぶん大丈夫っスよ。身分証無くても入れる街っスからね。大きな街にはある程度邪気を防げる魔物避けの結界が張ってあるっス。」
「結界!?」
「そう、目には見えないっスけどね~。」
荷馬車は街の中に入り速度を落とした。
「仮面の魔導師殿、着きました。」
「「おぉーぉ!?」」
荷馬車を降りた三人は驚いた。
時計台とその街並みに。
街の中は5、6階建ての家屋なのか、商業施設なのか前世で言う小さいビルがいくつも乱立していた。
「近代化って感じっスね!」
「あれはショーウインドー!?」
「しょーういんどう?」
「商店の店頭が大きなガラスで、中に商品を飾って~」
「あの透明のやつっスね?」
「魔導師殿、では我々はこれで。また機会があればどこかで。」
「あ、はい。」
軽い挨拶で去る黒服達を、軽く手を振って見送った。
もちろんリリーが彼らに足跡を付けたのは言うまでもない。
彼らが見えなくなった所でカピが口を開く。
「さ~てと、後を追ってちゃっちゃと終わらせるっスよ~。」
「ちょっと待ってもらえますか?」
「何っスか?」
「たぶんですけど~、もうこちらの意図はバレてると思います。自分達より遥かに強いリリーさんがいる以上、下手に攻撃しては来ないと思いますが、罠を仕掛けてくる可能性が高いと思います。普通ならリリーさんの力を利用しようと仲間に誘うはずなのに。」
「そう言われて見れば確かに、不自然っスね。」
「はじめに確認した十数名が憲兵団との戦闘後、数名姿が見えなくなっていましたし、たぶんですけどね。」
「ジジ君すごい!」
「リリーさんに勝てないと分かってる奴らは、必ず罠を仕掛けてくるはずです。なのでそれを逆手に取りたいと思うのですがどうでしょう?」
「いいっスね!」
「いい案だけど、これからどう動くの?」
「まずはこの街の服屋に行きましょう!さっきのショーウィンドウのお店へ。」
「え!?」
「服買うっスか!?」
三人は露店で食べ歩きしながら、服屋に向かったのだった。
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