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異世界じぃじクエスト  作者: ☆さくら
_第一章_
21/36

21. この世界の恋愛事情

 リリーとカピと出逢ってようやく旅に出た主人公、童貞老人ジジ君。

初めてのクエストなのに面倒な事に巻き込まれてしまった!

もっと簡単なものにすれば良かったと書いてる私も思ってます。

毎回短い文章にはなりますが、少しのお時間お付き合い下さいませませ~☆


 ページを開いてくれてありがとうございます!

最後まで見てくれるととっても嬉しいです。


ブックマークや応援してくださると、もっともっと嬉しいです☆

 人払いをしていた事が広まっていたのか、使用人の間でも話しが盛り上がっていた。


「こう、もふもふでね、人なつっこいのよ。」

「ご飯の時間になると食堂に向かって鈴の音が近づいて来るから、時間の感覚は凄かったですね。」

「奥様もだけど、旦那様も溺愛してたわよ。」


 使用人ひとりひとりに聞き取りをして、得られた情報をまとめてみた。


 "追加のミミちゃん情報"


 推定12才のおばあちゃん猫

 ふっさふさのもふもふ

 抱っこ出来るがちょっと太い

 動きはゆっくりおっとり

 夫婦ともに溺愛

 

「まさか獣人じぁあないっスよね?」

「普通の猫らしいよ。」

「ジジ君、どうするの?」

「う~ん。」


 使用人達が嘘をついてたり、隠し事してる感じがしなかった。

 むしろ、早く見つかって欲しいと一緒に探してくれたり、隠し部屋など教えてくれたりと協力的なのに驚いたくらいだ。


 時はもう夕刻、そろそろ今日は切り上げたいところなのだが…。


「最後に、ミミちゃんの事故の可能性を確かめてから帰ろう。もうすぐしたら、一番この件について詳しいであろう人物が帰ってくるはずだから。」

「その人って?」

「イリーナさんの旦那さんだよ。」


 使用人の方達の様子から見て、主人に報告しないはずはないだろう。

 そうで無くても何か知っているはず。

 知っている事がイリーナさんと同じなら、また一から探し直し。

 もしイリーナさんに話せない情報を持っているのなら、何らかしらの策を講じているはず。


 しばらくするとイリーナさんの旦那さん、この屋敷の主人が帰ってきた。


「キミ達かね?話しを聞きたいという冒険者達は?」


 応接室で待っていたジジ達の前に現れたのは、イリーナと同じ年齢くらいの……女性?


「は、初めまして。ジジと申します。こちらはリリーとカピです。」

「おぉぉ!あの勇者様の右腕、リリー様でしたか!お初にお目にかかります!」

「こちらこそ…。」


 リリーはペコリと頭を下げた。


「我が家に来て頂けるとは、光栄の至り。ささ、遠慮などなさらずに!おーい!リリー様達の夕食を!」


 主人は使用人に指示を出し、気づけば部屋には四人だけ。

 ジジはカピに小声で聞いてみた。


「何でご主人が女性なんですか?」

「何でって、夫婦は同性で婚姻するのが普通っスよ?」

「え!?えーッ!?」

「異性同士の恋愛は無いことないけど、珍しいっス。」


 ちょっと待って!どういう事???

 頭が追いつかない……。。。

 同性同士の恋愛が普通で、生まれくるのは老人(赤ちゃん)

 年を重ねる毎に若返って幼児(年寄り)になる。

 えーと、うちの両親は父と母なので、アブノーマルって事?


 たぶん、あの女神様(アイリス様)のせいだよね?

 はっ!?もしかして!!

 BL(ボーイズラブ)が見たいが為に!?


 あり得る。。。


「申し遅れました。この屋敷の(あるじ)ミラナと申します。どうぞお見知り置きを。」

「よろしくっス。さっそく本題なんスけど。」

「我が家の白猫、ミミちゃんについてですね?屋敷の者達より聞きました。」

「話が早いっスね。」

「いつかは明かさなければならない事。イリーナが冒険者に依頼を出した時点で覚悟しておりました。」


 ……長い沈黙。

 三人は暗い表情になった。

 イリーナさんがこの場にいない事が幸いか。


「ですが、もうしばらく待って頂けませんでしょうか?依頼の報酬はお支払いしますので。」

「…それはイリーナさんが最も傷付かない方法なのですか?」

「傷付く?…そうですね。彼女にはここしばらく辛い思いをさせてしまった。」

「早く真実を伝えてあげた方がいいっスよ?」

「それは出来ません。」

「なぜですか?」

「今は・・・、まだ言えません。ですが、近くイリーナには私から話しますので、どうか待って頂けませんか?お願いします!」

「事情があるのですね?…分かりました。」

「いいの?ジジ君!」

「イリーナさんを一番想っているのは、ミラナさんだから。」

「そうっスね。」

「ミラナさん。私達に出来る事はありますか?協力させては頂けないでしょうか?」

「・・・。」


 話すかどうか迷っている?

 というより、悩んでいるように見えるが?

 やっぱり誘拐の線か?


「リリーさん、カピさん。もしもの話しですが、私が拐われたとしたらどれくらいの時間で救出できますか?」

「え!?何?ジジ君が?」

「リリーなら例えアルヴァ公国の軍隊だろうと、半日あれば救出できるっスよ!」

「だ、そうです。」

「え?それって、ミミちゃんは拐われたって事?生きているって事?」

「オイラ達に話せないのは、巻き込まない為っスね?」

「そして拐った連中は、かなり厄介な奴か、貴族にとって都合の悪い相手。」

「・・・。」


 ミラナさんは頭を抱えている。

 どうやらビンゴのようだ。

 だが、この様子なら生きているのは間違いなさそうだ。

 最悪の結末でなくて良かった。


「もし拐われたのなら、全力で助け出すっスよ!」

「…分かりました。そこまで私どもの事をお考え下さっているのならばお話しします。…お恥ずかしい話しですが、どうかここだけの話しと言う事で、お願い出来ますか?」

「もちろんです。口外しません。」

「しゃべらないっス!」


 ミラナは紅茶を一口、苛立つ感情を抑えつつ話し出した。


「結論から言うと、皆様が思っている通りミミちゃんは拐われました。不幸中の幸いですが、生きています。そして明日には戻ってくるはずです。」

「良かった。」


 三人の中でも一番心配をしていたリリーが呟く。


「ですが、もう一人。拐われたままなのです。」

「「もう一人!?」」


 まさかの耳を疑う話しが出てきた。


 もしかして、もしかして!!

 ・・・ウワキアイテデスカ!?


 三人は固まってしまったのだった。

読んで頂きありがとうございます! 


続話の活力によろしければブックマーク評価、応援お願いいたします☆

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