17. はじめての○○
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書いてて思った。
戦闘シーンが少ない!
予定ではもう少し多いはずがぁー。
今後増やせるようがんばります!
※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。
ジジ達は適当なところで食事を済ませ、武器屋を探していた。
リリーは魔法を使うので、特に武器らしい物は持って無いらしい。
魔法使いが杖や箒を持つのは前時代的と笑われてしまった。
なので今回は自分の分だけ買う予定だ。
希望としては、某『ど○ぐすれいぶ』みたいな魔法が使いたいので魔力増幅器とか欲しいのだが…。
実はリリーと出会ってから毎日魔法の練習をしている。
しかし、全く発動しない。
どうやら魔法の素質というか持って生まれた魔力が溜まる器、保有出来る魔力が無いらしい。
悲しきかな、最大MPがゼロ~。
魔法はイメージと魔力の流れが重要で、基本的には魔力を持つ者なら誰にでも扱えるらしい。
逆を言えば魔力を持たない者には使えない。
大半の人族が魔力の器を持たず、持っていたとしてもそんなに大きな魔力は持てないそうだ。
リリーの様な大きな器を持った例外は稀だという。
高度な魔法や繊細な魔法、成功率を極度に上げる時には流れが複雑になる為、魔法陣の描かれた呪符等を使う。
リリーくらいになると余程の事かない限り使う事はない代物だそうだ。
魔法について以上の事を学んだ結果…
儂にあった武器は?
身体を支えられる杖 or 護身用ナイフ
になってしまった。。。
「護身用ナイフでお願いします。」
「素直でよろしいっス!」
「ジジ君、お店見つけた。」
「よーし!買いに行くっスよ!」
カランコロン♪
ドアを開けると喫茶店のような、アンティーク調のドアベルが鳴った。
店に入ると薄暗く狭い店内に剣や槍、斧が中心として飾られ、装飾が施されたモノもちらほら見受けられた。
奥には口顎白髭モジャモジャの老人が葉巻のようなものを吹かしながら、何かの書類に目を通している。
チラッとジジ達を見るなり言葉を発した。
「ガキのオモチャじゃねーんだ、冷やかしなら帰んな!」
さながら、おばぁちゃんに連れられた曾孫に見えたのだろう。
もう慣れっ子ですけどね!
「お前だって老人じゃねーっスか!」
「なにおぉー!!ネズミの癖に生意気な!」
「お店の手伝い偉いね。」
売り言葉に買い言葉、カピさんは熱くなりやすい。
それに比べてさすがリリーさん、老人に優しい。
「何を騒いでるんだい!?あら、お客様。いらっしゃい!」
「こんにちは!ナイフを探しているのですが、お騒がせしてすみません。」
カウンターの奥から出てきたのは、ガタイの良い女性だった。
出てくるなり一発、店番の老人にげんこつをくらわせる。
「いってー!」
「すみませんねー。まだ礼儀がなっちゃいなくて。」
「いえいえ、こちらもご迷惑おかけし申し訳ございませんでした。」
「まぁ、珍しい!リリーさんに、こっちの老人は話し上手だね~。どこの御貴族様だい?」
「貴族じゃないっスけど~、ちょっと長旅になるので、この子にあうナイフを見せてもらっていいっスか?」
「なら、なるべく軽い方がいいかね~?」
ナイフが置かれている棚に案内された。
刃渡り10cmの小型のモノから、30cmの短刀まで。
主に狩った獲物を捌くのに使うらしい。
独り暮らしが長かったせいか、包丁の扱いには慣れている。
とは言っても包丁とナイフは別ものかな?
「これ、綺麗ですね!」
他のナイフと違い、鞘に入ったまま刀身が見えていないモノが1本だけ壁に飾ってあった。
店にあるのはどれも革製の鞘だが、このナイフの鞘だけ装飾が綺麗に施されている。
「あぁ、これかい?普通鞘は別売だからね!刃物は造れるが鞘は量産のを外注してるのさ。こいつのは特別さね。こいつにあった鞘を作ってもらったのさ。綺麗だろ?」
「高いっスねー!!」
「ジジ君これがいいの?」
「いやいや、普通ので!」
0が予算の二つ多い!
普通のナイフを見てまわろうかな。
「・・・。」
「ジジ君こっちのとかどうっスか?」
「いいですね!刃の裏側がノコギリみたいになってて料理しやすそうですね―。」
――――それから
今後の参考がてら、色々な武器を一通り見せてもらって、小一時間は経とうとしていた。
「じゃあジジ君、そろそろ行くっスよ!」
「あんた、いい幼女に恵まれたね!」
武器屋の女将がそういうと、ジジの背中を叩いた。
「ジジ君、はじめて…あげる。」
「リリー、誤解を招く言い方っスね~。」
「そ、そんなつもりは。。。」
「ジジ君、リリーからのプレゼントっス!武器は良いモノを使った方が上達も早いっスからね!」
「ありがとうございます!リリーさん!カピさん!」
最初に見ていた鞘の装飾が綺麗な一品だった。
「あれ?でも結構高価だったような。」
「気にしないで、大丈夫。」
「ありがたく貰っとくっスよ~。」
「こいつは希少金属ミスリルで出来てるから軽くて丈夫なのさ。魔力の伝導率もそれなりにあるしね。値段は張るが店の自慢の品さね。」
おぉ!?ミスリル!
ファンタジー金属出たーッ!
「大切にしますね!ありがとうリリーさん!」
「よーし!日もまだ明るいっスから、試し切りに行こうっス!」
女将に挨拶をし、店を後にした。
さすがに街の中で得物を振り回す訳にもいかないので、街の外で試し切りをする事になった。
街道から少し離れた草原地帯。
何かあってもすぐ街に戻れる距離にジジ達はやって来た。
「適当な魔物はいないっスかね~?」
そういえば、この街に来る道中魔物っぽい生き物は見かけなかった。
売ったワイルドボアくらい。
美味しかったけど、魔物って食べて大丈夫なのだろうか?
今さらだけど…。
「魔除けの魔法切り忘れてた。ちょっと待って。これで大丈夫。」
リリーの人差し指の先が青く光り、何かの文字を描くとそれがはじけたように消えた。
「だいぶ広範囲に効いてたみたいっスね!弱い奴らは近くにいないっス。」
「ごめんなさい。。。」
「リリーさんは悪くないですよ~、危険から守ってくれてたんですから!」
「ちょっとひとっ走り、捕まえてくるっス!」
カピは猛ダッシュで草原を駆けて行った。
カピバラはゆっくりおっとりのイメージだが、実際は意外と足が速い。
「捕まえて来たっス!」
カピは口に咥えた魔物を放す。
すぐ逃げ出そうと走り出すが、カピに蹴飛ばされすぐに捕まった。
「カピさん、これは、…ウサギですか??」
「角ウサギっスよ。はーい、ナイフを構えて~。」
ジジは貰ったナイフを右手に持ち、鞘から取り出す。
刀身がむき出しになったナイフが日の光りの反射でキラリと光る。
ウサギも観念したのか必死に、臨戦態勢。
「えぃえぃ!いッ!」
フラフラとよろめきながら、ナイフを振り回すと足元の石につまずいて豪快に転けた。
手に持っていたナイフが角ウサギの真横に突き立てられる。
「ヒッ!!」
予想もしない攻撃に角ウサギは後ずさる。
「ジジ君、刃物使った事ないっスか?」
「いてて、狩りははじめてですよ~。」
老人が刃物振り回す経験が前世にあるハズがないだろう!
あったら間違いなく、ヤバいじいさんじゃん!
やっぱりこの老体、何とかならないものだろうか?
「は~い、もう一度っス~構えて~」
さっきと違って角ウサギは、涙を溜め瞳をうるうるさせている。
なんか可哀想になってきた…。
「ちょっとやりにくいので、丸太とかで練習させてもらえませんか?」
「いきなり実戦は早かったっスかな?いいけど、ジジ君。実力が無かろうといずれ戦う覚悟も必要だからそこだけは覚えといてね。」
「はい。」
カピさんの言う事はもっともだ。
ここは前世とは違う。
魔王や魔物が住まう弱肉強食の世界。
この異世界では戦う覚悟も必要だ。
「じぁあ、こいつは食べていいっスか?」
「カピさん!今回は見逃がしてあげてくれませんか?試し切りで捕まえたってのもありますし…。」
「そう言うと思ったっスよ!ほら、逃げな!」
角ウサギは一目散に逃げて行った。
「本当は食べたかったな~。とカピは思っていたのだった。」
「リリー、変なナレーション付けないで欲しいっス!」
あはははは!三人は笑い合った。
「ジジ君、ナイフの扱いに慣れてない。まず素振りから練習しよう。試し切りはそれからでも遅くない。」
それから日が暮れるまで、握り方から振り方、抜き刺し練習を重ねる事になった。
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