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異世界じぃじクエスト  作者: ☆さくら
_第一章_
14/36

14. 恋愛経験ゼロの優しさ

ページを開いてくれてありがとうございます!

やっとジジ君に仲間ができたよ~♪


最後まで見てくれるととっても嬉しいです。

ブックマークや応援してくださると、もっともっと嬉しいです☆


※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。

《奇術師アイ邸宅》


 ここは王城から三つ離れた街ゼクスフォード。

 魔法と科学を融合する魔法科学の第一人者、奇術師アイが住む街である。

 襲撃から三日後、早馬の使者が王都への召還状を携えて奇術師アイを訪ねてきた。


「おいおぃ、この間会ったばかりの坊っちゃん行方不明かい!?」


 見た目10歳くらいの白髪の女の子。

 ぼさぼさのセミロングヘアーで白衣を着ている。


「その様です!何者かが屋敷の一部を破壊し、連れ去ったと考えられます。」

「屋敷の者達は?」

「負傷者はおりません。ただ…」

「ただ?」

「襲撃時王都全域で人や動物が眠ってしまった事件もありまして…、森の奥では魔物までも眠っていたとの報告も。」

「それだけ広い範囲……なるほど、だからアタシに」


 そう、奇術師に依頼という事は単なる魔法ではなかったのである。

 魔法なら魔術師に依頼するからだ。


「ご察しの通り、極大魔法級の範囲、睡眠効果があったと思われます!軍やギルドも全く機能しておりませんでした。」

「人為的に眠らされた可能性が高いか。そうまでして、拐う価値が?…侵略されなかっただけでも儲けもんか。」


 この事件、他国のデモンストレーションなのか?

 あるいは宗教、それとも魔族がらみか?

 拐うのは陽動、すでに王や軍周辺に潜り込んでいる可能性も。

 何にせよ、大きな組織が暗躍しているのは間違いなさそうだ。

 その気になれば、この国を制圧できる力。

 上は事件の責任と力の掌握で躍起になってるな。


「わかった。すぐ向かうから先に行っててくれ!」



《ラヴァンナ街道》


 ジジ達は前世の話しをしながら近くの街を目指し歩いていた。

 リリーはカピを抱きしめ、ジジは猪を乗せた荷車を引きながら、森を抜け街道を進む。

 荷車には魔法がかかっているようで、掃除機をかける程度の抵抗しか感じられない。


 マジ魔法便利過ぎ!

 それにしても老人と幼女、それにカピバラ。

 のんびりすぎて日が暮れそうよ~。


「凄いっスよね!?鉄の船が空を飛ぶなんて!」

「この世界ならワイバーンか、ドラゴンくらい。」

「なんか、絵本のファンタジー世界っスね!」

「私からしたらこの世界がファンタジーですけどね~。」


 世界が違えばファンタジー!

 この世界は不便だけど嫌いじゃない。

 前世の話しをしたところで、ずっと気になっていた質問をしてみることにした。


「そう、気になってたんですけど。」

「何っスか?」

「前世では産まれた時は赤ん坊で、年とって今の老人の姿になったんだけど、この世界では逆ですよね?」

「あー、それ人族特有っスよ。元々人間が産まれる時セック…」

「ん"ッんん!」


 リリーがわざとらしく咳払いをした。


「え~と、人間は何故か昔から桜の木の下で生まれるんだけど、どうやら異世界で人生を全うした人が転生してくるらしいっスよ。」

「と、一部の協会が広めてる。」

「女神様が記憶を消す為に、生前老人の時にボケさせるらしいんス。」

「と、一部の協会が広めてる。」

「相変わらず協会嫌いっスね~。」

「あまり好きじゃないだけ。」


 なるほど、前世の記憶を消す為に生きている間にボケさせて、死んだら転生か。

 あの女神様なら、人生を全う出来ない者を問答無用で虫にしそうだしな~。

 あり得そうだな~。


「産まれた時から若返るって事はわかったのですが、最期はどうなるのでしょうか?」


 赤ん坊の後が気になる。


「そうっスね~、5歳まで老人、30歳まで中年、50歳まで青年、70歳まで少年、以降幼児ってところっスね」

「そして、死んだら光の粒になる。」

「若い身体の時期が多いのも人族特有っス。現にジジ君もだいぶ若返ってきてるっスよ。」


 確かにそんな感覚はある。

 話し方も変わってきたし、ボケボケしてた頭も、以前よりスッキリしているような気がする。

 何より老人の期間が短いのが嬉しい。


「変わった世界ですね~。見た目と実年齢の違いになかなか慣れないですよ。」

「まだ生まれたばかり、話しが出来るだけでも凄い事。気にする事はない。」

「そうっスね、転生話しを信じない人達から見れば奇才だーて大騒ぎかも知れないっス。」

「出来ればチートで転生したかったです。」

「良くわからないけど、頑張って!」

「街が見えてきたっスよ!」


 地平線に大きな壁に囲まれた街が見えてきた。

 見えてはいるが遥か先、老人の歩みでは本当に日が暮れてしまう。


 だいたい行商人の荷馬車とか都合良く通りかかるのがセオリーじゃないのかな?

 街道なのに、人っ子一人会いやしない。


「街に入る前に知っておいて欲しい事があるっス。」

「何でしょう?」


 カピが真剣な口調でジジに話しかける。


「ジジ君はリリーの事どう思うっスか?」

「え!?あ、猫ミミも可愛いくて良かと思うばってん、老人とは釣り合いが…、それにリリーさんの気持ちもあるけん…。」


 嫌いじゃなくて、何といえばいいか、複雑な感情。

 恋愛レベル0の童貞老人には酷な質問である。

 ってリリーさんも顔赤いしーッ!?


「あー、そうじゃなくってっスね。リリーは人族の中でも獣人になるんス。ジジ君には良くても、周りから見れば獣人は迫害の対象になるんスよ。」


 迫害!?こんなに可愛い子が?


「リリーは魔法使いとしての功績があるから、ある程度大丈夫だけど、ほとんどの獣人が奴隷や軍に入れられてるっス。」

「・・・・。」


 さっきとうって変わってリリーは悲しそうな顔をし、少しうつ向いていた。

 それを察したのか、カピは言葉を添える。


「ジジ君は優しいっスから…。」

「…大丈夫。続けて。」

「前に勇者とリリーが旅に出たって話し、軽く話したと思うんスけど、色々あってこの国を救ったんスよね。その時の褒美として獣人に対する差別をなくそうとリリーは動いたんスよ。それまで獣人は意味嫌われる存在で、問答無用で切り捨てられてたんス。」

「・・・・。」

「リリーと勇者が動いたおかげで、やっと生きる権利を手に入れたんスよ。」

「わかりました。それ以上はもう…。」


 今にも泣きそうなリリーさんがいた。

 だいたい言わんとする事はわかった。

 やっと手に入れた生きる権利。

 下手な正義感でぶち壊すな、といった所だろう。

 リリーさんが街に行きたくない理由がわかった気がする。


「それにしても、遠いですね!リリーさんの甘いお菓子で、ちょっと休憩しませんか?」


 そう言いながら、リリーの頭を優しく撫でるジジだった。

読んで頂きありがとうございます! 


続話の活力によろしければブックマーク評価、応援お願いいたします☆

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