13. パーティーはディナーのあとで
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※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。
一度死んで前世の記憶がある事。
女神からの天命や手違いから勇者になった事。
生まれて程なく襲撃にあってこの地にいる事。
かいつまんだ話しだったが二人は黙って聞いてくれた。
「やっぱり転生はあるの…かな?」
「じゃあジジ君はこの世界に来て三週間くらいだけど、前の世界ではどれくらい生きてたんスか?」
「84年です。」
「ちょうどいいっスね!リリーはこう見えて、はちじゅうごォッ!」
すかさずカピの頭にリリーのチョップが炸裂する。
「失礼ね!!」
「はははぁ、仲いいんですね。」
「んーもう!」
「イテテ、ごめんごめんっス。」
「ちゃんと聞いてあげて!」
「冗談はここまでにするっスよ。」
そう言うとカピの目付きが変わった。
「女神の真偽はどうあれ、ジジ君は勇者の資格があり、この世界の魔王を倒すのが目標にしてるってところでいいっスか?」
ジジは軽く頷いた。
「じゃあジジ君のやるべき事は二つ『強くなる事』と『襲撃を回避しつつ魔王を探しだす事』が最低限必要っスね。」
「魔王はどこにいるかわからないんですか?」
「それが、わかんないんスよ。」
普通魔王なんてどっかの城にいるものじゃないのかな?
はたまた天空のお城やドラコンに乗って、魔界を目指すとか?
「魔王と人族が直接戦った歴史はないの。」
「そもそも魔王がいるかどうかも怪しいんス。魔王の配下と名乗るモノが各地に現れては悪さをしたから、あ~いるのかな~?ぐらいの感覚っス。その配下がまためちゃくちゃ強くて、いろんな国に被害が出てるっスよ。」
「いるかもわからない敵が目標か。」
カピがキュッキュッと笑いながら答えた。
「大丈夫だよジジ君!今、世界中が魔王を探してるっスから。」
「何をもって魔王とするか、手っ取り早く襲撃者を拘束、尋問ではなく拷問する。」
さらっと怖い事言うリリーさん。
「その程度の力ではあの御方の足下にも及ばぬぞ~とか言って口割る前に自決するっスからね。力には力で恐怖を植え付けないと☆」
「お二人とも怖いですよ~。」
ジジは苦笑いをしながら鍋をつついた。
「まぁ、それだけ魔王って存在は見つけにくいって例えっスよ~。」
「配下と名乗るモノはいる。そこから辿って行けば必ず会える。・・・きっとあの人にも。」
意味深だな~。
聞くのも野暮ってもんかな~?。
「そうだ!気になってたんスけどね、ジジ君女神様と逢ったんだよね?名前覚えるっスか?」
「確か~、あい、あいす?」
「もしかして、命の女神アイリス様?」
「多分、そんな名前だったような。」
夢で見た話し、正直詳しく覚えていないのである。
ただ、他の誰でもなく自分がやらなければならないのだと、印象だけが強く残っていた。
「もしそれが本当で命の女神の加護があるならっスね~。」
「あの瀕死からの回復、納得できる。」
「そう、楽には死ねない感じっスね。」
マジですか!?死なない身体?
どうせなら、痛みも消して欲しかった。
痛いのはもうイヤじゃ~!
「まさか、冗談ですよね?」
「ジジ君が前いた世界はどうか知らないけど、この世界の神は稀に加護を与える。ゆえに神と呼ばれ祀られる。」
「魔法、いわゆる精霊システムを創ったのも神様っスよ。」
「精霊システム?」
「世界の中心にでっかい塔があって、そこから湧き出るエネルギーが僅かな意思を持った精霊になり、その精霊の力を借りて色んな魔法が使えるようになるんっスよ。」
「それが精霊システム。」
「電力会社みたいな感じですかね?」
「ちょっと何言ってるか分かんないっスね。」
サンドさんかよ!って突っ込み入れたい。
「魔法はある程度誰にでも使えるけれど、加護は産まれ持っての才能。加護持ちって呼ばれてて、見つかれば国家戦力として扱われる。」
「加護の内容にもよるっスけどね。」
「だから、加護の事は他言しないで!」
「確かに、国家戦力の一部にされたら動けなくなりますからね。」
「そうじゃない。」
「ジジ君の加護だと、人体実験される可能性大っス!不老不死は人族の永遠のテーマっスからね。」
マジかー。それは嫌だな~。
敵に見つかれば殺されかけ、国に見つかれば人体実験。
儂の甘酸っぱい異世界ライフはどこへ?
「大丈夫。ジジ君はお姉さんが守ってあげる。」
「やっぱりそのつもりだったんスね。ってお姉さんって~。」
ツボに入ったのか二人は爆笑。
なんだか固い話しになったが、重い空気にはならなくて良かった。
それだけこの二人の実力には余裕があるのだろう。
「ジジ君、これからもよろしくね☆」
「よろしくっス!」
「ほんと良かとですか?危険ですよ?」
そう、危険極まりない旅になる。
巻き込みたくない気持ちもある。
でも、何故だろう?
一緒にいたいと思ってしまっていた。
だから、断る言葉が出てこなかった。
「始めは街までって思ってたけど、ほっとけないよね。」
「人見知りのリリーがこう言ってるし、単語口調を治す良いきっかけっスよ。」
「お二人とも、…ありがとうございます!」
ジジは深々と頭を下げた。
「それじゃあ、新たな出逢いに乾杯するっスよ!」
「「「カンパーイ!!」」」
―――――
("猫ミミリリー 心のナレーション")
こうしてジジは、リリーとカピ、三人パーティーを組む事になりましたとさ。
めでたし!めでたし!
お話しはまだまだ続くよ~☆
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