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異世界じぃじクエスト  作者: ☆さくら
_第一章_
12/36

12. うまい飯は正義なのです

ページを開いてくれてありがとうございます!

最後まで見てくれるととっても嬉しいです。


ブックマークや応援してくださると、もっともっと嬉しいです☆


※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。

 リリーが部屋を出た後、カピは語り始めた。


「生まれた時、リリーは孤児だったんス。魔物のいるこの森で。誰の助けも無い中、ずっとさまよって。何度も何度も死ぬ目にあって、その度に必死の思いで生き抜いてきて。だから、ジジ君に親がいるなら帰してあげたいんじゃないっスかな?」

「リリーが街に行くって言い出すなんて珍しいんスよ。それにさっきも言ったけど、似てるんスよ。一緒に旅した勇者に。それもあって、力になりたいんじゃないっスかね。」


 自分の生ぬるい前世とは大違いだ。

 魔物の出るこのファンタジーみたいな世界では、珍しい事ではないのかも知れない。

 それでも、胸の奥が熱くなるのを感じた。


「…リリーさん、苦労されたんですね。」

「まだ幼い頃に勇者と出会ってたから良かったんスよ。言葉も魔法も勇者から教わったらしいし、親みたいな存在って言ってたっスね~。」

「ちなみに、オイラはリリーの従魔、勇者がリリーをこの森において旅立つ前に創られたっス。まぁ、寂しくないように置き土産みたいなものっスね。」


 カピはニコっと笑った。

 どんな理由で生まれようと、主人(リリー)の側にいれるのが幸せ。

 そう感じとれる笑みだった。


「それじゃ、雑談は終わり!昼ご飯食べたらまた寝るっスよ!食って寝て治す!夕飯の時にジジ君の事教えてね☆」


 そう言ってカピは部屋を出て行った。



―――――


 日が沈み始めた頃、腹の上に乗ったカピに起こされた。


「身体の具合はどうっスか?」

「あぁカピさん、もう大丈夫です。ありがとうございます。」


 目をこすりながら寝ていた部屋を後にした。



「わお!猪鍋の美味しそうな匂いっス!」


 コテージ風な外見と違い、内装は意外と洋風。

 部屋数も多いようで、扉がいくつもあった。

 家の出入口から続く大部屋に6人掛けのテーブルと椅子、奥には調理場があり、いわゆるアイランドキッチンのような造りになっていた。

 カピ専用なのだろうか、椅子の代わりにテーブルと同じ高さに合わせた木箱が一ヶ所だけ積まれている。


「出来たから座って。」


 椅子の上に立ち、テーブルの上の鍋をよそいながらリリーは二人に声をかけた。

 野菜たっぷりの猪鍋に、パンと燻製されたであろう薫りの強いチーズのようなもの、それに葡萄酒が並んでいる。

 

「いただきまーす!」


 三人が声を揃える。


 言葉もそうだが食事のマナーまで前世と同じとは。

 偶然にしては出来過ぎている気がする。

 と思うが、とにかく食事だな。


「旨いっ!」


 今まで何度か猪の肉を食べたが、こんなに臭みも無く美味しいのは初めてだ!


「だろ~?リリーは料理の腕も最高なんスよ~!」

「猪肉なのに臭みがなかし旨味も強か~!それに口の中に広がるこの上質な油がまた甘かったい!豚肉よりも少し弾力があるのがまた良か感じったいな~!またこの野菜とスープが肉の旨味を更に引き出してバランスも最高!毎日食べても良かくらい!」

「ほ、褒めすぎだょ…でも…うれしぃ。」


 リリーの顔が高揚している。

 猫ミミがぴくぴく動いてちょっと可愛いかった。


「どうだいジジ君?リリーを嫁に?今なら熨斗(のし)がわりにこのカピ様もついてお得っスよ?」

「へ、変なコト言わないで!」

「冗談、冗談っスよ~」

「でも、本当に美味しいです!猪肉何回か食べた事あるんですが一番美味しいですね!」

「捕獲するときストレス与えず一撃で仕留めるのと、やっぱ勇者直伝血抜き方法っスね!」

「なるほど、それで臭みが無いわけですね。」


 なんか食レポしてる気分。

 

「チーズもうまいっスよ!」

「あ、ほんとだ!?この強い香りは、もしかしてヒノキを使ってますか?」

「当たり!」

「ジジ君、凄いっス!」

「凄いのはリリーさんですよ!ヒノキは燻製には向いていないんですよ?香りが強すぎるからなかなか難しいんです。ちょうど良い具合の香り~ぅぐ、うまい!ワインに良く合う!」


 あまりの旨さについ食べながら喋ってしまった。


「マジでジジ君、リリーの婿に、どう?」

「どう?って・・・」

「ちょっと!カッピー!!ジジ君困らせないで!ご、ごめんねジジ君、カビが変なコトばっかり言って。。。」

「ジジ君はいい奴だし、人見知りのリリーも気に入ってる。いいカップルだと思うんスけどね~。早く結婚して孫の顔を見せちくれ~。」

「カピさん、だいぶ顔赤いですよ。」

「あははははぁ!」


 こりゃだいぶ酔ってるな。

 少ししか飲んでないように見えたのだが、相当お酒に弱いようだ。


「ん~もう!」


 リリーは文句をいいながらも、カピに毛布を掛ける。

 中のいい家族、ちょっと羨ましく思えた。


「そういえば、ジジ君の話しを聞くんだったっスね?」

「そう、聞きたい。」

「わかりました。信じてもらえるかどうかわかりませんがお話しします。」

 

 別に信じて欲しいわけではないが、ここまで来た経緯を話す事にした。

 読んで頂きありがとうございます! 


 はじめての作品なので不安はありますが、よろしければブックマーク、応援お願いいたします☆

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