10. 猫ミミおばぁさんのとある一日
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※ストーリーを進めたいので、情景描写など最低限にしております。時間に余裕がある時に追加を考えていますのでご了承ください。
("猫ミミおばぁさん、心のナレーション")
むか~し、むか~し、あるところに一匹の大ねずみと猫ミミ幼女が住んでいました。
ある朝、いつもの様に森を散歩をしていると~
一人の老人が土に埋まっているではありませんか。
心優しい大ねずみと猫ミミおばぁさんは、掘りだしてあげる事にしました。
良かった、まだ息はあるようです。
大丈夫ですか?起きれますか?
猫ミミおばぁさんは優しく声をかけました。
しかし、反応がまったくありません。
このままにしておくと魔物のエサになるかも知れない。
そう思った大ねずみと猫ミミおばぁさんは、この老人を家に連れて帰る事にしました。
―――――
《猫ミミおばぁさん宅》
森の中に丸太で出来た小さな一軒家。
ジジはベッドに寝かされていた。
「すごくキズだらけ。」
「とりあえず、治癒魔法を!」
大ねずみに急かされ、猫ミミおばぁさんは奥の部屋から取ってきた呪符を、ジジの額に張り両手をかざし呪文を唱え始める。
呪符が燃え桃色の優しい光がジジを包む。
みるみるキズがふさがっていく。
「これでよし、あとは本人しだい。」
「この人間、キズの治り早くないっスか!?」
「なんだか特別な子みたい。骨とかも折れてたようだけど、自分で治した感じがある。」
「こんな子供が魔法使えるっスか!?」
「うーん。魔法とは違う何か。」
話しをしているとジジは目を覚ました。
「私はリリー、この子はカピ。言葉、わかる?」
「お前、森で倒れてたんだぞ!」
生きているのか!?
あれだけ瀕死だったのに?
「おーい?聞こえてるっスか~?」
大ねずみのカピがベッドの上、ジジの腹の上にダイブする。
「助けてもらっといて~、礼の一つくらい言うっスよ~」
「あ、ありがとう。―――ここは?」
「ここはラインハルト領の東の森。」
「そしてオイラたちの家っス!」
聞いといて何だけど、ぜんぜん知らない。
まだこの世界に来て日が浅いのもあるが、リスタから聞いた気もしない。
たぶん近くの小さな領地だろう。
気づけばキズがすっかり癒えていた。
目の前には大きなねずみが。
どう見てもカピバラ?っでもしゃべってるし。
横にいるのは5~6歳に見えるが幼女?
猫ミミだが、獣人?
やっぱり異世界はこうでなくっちゃ!
「君が治してくれたと?」
リリーは軽く頷くと続けて口を開く。
「私が治したのは表面のケガだけ。あなたはもっと酷い状態だったはず。魔法とは違う、自分で治した感じが残っている。あなたは何者?」
「そういえば、名乗っとらんかったたいね。儂はジジ。まだこの世界に来て20日くらいかな?何か良くわからんけど殺されかけて・・・、本当に助かったたい、ありがとう!」
「20日ぐらいって!?まだ生まれたばかりじゃないっスか!?」
そういえば、この世界では生まれたばかりの赤子扱いだったの忘れてた。
「あ、えーと。」
「リリー。」
「リリーさん、本当に助けてくれてありがとうございました!ここにいたら貴女方にご迷惑になるかも知れないので―――」
そう、また襲撃されるかもしれない。
助けてもらった恩人を危険にさらす訳にはいかない。
ねずみのカピを横に退かし、ジジはベッドから降りようとした。
ふらつくジジをリリーが支え、またベッドへ押し戻される。
「まだ完全に治ったわけじゃない。」
「そうだぞ!ケガ人はケガ人らしく寝てるっスよ!」
「私は命を狙われています。ここにいるとリリーさん達まで危険に巻き込むかもしれない、だから―――」
どこから取り出したのか、話の途中で口にパンを突っ込まれた。
「私達は大丈夫。それより、・・・丁寧な言葉遣いは止めて。さっきの話し方。好き、だから・・・」
ちょっと!ドキッっとした。
両親以外、好きとか言われ慣れてないし!
見た目幼いが、意識してしまう!
あ、言葉遣い、前世の方言の事か~。
ちょっと残念。
「・・・とにかく、食べて寝てて。」
「寝てるっスよ!」
言ってて恥ずかしくなったのか、頬を染めていたように見えた気がする。
リリーはカピを抱き上げると、そそくさと部屋から出ていった。
「悪か人じゃなかったいな~。」
前世はけっこう方言やら訛りやらあったから、今でも出てしまう。
でも気に入ってくれるなら、リリーさんの前では使う事にしよう。
それにしても、これからどうしよう。
まずは家に帰ってから、・・・屋敷大丈夫かな~?
心配してるだろうな~。
窓の外を眺めつつ、パンをかじるジジだった。
―――――
「あの子。」
「あの人に似てるっスね!」
リリーは頷きその場をあとにした。
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