戦乱の始まり
ド・ルタルク村は大陸のおおよそ北部に有るフラクタル大森林の中に存在する、フラクタル大森林は大陸の4分の3を占めている森林で平坦ではなく、丘陵も在り深部に到っては魔獣がひしめくとも言われている。
大森林の外側はほぼリュームの国が犇めいており、群雄割拠の状態らしく、さすがに大森林開発には手が出せない状態だった、ところがラゼン連合王国、シミドラ帝国、ロクリム商業共和国の三竦みができ互いに牽制状態になった事でラゼン連合王国に余裕が出来、ラゼン連合王国の一部が大森林に進行しラゼン連合王国の領土拡大に撃って出てきた。
最初に王国の干渉があったのは5年前、大森林の比較的浅い層の方向に位置するコーゴル(コボルト)族の村へ、ラゼン連合王国より従属の打診があった、その内容は無条件降伏と作物の8割上納であった為に反感を買い、徹底交戦したのだが、敢えなく大敗しコーゴル族の村はラゼン連合王国の手に落ちた。
此処で大事な事は、
・大森林の村は基本的に魔物が跋扈する地面に村は造れ無いので、鬱蒼と生い茂る森林の上に村々が存在する。
・大森林の地上は危険なので村と村の間は専用の空中廻廊が在りそこを使って物々交換の交易をする
以上の事によって村が取られると他の村が危険に晒される事となる。
ただし、今回はコーゴル族の者も抜かりは無く、ラゼン連合王国の手に落ちる前にコーゴル族の非戦闘員が村の一部と通路を燃やし、他の村への足掛かりを途絶えさせた。
此によりある程度、村と農業用庭園の再建は出来ても空中廻廊は再建出来ず、リュームの進行は困難を極めると思われた。
だがラゼン連合王国の欲望はそんな困難をも乗り越えてやって来たのである。