反ファーメル同盟結成
初めてブックマークが付きました。読んでくださってどうもありがとうございますm(_ _)m
<詐術の魔王視点>
ファーメル教国と、コルベスト美上王国の国境付近。
その日、その小屋には、8人の勇者が集まっていた。転生して授かったチートを、法で縛るファーメル教国に、勇者たちは、不満を持っていたのだ。
今日、その不満が結実しようとしている。
彼らには、『努力して魔王を倒す』なんて考えは、微塵もない。
せっかく手に入れた二度目の人生。
弱い敵、――現地人にとっては恐ろしい敵を狩って、現地人にチヤホヤされたいじゃないか。金持ちになり、もてたいじゃないか。
人知れず、恐ろしい魔王と命がけで戦うよりも……。
そこまでは、人の有り様としては、まだ自然だった。
のみならず、旅に出ようともせず、不平不満をいって、力を授けてくれた、温厚なファーメリアのほうに噛み付こうとする。
彼らは甘えているのだ。ファーメリアが手をくださないことをいいことに。
彼らのこの考え方は、どうなのだろうね? いやいや、悪くない。
いかにも人間臭くて、かわいいじゃないか。
ガタッ。
全員が席につく。
皆一様に集まっている面子を見回す。
「早速質問だが、いま勇者は世界にどれぐらいいると思う?」
光の勇者レイモンドが、尋ねてきた。
「私達は、神霊どもから見れば消耗品だからね。魔王の4倍は、いるんじゃない?」
「話に聞く勇者は、4人パーティーで、魔王と戦ったらしい。おれも4倍を支持する」
「銃の、炎の、あなた達は、まだそんなに勇者が健在だと思いますか? たしかに、かつては、勇者は魔王の4倍はいましたが、いまは3倍いればいいほうだと思いますけどねぇ」
「勇者の数が減っているというのか? おい知恵の、原因はなんだ」
「原因はいくつか考えられますねぇ。ひとつは、魔王連中がおとなしくしているから、勇者の絶対数が増やされていないということ。もうひとつは、積極的に勇者を狩る異端審問官の存在」
数人が殺気立つのがわかった。ザワザワした空気が場を支配する。
そう、今は魔王たちは動いていない。曲がりなりにも勇者の卵が『数多くいる』今は。魔王たちも馬鹿じゃない。勇者を刺激して、自分を倒せるまでに成長した『雷使いの真の勇者』が出現する可能性を増やすよりも、『勇者のいる新大陸とは関わらない』という選択をするのは、当然のことだ。ごく一部の傲慢な魔王を除いては……。
「なぜ、異端審問官が勇者を狙うんだ?」
「ほら、魔王が暴れていないから、我々勇者も暇じゃないですか。タダ飯食らいや、強力な力を持つ争いの種は減らしたほうがいい、と思うのは自然のことなのでは?」
「魔王の侵略が始まれば、平身低頭して、俺たちに命をかけてくれと願い出てくるくせに、平和の世になれば、無駄飯食らいと排除しようというのか!」
「ゆるせん! 平和ボケした愚民どもに目にものを見せてくれよう」
「待ってください、炎の。異端審問官に狙われた勇者達自身が、問題を起こしているというふうには、考えられませんか?」
「龍騎の勇者殿は、ひどく自虐的な考え方をされる。爬虫類と戯れていると、こうまで脳が湧くのか」
「炎の。私を侮辱する気ですか!」
龍騎の勇者、彼女は計画の障害になる可能性がある、早々に始末するべきかもしれないな。
「まぁまぁ、炎の。まってください。現状では龍騎の、の言い分にも筋があると言わざるを得ませんねぇ」
「チッ!」
「そういえば、コルベストに現れた爆発の勇者が、異端審問官に捕まり殺されたらしい」
「暗殺の。それは本当か? コルベストは、死刑のない国のはず、であるならば、殺されたのは刑の執行ではないはずだ」
「私のところにも、その情報は届いてますねぇ」
「異端審問官が僕たちを捕まえて、あらぬ罪を着せて殺そうとしてるということか。おのれ、ファーメル教国。勇者を侮ったことを後悔させてやる」
「後悔させるのはいいが、どうする? いくら、現状最強のコマである龍神の大半を失っているといっても、女神ファーメリアのもつ戦力は強大だ」
「なぁに。別にファーメリアや龍神を相手にする必要はないさ。そいつらは政治にはかかわらない。異端審問官と教会騎士団を皆殺しにしちまえばいいんだ。そうすれば枢機卿も俺たちに従うさ」
「ちがいない。だが、教会騎士団はともかく、異端審問官は、侮れる相手ではないだろう?」
「奴らは強く、数の力もある。俺たちも、バラバラにではなく、まとまって対応するべきだ」
「反ファーメル同盟の結成か。どうだ? おまえたち。今日ここに集まる皆で同盟を組んでファーメル教国と対峙するというのは」
「異議なし!」
「ふむ、ここで酒坏をかわしましょうか。後手に回ると、次の会議のときには、人が減っているということも考えられる」
「だな。反ファーメル同盟に異議のないものは酒坏を掲げろ」
「おう!」
▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽
旧大陸。とある王城にて。
「首尾はどうだ?」
「上々かと。反ファーメル同盟の結成にこぎつけました」
「計画より速いな。さすがは詐術の魔王だ」
「身に余るお言葉でございます。事前に、護送中の爆発の勇者を殺していただいたおかげで、スムーズにことを運べました」
「なに。大した事ではないさ。お前のアイディアにのっただけのこと。これからもよろしく頼むぞ」
「魔王としては、力の満たない半端な私を見込んでいただき、魔王の一柱として推挙していただいたご恩、決して忘れません」
「うむ。勇者と異端審問官が共倒れし、計画がなった暁には、私はすべての魔王の頂点に立つものとなろう。その時、お前はわが右腕として、他の魔王を統べよ」
「御意」
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諜報(諜報)
支配領域2400RU
・用語解説
魔王――魔族たちの王。世界中に複数国があるように、魔王は
数多くいる。主に、旧大陸にいる。




