100話 予定
みゃーこを気が済むまで撫で回し、そのもふもふの毛を堪能し尽くした僕たちは、日付で言えばおそらく今日だが、まだ寝ていないため気分で言うところの明日の日程を決めることにした。
先ほどまでは闇で何も見えなかった窓からは、いつの間にか柔らかな朝日が差し込んでおり、長かった夜の終わりを僕たちに告げていたので、話をまとめるのには丁度良い頃合いだった。
「とりあえずは今は少しでも疲れを取るためにひとまず寝て、自然に目が覚めたらまたカイトの家に行くのが良いんじゃないかな」
今の時刻を6時前後だとして今から就寝すると、ステータスの恩恵があり快復が早くなっているため遅くても12時頃には目が覚めるだろう。それぐらいになれば僕たちが帰った後、鍛冶のスキルアップのために長時間作業をやって床に就くのが遅くなっていたとしても、さすがにカイトも起きているだろう。
「そうだね、それで良いと思う!朝ご飯……って時間的に昼ご飯か。どうする?私が作る?」
さくらは魅力的な提案をしてくれたが、体調がまだ万全ではない、もしくは万全になったばかりのどちらかだと思われるので、その案は何が何でも却下することにした。そして僕がまたおかゆを作る、あるいはココさんの食堂に食べに行くことを代案として提示しようかとしたが、鶴の声、もとい猫の声でご飯は何処にするか決まることとなった。
「さくらの作ったご飯も食べたいけど、まだ疲れが取れていないだろうしもう少しだけ休んで!ご飯は……僕が作るかココさんの「みゃーは屋台が良い!!」」
噛みつくように声を発したみゃーこの方を見ると、純粋無垢なきらきらとした目でお願いを訴えかけてきていたので、僕とさくらは微笑ましい気持ちでどちらからともなくアイコンタクトをした後、威勢良く飛び出してきたみゃーこの案を採用した。
「じゃあ、起きたら屋台で食べ物を買いながらカイトの家に向かう。これで大丈夫?」
「うん、異論無し!」
「大丈夫にゃ!」
こうして街の人々の活気が出始める頃、僕たちの今日のスケジュールは決まったのである。