第七のウワサ
「いよいよ最後ですか」
「ええ」
北エリアの西側、北西通りのところへと向かう。
「ん……?」
弁護士とプロデューサーが話している間に、何か音が聞こえる。
いや、声か。
「どうした」
プロデューサーが俺に声をかける。
「いや、今声が聞こえた気がして」
「私たち以外には、誰もいないはずですが……」
弁護士が困惑した声を上げる。
「観覧車から聞こえる声。ってやつですか」
プロデューサーが7つ目の都市伝説を話した。
「出して、出して。という声の話でしたね」
「いや、何と言っているかまでは……」
歩きつつ、弁護士とプロデューサーへと言う。
観覧車へと近づくにつれて、言葉がはっきりする。
「出して……?」
他の人には聞こえないようだ。
でも、俺には聞こえる。
観覧車は止まっているが、弁護士に頼んで動かしてもらう。
一つ一つゴンドラを調べてみると、見つけた。
「このゴンドラだ」
16番ゴンドラ、ここが一番声がはっきり聞こえる。
「カメラ、まわしてる?」
プロデューサーが聞くまでもなく、カメラは回り続けている。
「でも、映っていません」
「試写で確認だな」
何が映っているか分からない。
「どんな声だ」
プロデューサーが俺に聞く。
「か細くて、女の子、でしょうか。10歳かそれぐらいの声に聞こえます」
「ふぅむ、となれば、子供の霊か?」
プロデューサーが考えるが、俺には判断がつかない。
声だけ聴くと、確かに子供だけど、ぼやけて聞こえるからもう少し年齢が高くても、可能性としてはありうるだろう。
「これで全部ですね」
撮影を終えて、再び正門に戻った。
これからテレビ局に戻って、弁護士とともに試写をして、使えるところと使えないところ、さらにはコースなどの手順を確認することとなる。
「ええ」
プロデューサーへと弁護士が答える。
少なくとも、これでここは終わりだ。
来週にはタレントと一緒に来るが、その前の試写をどうにかしないと。
俺はそのことで頭がいっぱいになっていた。