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クラスメイトなメイド  作者: 神無桂花
愛おしいメイドに。
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メイドとラジオの真似事をします。第七回 下

 「さて、上では、読者の皆様から受け取った質問に答えて行きましたが、相馬君。続いては私のルートについての解説をしていこうと思いますが、よろしいでしょうか?」

「よろしいです」

「わかりました。では、参りましょう」



 「バッドエンドを描きましたけど、あれ、どうしてバッドエンドなのですか? 私死ぬのですか?」

「死にはしない。帰ってくる。けどさ、要するに僕らに必要だったのは、お互いの気持ちをぶつけ合う事なんだよね。それと、僕にとって陽菜は、他の人の都合とかそんな事が関係なくなるくらい好きであることを認識すること。無条件に一緒にいてくれるという甘い考えを捨てる事。これ」

「そして私は、相馬君が私を信じてくれているから、許してくれるという甘い考えを捨てる事、ですね」

「僕らお互いがお互いに甘えていたんだね」

「ですね」



「さて、あと必要なのは」

「種明かしですよ、相馬君」

「おっと、そうだった」

「陽菜√第七話、あれに仕組んだ遊び」

「こういうの、恥ずかしくない?」

「そうですか? 私は好きですよ、種明かし」

「意外だなぁ。それじゃあ、聞くけど、僕の気持ちを読んだり、気がついたら僕の横や後ろにいたり。それこそ手品の如く必要な物を必要な時に取り出してくる陽菜の謎ポケット、ここで明かしてもらおうか」

「相馬君の気持ちを読むのは、観察の成果です。横や後ろにいるのは、メイドとして当然の事ですよ。なるべく常に周辺にいますから、私。謎ポケットに関しては。まぁ、ある程度汎用性があるものを持っていますから。ただそれの使い方を把握しているだけです。相馬君だって、ナイフ一本で生き残れるよう、教育を受けていたのでは?」

「まぁ、山でそれを教わっていたからねぇ」

「そういう事です。決して、四次元ポケットを持っているわけではありません。さて、話題が逸れましたね、種明かしの時間です」

「縦読み。ただそれだけ」

「33行目くらいですか? そこを縦に読めば良いだけです。相馬君。告白ありがとうございます。私もですよ。相馬君の事」

「うぅ、その後にまさか全力で陽菜に直接言う事になるとは」

「嬉しかったです。素直に。あれは」

「大分滅茶苦茶な事言ったと思うけど」

「それもまた、愛、ですよ。年甲斐もなく、思わず泣いてしまいました。このルートは、他のルートと違って、相馬君が成長していくという、クラスメイトなメイドにおける本筋をそのまま行った形になりますからね。相馬君が自分の気持ちに正直になるという、課題を克服したと感じました」

「そう? そこまで褒めてくれちゃう?」

「むしろ、今までで一番軽いヒロインでは? 私。不眠症にも味覚障害にもなっていませんし。ハーレム作りませんし、メイド雇ったりしませんよ」

「唐突な自分推しですか……」

「全てのルートを総括して、相馬君が一番楽だったと思うルート、聞こうと思ったのですが」

「どのルートも結構きつかったのだが」

「私のもですか?」

「陽菜のもだよ。何でメイド長と二回も対決っぽい事しなきゃいけないのさ」

「あ、あ~。まぁ、相馬君でしたらイージーですよね?」

「心にも無い事は言わないでくれ」






 「次回はエピローグですよね。その後の陽菜アフターはどうなっているのですか?」

「決めてないらしいです」

「案はあるのですか?」

「あるっちゃあると」

「聞きましょう」

「一、相馬と陽菜の子どもの物語。二、まぁ、当然ながら高校三年生編。三、あえて書かない」

「はぁ。なるほど。まぁどのルートもイチャイチャ要素薄かったですからね。あえて書かないはこの場で私が握りつぶしても良いですか? イチャイチャしたいです」

「いや、僕としてはわりとありだと……むぐっ。むぐぐ、せい!」

「なっ……相馬君、私とのイチャイチャ!」

「ご想像にお任せするもありだと思うぞ」

「む~、わかりますけど、わかりますけど~」

「そ、そういえばさ、乃安ルートと夏樹ルート行かなかったとき、彼女たちが抱えていた物ってどうなるの?」

「……彼女たちのルートは、これから時間をかけて解決していくものが、短期間に濃縮されたため、あのような問題が発生しました。それだけです。ちなみに、私が母に会いに行くのは、どのルートでも、陽菜ルートより後になりますが会いに行き、お葬式にも出席します」

「そうなのか」

「はい、そうなのです」




 「裏話としてはこんな感じでしょうか?」

「そうだね。こんな感じだね。やっぱり2つに分ける必要性が無かったね」

「ですね」

「そういえばさ、僕と陽菜、従兄弟だったわけだけど、そこまで意識していないね」

「今更関係なんて変わりませんよ。そんな事実じゃ」

「実の兄弟でも? 腹違いの」

「関係ないです」

「そうだね。そりゃそうだ。それに、陽菜みたいな従兄弟がいたら、多分、好きになっていたと思う。どちらにしても」

「意外ですね。私がメイドとして来なかったら話すことも無かったと思うと言っていたあの日から、随分と大きく出ましたね」

「そりゃ、僕だって心境の変化くらいあるさ」

「嬉しい変化です」

「IFルートもありですね。私と相馬君が従兄弟として、兄妹のように育っていたらとか」

「面白そう」

「莉々さんルートとか」

「無いです」

「好きでは無かったのですか?」

「ノーコメント」

「もし、告白したらどうなると予想していますか?

「『なんで莉々があんたと付き合わなきゃいけないんだよ。死ぬ、そんなの確実に死ぬ』かな?」

「私は、『別に良いけど』だと思います」

「無いから」

「あると思いますけどねぇ」

「あの子、僕の事嫌いじゃん」

「この期に及んでそんな風に思っていたのですね、相馬君」




 「さて、こんな所でしょうか」

「はい。1年と少し続いた物語、お付き合いいただき、ありがとうございました。次回は陽菜√最終回、エピローグです。最終ラジオ回、お送りいたしましたのは、クラスメイトなメイド。朝野陽菜と」

「殻に籠りがちだった高校生、日暮相馬でした」






 

 

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