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クラスメイトなメイド  作者: 神無桂花
大切な親友と。
130/186

間話 メイドとラジオの真似事をします。第三回。

 「朝比奈乃安です。陽菜先輩が突然私に進行を押し付けました。まぁ、一応私もメイドですし、タイトルから外れないので良いかと」

「まぁ、大方莉々が原因だよね、それ。というか乃安ちゃん、今日は眼鏡なんだ」

「はい。伊達眼鏡です。似合います?」

「うん、似合っている。それで、なんで日暮相馬がそこで見ているの」

「先輩は、まぁ、あれです。監督? ですかね」

「ふーん。まぁ、良いけど。んで、質問コーナーだっけ?」

「はい! 今回は来ているのですよ。三回目にして」

「ふぅん、意外。そんじゃ、読みあげて、乃安ちゃん」

「はい、なろうネーム33R様から三つ届いております。ありがとうございます。一つ目から参りましょう。相馬くんの父親は何者? です」

「ふぅん、日暮相馬の父親なら、一回会ったことある」

「どんな人でした?」

「あれは過去に色々やったね、結構な死線潜ってる」

「あ~。そういえば、派出所にも攻め込んできたことあったなぁ」

「へぇ」

「うちのメイドの一人に結城真城という人がいてですね。その人がまぁ、警備の人では手が負えない人を倒しているんだけど」

「何その化け物」

「まぁ、それで、警備の人が全員気絶させられたとかで、結城先輩が出てきたんだけど、ワンパン、何もさせてもらえず、吹っ飛ばされて壁に叩きつけられてそのまま戦闘不能。それで全員、これは駄目だどうしようもないと思った所でひょっこり出てきたメイド長が、『あーごめん。連絡忘れてた』と、丸く収まって良かったーという話です」

「職業の事聞いているよ、この人」

「顧客情報覗いたことあるから知ってはいますけど、作者さんが陽菜先輩ルートでわかるって言っていましたよ。というか、私が言える情報は、相馬先輩が日本に来るとき、前の職業は足洗って、今は別の職に就いているって。それしか言うなと言われました」

「んじゃ、日暮相馬に引き継がれているあのとんでもスキルの数々は?」

「前の職で必要になったとか」

「あれらが必要になる職ってなに?」

「知っているけど言えない……。これ陽菜先輩も知らないんだよなぁ。というか、メイド長があえて教えなかったんだよね」

「なんで?」

「それ以上は言えないかな」

「ふぅん、じゃあ、二問目は?」

「はい。守護者真城先輩のキャンパスライフは無いの? とのことです」

「前書こうと思って断念して消した奴あったらしいじゃん」

「あの頃は東雲先輩の設定が固まっていませんでしたからね。これは三問目の東雲さんをもっと掘り下げないの? という質問と合わせて回答させていただきましょう」

「それで、やるの?」

「どっちもやりたいとは思っていて、機会が無いというのと、需要があるのか疑問があった。需要があるなら書きたいという回答ですね」

「いつやるの?」

「相応しいのは、入学シーズンとかじゃないですか? って、突然ゼリー飲料飲み出さないでくださいよ」

「ごめん、お腹空いた」

「もう、莉々はいつもご飯抜くから」

「仕方ないじゃん。面倒なんだもん。親作らねぇし」


 あっという間に飲み終えた空をポケットに突っ込むと、気怠げに頬杖をつく。


「はぁ、あなたの家庭事情はここでは問いません」

「ん、そうして」

「弁当作ってありますから、後で食べてください」

「サンキュ」

「そんなんだと、体を壊しますよ。というか、失礼ながら体重いくつ?」

「47」

「身長は?」

「160」

「痩せ過ぎですよ! もう、ちゃんと食べないと夜用の弁当持たせますよ」

「あはは、大げさだよ。それよりも次の話題。莉々を呼んだのって日暮相馬について聞きたいからでしょ」

「そうですね。そうでした。中学時代、どんな人だったのですか?」

「莉々がそうちゃんって呼んでた頃のあいつは暗いし、ひねくれてたし。中二病も患ってたし……それは今もか。そのくせやたら正義感強くて。そんなあべこべな性格していたから、取り扱い方法わからず孤立していたんじゃないかって莉々は思っているけど」

「へぇ、莉々はその頃から毒舌だったの?」

「全然。お淑やかで悪口なんて言わない純真無垢な女の子でしてよ」

「相馬先輩があそこで嘘だって顔しているけど、そこのところは?」

「いやー、ほら。乃安ちゃんって、可愛い後輩をイメージしたらこうなっただけど、私の場合は嫌い合いながらもなんだかんだ仲良くできる性格でイメージされたからさ。つまり、可愛さの欠片も無いということ。過去くらいは美化させてよ」

「あ、あはは。それはそれで、ツンデレに近いものがあると思うけどなぁ」


 それもまた違うと思うけどなぁ。


「イメージと言えば、日暮相馬は主人公になろうとしないし、なれない主人公で、朝野先輩は作者が今考え得るヒロインの理想形だってさ」

「ほうほう。でも、中二病って主人公に憧れるものじゃないのですか?」

「わかっていないなぁ乃安ちゃんは。中ボスは確殺。大ボス相手でもかませにならない、むしろ倒してしまうサブキャラのロマンがわかっていないなぁ」

「莉々?」

「そういえば、日暮相馬が剣をあまり使わない時期無かった?」

「あぁ、そういえばそうですね。聞いた話ですと、陽菜先輩を連れ戻しに行く時、拳で来ていたそうで」

「そう、何でだと思う?」

「なんでですか?」

「殺さないようにって、難しいな。殺さない力加減を覚えるまで、僕に剣を使う資格は無い。だってさ」


 僕は神速で手を動かしイヤホンを外して投げつけた。ガラスの向こうでは君島さんがげらげら笑っている。一息ついて冷静になって、付け直す。


「私の事は忘れているはずなのに、その謎のこだわりだけは覚えているんだもん。あー、ムカつく」

「じゃあ、相馬先輩が剣をまた使い始めた理由って何でしょう」

「さぁね。それよりもさ。日暮相馬、妙に特技多すぎない?」

「と言いますのは」

「まず、英語での会話は特に問題は無い。さらに拳闘に剣術に柔術。隠密行動にサバイバル技術。水泳。あいつ前言っていたのは、イメージに体がついてくるから大抵の無茶はできるとか。運動会とか地味に活躍していたねぇ。あと、ゲームはそれなりに色々得意」

「へぇ~」

「教室の隅にいるできる奴。頭も悪くは無いしね。むしろ回る方。成績は上の下程度だったかな」

「莉々が珍しく褒めてる。そして詳しい」

「だって事実だし。詳しい理由は、あいつ莉々の目の前でテストの復習とかしてたから。あいつはゼロから一にはできないけど、一から無限に変えられるタイプって言えば良いのかな。創始者にはなれない、主人公にはなれないけど主人公の良きパートナーになれるタイプ」

「なるほど」

「さて、話題も尽きた所で、こちらを流しますか」

「ちょっと、莉々?」

「実はですね、本編に描かれてない部分だと、もっと乃安ちゃんからの一方的なイチャラブ展開が……」

「ストップ、莉々ストップ。何その手帳? というかスマホで何流そうとしているの?」

「えっ、まぁ、ほら、ね? データを残すのは二重三重が基本じゃん? 紙で記録、スマホで映像及び音声で記録。パソコンにバックアップで保存」


 見事などや顔だ。イヤホンには雑音。羞恥に顔を赤く染めた乃安が君島さんの手帳とスマホを奪おうと手を伸ばし、君島さんがひょいひょいよかわす。


「ぐぬぬ……」


 乃安が獣の目で君島さんを見つめる。


「ふふん。頭を抱いて、『相馬先輩、どうですか? 温かいでしょう』だっけ? 温かいのもそうだけど、柔らかさの感想も聞いた方が良かったと思うよ」

「うぐぅ」


 乃安が机に突っ伏してダウン。そのまま頭を抱えて動かなくなった。


「ありゃ、やり過ぎたか。流したかったなぁ。まぁ良いや。それじゃ、乃安ちゃんがまともに機能しなくなったので今日はここまで。朝比奈乃安と君島莉々でお送りしました」



 

 

本編は明日更新します。

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