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クラスメイトなメイド  作者: 神無桂花
大切な親友と。
128/186

間話 メイドとラジオの真似事をします。第二回。

 「どうも皆様。懲りずに大して間も空けずにまた始まったこのコーナー。本日は朝野陽菜がお送りいたしました」

「まだ始まってもいないのに、何をやっているのですか? 先輩」

「では、今回は乃安さんの話をしましょうか」

「私のツッコミを華麗にスルーをしないでください!」


 うん、この二人、息はぴったりだな。さすがと言うべきか。


「朝比奈乃安。苗字はほとんど使われること無く、大方の読者様に忘れられているであろう苗字ですね。もう乃安乃安で良いのではないですか?」

「別に良いというか、私自分の苗字嫌いですし」

「と言いますのは?」

「そもそも派出所にいる人、ほとんど親が育てられなくなって預けた子ども達じゃないですか」

「そうですね」

「なんで自分を捨t……」

「そこまでにしましょう。突然の重い話はストップです」

「あっ、はい」


 うん、陽菜、ナイス進行。


「ちなみに作者の頭の中に乃安さんが現れたのは第七十三話を書いている途中ですね。一年生編が終わり、これからどう進めるべきか、後輩出すかって感じだったそうで。とにかく可愛い後輩をというイメージだそうです」

「なるほど。あはは、可愛いは照れますね」

「ちなみにその時点では乃安さん、相馬君の中学の後輩で、私との過去は無かったそうで」

「それはそれで悪くなさそうですね」

「でも、相馬君のトラウマを掘り下げてその原因にするには、乃安さんの人柄が優しすぎたというか、こんな後輩じゃむしろ立ち直って真人間になりそうだなとか、そんな感じで、私の後輩になりました。他にも、派出所の事を掘り下げるきっかけが欲しかったというのもあるそうで」

「そういえばクリスマスとか正月の特別回は、私目線の派出所でしたね」

「はい。そんなぽっと出の後輩が、気がつけば他のメインキャラを差し置いてメインヒロインの一人ですか。先輩としては鼻が高いですね」

「うぅ」

「そもそも九十一話のお付き合いを申し込むシーン、あれ、全く予定していなかったそうですよ」

「えっ?」

「あれ、気がついていたら書いていたとか言っていました」

「あはは、私は私のしたことに後悔はありませんけど。我ながらとんでもないことしたなぁとは思いましたね」

「でも、あの回、私は結構好評だという印象ですよ。先輩として、後輩の行動が評価されるのは嬉しいですね。たとえそれが事態をややこしくしたとしても」

「あ、あはは。お礼を言っても良いのですかこれ?」

「どうでしょうね……その少し前の狂犬物語、その序章である八十三話。桐野君が相馬君を倒した回、あれを公開したらブックマークがかなり減ったのですよ」

「あらま」

「本当はもう少しえげつない展開をあの先考えていたそうで」

「どんな感じですか?」

「相馬君を巻き込みたくない、そして過去自分が所属していた集団を潰したい桐野君、桐野君を連れ戻したい相馬君、桐野君に雪辱を果たしたい今は高校生の不良集団」

「はい。その構図は変わらないのですね」

「そうです。しかしあくまで相馬君が自分から殴り込んでようやく巻き込まれたじゃないですか。あれ、当初はリーダーの萩野さんに内緒で、桐野君に恨みがある人たちが相馬君をはじめ私たちを襲いに来るという展開を用意していて、それで夏樹さん辺りは捕まる予定だったそうですよ」

「囚われヒロイン夏樹先輩、なんだろう、ものすごくあれな展開が来そうな……」

「しかしチキンでその頃はまだ目指せ書籍化だった作者は、読者の皆様に嫌われる展開は避けたかったようで、ソフトな狂犬物語を書きあげたのですが、思ったような盛り上がる展開にならなくて、それからというもの、悩んだそうですよ、それからの展開を」

「ふむ。そして」

「はい、乃安さん。あなたのメインヒロイン昇格ですよ」

「ほう」

「よく考えれば、相馬君が乃安さんになびくのが理解できるのですよ」


 イヤホンを外そうと手を伸ばそうとした瞬間、陽菜の目と乃安の微笑みが僕を貫く。何で物理的な圧力を感じるのですかねぇ。


「胸もそれなりにあって足はスラっと伸びて、顔立ちは綺麗で、初登場時は伊達眼鏡という、似非とは言え眼鏡属性あり。しかもポニテ! 家事に関しては言うまでも無く何でもござれ、そして後輩属性もある ちなみに何カップですか?」

「教えるわけ無いじゃないですか」

「まぁ、下着洗ったことあるので知っているのですけど」

「言わないでくださいね。さすがにそれは超えてはいけない一線です」

「良いじゃないですか。今現在最新話まで読んでいる人、どれだけいますか?」

「多分、そんなにいないと思いますけど。読もうと思ってブラウザとかなろうのアカウントでブックマークしたは良いものの、なんだかんだで読まないでそのままという人が結構いるのではと私は思います」

「なら、乃安さんのカップを公開してもそこまで人の目に触れないという……」 

「そんな事言うなら陽菜先輩から言ってくださいよぉ」


 力なく机に突っ伏す乃安。陽菜は自分の胸に手を当て。ため息を吐く。


「やはり男は胸に釣られるのでしょうか」

「それを言ったら相馬先輩は最初から夏樹先輩に釣られてますよ。相馬先輩って女性のどの部位に惹かれるのですか」

「髪と足ですね」


 さらっと僕の性癖暴露すんな。そう思っている間に話題は進む。


「読みたい人だけ読めば良い、思いつきに付き合ってくれる人を楽しませることができれば良い、それからというもの、作者はその姿勢で書いているようで、ルート分岐はその果てに得た結論だそうですよ」

「あはは、あれも結構反対意見来るんじゃないかと思っていたらしいですね」

「そして乃安さん、派出所にいた頃では考えられないくらいに私に反抗してくれるようになって、反抗期を体験できてうれしいですよ」

「あの~、先輩。鷲掴みしないで頂けませんか。少し痛いです」

「はぁ」

「先輩、胸の話題はやめましょう。お互い得をしません」

「ですね、まぁ、乃安さんの交際申し込み、どうなることやらと、私と付き合い直す、それを望む読者もいるであろう、しかし、それでもそれじゃ絶対に面白くならない、そう確信していた作者はその路線で行くことを決定しました」

「あの頃の作者さん、ものすごくノリノリで書いていましたよね」

「ですね」

「でももし、人気キャラ投票したらどうなるのでしょう」

「そもそも一票も来ないまでありますけど」

「あっ、まぁ。確かに。今回質問コーナーをやっていない時点でお察しですね」

「まぁ、なのでこうして一キャラずつ掘り下げることをしているのですが。今回は乃安さんでしたけど、乃安さんは今回はまぁ、誕生秘話ですね」

「そうですね」

「次回は誰ですか?」

「誰にしましょうか」

「誰が来ますかね、このコーナー。桐野君でしたら相馬君に任せたいところですけど」

「あはは」

「そもそも、どうして私が進行担当なのでしょうか」

「そりゃあ、タイトル的に」

「まぁ、良いですけど。最後に聞いて良いですか?」

「? どうぞ」

「どうして眼鏡かけることあるのですか?」

「似合いません?」

「似合いますけど」

「属性盛り過ぎかと」

「それは陽菜先輩もですよね。メイドに似非とはいえ幼馴染。さらに隠れドSに見た目ロリ、表情が乏しくてお化けが苦手。そしてご奉仕しちゃう系女子」


 向き合って流れる沈黙、ってか沈黙するな! 放送事故だぞそれ。

 しかしそう言うのも叶わない。笑顔と無表情が生み出す沈黙に完全に圧倒されてしまった。そして乃安のこと自体をもっと掘り下げたかったのに、あぁ、もう、また別の機会かよ。


「ちなみに本編の方の次回は?」

「スーパー銭湯に行く話ですね。一応、進んではいますよ」

「あぁ、良かったです。一文字も書いていないと言われたらどうしようかと」

「この作者、筆が遅いのですよ。それなのに、三月末発売のとあるPCゲームの体験版で金髪の女の子可愛い可愛い言ってましたよ。課題一時間、体験版十分、って感じで交互に進めてましたね」

「課題は終わりそうなのですか?」

「終わらせるそうです。力づくで」

「あ、あはは。夏休みの宿題とか苦労したんだろうなぁ。そういえば、なんか妙に最近温泉回が多い気が」

「入る機会が多すぎるのですよねぇ。相馬君、温泉は好きだけど温泉で知らない人に話しかけられるのが苦手という厄介な性格なのですけど、それでも行きたいらしいです」

「相馬先輩らしいです」

「では、質問は随時受け付けています。今回の担当は朝野陽菜と」

「朝比奈乃安でした」




本編の続きは明日更新です。

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