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シャングリ=ラ・ら・ら・・・  作者: 春海 玲
第五章 高二・高三
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1990春

かあさんは、俺をヤクザにしないために東京の大学に行かせるのだとあきらめたのかもしれない。

「遠くへ行ってしまうのね、ヒロちゃん・・・も」

それでもやっぱり泣くかあさんを、俺は初めて冷めた目で見ていた。


俺にはかあさんより大事なものができた。たとえそれが手に入らなくても、かあさんの絡み付く手を逃げ出せる機会にはなった。



※ ※ ※



かずまは父親の伝手(つて)で地元の医療用品の会社に就職した。

遊佐は信じられないことに東大に一発合格した。

仙堂学園はじまって以来の快挙に、学校を上げてお祭り騒ぎになった。


そらは無事に高校を卒業し、陸上自衛隊に入った。

そらの親父さんはついに息子の一人が憧れの自衛隊に入ったので、涙を流して喜んで、ぽっくり逝った。


ダブルは地元にある服飾の専門学校へ入った。

バタは卒業を間近にしてじいさんが死に、高校を辞め建材屋の手伝いをしている。

ケータも高校を中退して、ホストになった。


のんちゃんも中退して、その後を知らない。

あさひは高校へ行かず、どこかのヤクザのチンピラになった。


ナイト・リッパーの岩城は、愚連隊まがいから、何人かの仲間を連れて伊勢組に入ったらしい。

昔、俺の親父がいた組だ。




かずまと遊佐以外は、みんな噂に聞いただけだった。

携帯のまだ普及していない時代、一度離れてしまえば、もう誰も互いにその先を知ることはなかった。



俺は東京へ向かう。

カイは――監物組に残った。



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