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私とニネット  作者: 野沢菜高菜
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不機嫌なニネット

こんにちは!

野沢菜高菜です。

今、「ちょっと読んでみてもいいかな?」「つまらなそうだけど目だけ通してみてもいいか」と思っているそこのアナタ!

ありがとうございます!感謝でいっぱいです!

これは私がはじめて実際に書いた小説(と言っていいのか怪しい代物)ですので、目につく部分が多々あるとは思います(−_−;)

暖かく広い心で、緩〜く読んでいただけたらなと思っています。

ポテチ食べながら読むなら、ポテチ八割、小説二割くらいの気持ちで読んでください(笑)

これからも頑張ってつづきをチマチマと書いていくので、応援していただけたらこれ以上のことはありません。

ではでは、よろしくお願いします!


お嬢様は不機嫌だった。


それはそれはもうイライラしていた。


国一番の敷地面積、部屋数を誇るローゼンダール家において、今お嬢様がいる玄関ホールだけが異様な空気を醸し出している。


玄関ホールに仁王立ちで立ち、今にも訪れる客を射殺しそうな視線を玄関へ向けているお嬢様とは、ローゼンダール家次女、ニネットのことだ。

玄関ホール奥にかけられている一家の肖像画での妖精のように美しいニネットは息を潜め、今の彼女はまるでおとぎ話の悪役である。


「お嬢様、早くお召替えをなさいませんと・・・」


おそるおそる背後から声をかけかけた新人メイドを高齢のメイド長があわてて引き止める。


「ルチーア、やめておきなさい!」

「パメラさん!でも、もうパーティまで残り少ないですし・・・」


新人メイド、ルチーアは尚も恨めしそうに玄関ホールへ視線を向ける。

ニネットが今夜開かれるパーティのためのドレスアップを済ませていないことも不満だが、パーティの前に玄関ホールを磨き上げるという、ルチーアに与えられた仕事をこなせないことの方が真面目な新人メイドには耐え難い。


そんな彼女に「任せておきなさい」と笑いかけ、下がらせたのはローゼンダール家に30年仕えてきたメイド長、パメラだ。


「まあまあ、お嬢様、何をなさっているんです?」


ニコニコとした笑みを浮かべながらお嬢様に近付くパメラにはどことなく意志の強さが感じられる。

おそらく、30年という月日からくる自信と、受けた信頼からだろう。


「なによ、パメラ。邪魔しないでちょうだい。」

「邪魔なんてしていませんよ、お声かけしただけでしょう?」


慣れ親しんだパメラの声に一瞬振り向いたニネットだったが、不機嫌そうに一言答えると再び鋭い視線を玄関へと向けてしまった。


「まったく、どうなさったんですかお嬢様。こんなところに立たれるのが楽しくていらっしゃるのかわかりませんけれど、こう何時間もこのままですと、わたくしたちもお仕事ができませんわ。」

「楽しいわけないでしょ!」


形の良い眉を、キリキリと音が聞こえそうなほど吊り上げて、ニネットはパメラの方を向いた。

だが、彼女がこちらを向いたことでパメラは一息安堵する。

彼女がこちらを向いたということはこちらの言い分を聞く気があるというあらわれなのだ。


「ねえ、パメラ、今夜パーティに出席する方々の名前を言ってみてくれないかしら」

「ええ?お待ちくださいね・・・」


メイド服の小さなポケットから今夜の出席者を記したノートを取り出す。


「ええっと・・・、アギヨン様、バシュラール様、アングラード様、オフレ様・・・」


淡々と読み上げるパメラに、じっと聞き入っているニネット。ほとんどが聞きなれた名ばかりであり、それらの多くは古くからローゼンダール家と親交のある名家ばかりだ。

疑問に思いつつも読み続けるパメラに、ニネットが異変を見せたのは、パメラがノートの4ページ目を読み始めてすぐだった。


「ルアゾン様、ボワロー様、スピラ様・・・」

「!!!」


ガツン!


ニネットがヒールを強く床に叩きつけた。

彼女の小さな拳はブルブルと震えている。

何事かとパメラがニネットの方を見ると、ニネットは怒りに満ちた声で言った。


「スピラ、スピラって言ったわね・・・今!」


呆然とするパメラの手から素早くノートを奪い取り、ニネットは出席者欄をまじまじと見つめた。

そして、ある一点を見たと思うと、顔をみるみるうちに真っ赤に染めた。


「奴よ、奴が来るんだわ・・・!」


ノートを持つ手をガタガタ震わせ、ニネットは深い恨みを込めた呪詛を口にするように、「奴」の名を口にする。


「スピラ・・・、ジョスラン・スピラ・・・!!」


「許さないわ、許さない!!!」


怒りに燃えるお嬢様が口にした「ジョスラン・スピラ」にパメラはなんの聞き覚えもなかった。

それもそのはず。

スピラ家は今夜はじめてローゼンダール家のパーティに招待されていたのだから、メイド長でしかないパメラが知っているはずはない。


だが、ニネットは違った。

このスピラ家は先月このパヴァーヌ王国に移住したばかりの一家であったが、その長男、ジョスラン・スピラはちょうどニネットが通う学園に転入してきたばかりであった。

本来であれば、学園へ転入し、ニネットとも親しくなり、今回のパーティにも歓迎され、ローゼンダール家とスピラ家の親交が深まると思われたが、ニネットの高慢で自己中心的な性格が事件を引き起こしたのである。


それを知るにはまず1週間前に遡る必要がある。






お疲れ様でした!

こんな拙い小説を読んでくださりありがとうございます!

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

感想などがありましたらコメントしていただけると泣いて喜びます(笑)



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