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月の滴  作者: あれっきーの
遥かなる家路
95/136

095  あの日の真実

※今回も戦闘シーンにつきものな残虐なシーンがあったりなかったりします。

苦手な人は明日の前書きで纏めますのでそれを待っていただくか、私の書く残虐シーンだから大丈夫だろうと覚悟して読んでください。

095 あの日の真実




 拮抗していた空気は一瞬で変わった。


 マント姿の男(パリトー)と対峙していた相棒(バディ)に、片腕を駄目にされた男(ルゥジヨー)が飛び付き、残された腕に持ったショートソードで相棒バディを貫いた。


 それを見たマント姿の男(パリトー)は、刻印を掲げると、味方の存在も無視して発動した。


「バディ!!!」


 一瞬の出来事に目を奪われた。


 相棒(バディ)は飛び付いた男と共に全身発火した。肉を焼く嫌な匂いが当たり一面に広がる。さらに、相棒(バディ)の腹からは真っ赤な血が流れ出し、


 消火しようと駆け寄ろうとすると、残りの男達に囲まれてしまった。


「おい、兄ちゃんよ。そんなに急いで何処に行こうってんだ?」


「貴様ら、仲間が火達磨になっているのに、よくもそんな戯言を言えるな。」


「仲間か。確かに仲間だよ。最後の最後に自分の取り分を俺達に分けてくれるんだからな。」


「大丈夫さ。兄ちゃんのペットも綺麗に焼けてメシになってくれるさ。」


 ワッハッハッハッハとあざ笑う男達を押しのけて、着ている服を叩きつけて相棒(バディ)に着いた火を消火する。


「よかった・・・。生きてる。」


「それは良かったな、兄ちゃん。」


 状況は最悪だ。冷静に考えれば、相棒(バディ)を見捨てて領民を助ける事を最優先させなくてはいけなかった。


 俺の首筋には、剣の切っ先が突きつけられている。


「さて、仲間想いの兄ちゃんにはもう一度選ばせてやろう。1つ、俺達に気持ちよく『月の滴』を渡す。2つ、このまま首と胴体を切り裂かれて、『月の滴』も奪われる。」


 その言葉を突きつけられながら、俺の体は他の奴らに取り押さえられる。


「まぁ、餓鬼を殺しても楽しくも無いが、残念ながらお前は領主の犬だ。Sランク冒険者(あのバケモノ)を退治するまでは生かしておいてやるよ。」


 そういうと、商人風の腹ぼて男(タルゴーヴィツ)は俺達の荷物を漁り始めた。


「この箱だな。」


 見覚えのある、『強固』の刻印が刻まれた金属製の箱が目の前に置かれた。


「さて、当然の様に封印されているか。」


 斧をもった男(カピヨー)が自慢の武器を振り下ろす。


―ガキン―


 全力で振り下ろされた斧の刃は、箱の強度に負けて潰れていた。


「おいおい、何だよこの堅さ。この斧にも『強固』の刻印きざんでんだぜ。ふざけんなよ。」


 そのイラツキを発散するように俺の顔を蹴り上げた。


「まぁまぁ、自分の武器の脆さを少年に当たってはいけませんよ。」


 マント姿の男(パリトー)が俺の前に座る。


「一度陽光反応が出たということは、貴方がこの箱を開けることができるのですね。さぁ、貴方の魔素を出しなさい。」


 髪を掴み、箱の前まで引きずられた。


「自分が魔素を出さなければ、この箱が開く事が無いと信じているでしょう?」


 俺の心を読んだかのごとく、終わりの一言を発した。


「この刻印を発動させることで、他の刻印効果を阻害できるのですよ。」


 そう言うと、俺に見せた刻印が淡く光った。


「この刻印はすばらしい戦歴があるんですよ。なんと言っても、デビューがあの領主の息子(奴隷堕ちした貴族)の作品を壊したことですから。」


 その言葉に、改めて男達の顔を見定める。


 全身革鎧の男(ドスペーヒ)商人風の腹ぼて男(タルゴーヴィツ)斧をもった男(カピヨー)マント姿の男(パリトー)ボウガンを持った男(ルゥジヨー)そしてリーダー格の男(ヴァジム)


 ああそうだ。確かにあの時の冒険者だ。商人風の腹ぼて男(タルゴーヴィツ)はあの時、大型搬送具の積載量を褒めていた男だ。マント姿の男(パリトー)は大型搬送具の刻印を俺から聞き出そうとした男だ。リーダー格の男(ヴァジム)は俺に試験の成功を約束した男だ。


 そうか、こいつらは俺の邪魔をする為にあの仕事を請けたんだな。


「そんなに、自分の仕事が失敗するのは残念ですか?」


 こいつらは俺が領主の息子(奴隷堕ちした貴族)とは気がついてない。俺の変化した顔色を都合よく勘違いしてくれた。


「判ったよ。魔素を出すよ。」


 諦めの混じった声に満足気な笑顔を見せる。


「月より飛来した我らが眷属よ。わが魔素に呼応して、汝の新なる姿を見せよ!」


 俺の唱えた祝詞(呪文)に男達は驚愕した。その馬鹿面は、俺の胸元から光りを放つ『月の滴』に照らされていた。


クライマックスなのに、作者の技量が足りてない感が半端ない・・・

見捨てずに最後まで読んでいただけると幸いです。


PS:台風対策で明日の更新は夜になる可能性があります。

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