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月の滴  作者: あれっきーの
遥かなる家路
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084 街の嫌われ者





 まだ日が昇りきらない早朝に鍛冶の街(キゼル)の城門に向かう7人の冒険者がいた。


「今回は成果はショボイねぇ。」


 全身革鎧の男から愚痴がもれる。


「まぁ、仕方ねぇさ。なんたって途中でSランク冒険者(バケモノ)に遭遇したんだ。最大の成果は生きて返れたってな。」


 ボウガンを持った男が慰める。


「違いねぇ。タダムは冒険者タグも取られて、返されなかったら踏んだりけったりだな。」


 リーダー格の男が言うと、全員が「ハッハッハッハッハ」と声を上げて笑う。


「日常生活を送る分には支障がないからいいか。」


 商人風の腹ぼて男がタダムを慰める。


「それにしても良くタグなんて持ってたな。俺なんて、何年もタグつけて歩いてないぞ。」


「俺も俺も!」


「仕方ねぇよ。タダムは優等生だからな。」


 残りの者はタグを持ってないことを当然のように主張し、持っていたタダムを吊るし上げようとする。


「冒険者として動くなら当然必要だろ。」


 低い声でタダムが答える。


「はいはい。優等生のお説教が始まる前にとっとと街に帰るぞ。」


 リーダー格の男の一声で、一団は黙って城門をくぐった。


「じゃぁ、俺とタダムはブラト様に報告をしてくる。お前達は適当にメシと酒を買い込んどいてくれ。俺が帰る前におっぱじめてたらぶん殴るからな。」


「へいへい、わかってますよ。」


 ここで冒険者達は二手に分かれた。2人が雇い主への報告。残りが宴の準備だ。


 買出し班は朝市に入ると、行きつけの店をくぐり大声で叫んだ。


「親父! 酒だ! いつもの奴をよこせ!」


「へい毎度。いつもの様に、宿にお届けでよろしくって。」


 カウンターに座ってた店主は上客に笑顔で擦り寄ってきた。


「当たり前だ。毎回毎回聞くなよ。」


「はい。すいません。じゃぁ早速持って行かせます。」


「おう、頼んだぞ。」


 銀貨を5枚カウンターに投げ置き店を後にした。


 酒の注文が済むと次はツマミが必要になる。


「ツマミは干し肉でいいか?」


「女将の料理は葉っぱばかりで食いでがねえからな。主人が居なくなってから禁欲生活が続いてるからか?」


「それなら、恩返しに俺達ので慰めてやるか。」


「いいな、それ!」


 回りの人間からの冷たい視線に気づきもせずに「ガッハッハ」と下卑た笑みを浮かべる。目の前の干物屋の店主が目に入った。


「親父! 肉と魚の干物をよこせ! 塩が聞いてる奴だな? よし。この箱で宿に届けておけ。」


「断る。」


 いつもと違う対応に空気が固まった。


「ああん? 何だぁ? その反応は。お前は客商売って自覚あるのか?」


 腰に短剣をぶら下げた男が凄んで見せる。


「生憎と、腐った冒険者に売る商品はなくてな。いくら金払いがいいからってこっちだって客を選ぶさ。駆け出しの頃の金がないお前には売れても、今のお前には売れねえな。」


 商人風の男が冷静に回りを見ると、野次馬や通行人から冷たい目で見られていることに気がつく。


「ハッ。説教はやめとけ。いいや他の店で買うさ。たまにはあんたの店に金を落とそうと思ったけどお断りだな。ほら、騒がせ賃だよ。」


 上から見下だす態度で銀貨を渡そうとするが、店主は受け取らなかった。


「そろそろ戻れなくなるぞ。早く昔のお前達に戻ってくれ。」


「説教はやめろって。酒が不味くなる。行くぞ。」


 銀貨を財布にしまうと、悪態を付きながら店を後にした。


 店から出ると、間の前が真っ白になった。閉じた瞼からでも判る程の大量に光の不意打ちに思わず身を寄せ合う。


 光が止むと、無言で仲間と顔を見合わせ頷きあう。


 買い物を放置していっせいに光のした方向に駆け出した。

後輩:先輩!さっきの光は何だったんでしょう?

ポーニャ:天が私とダーシャ様の結婚を祝福する光よ。

後輩:(ふぅ)先輩?さっきの光は何だったんでしょう?

ポーニャ:あんた、あからさまに聞き流しておきながら、再度同じ質問する?

後輩:答えれないと先輩の威厳にかかわりますよ?

ポーニャ:(最近後輩が腹黒い! ダーシャ様貴方のポーニャは試練に立ち向かいます。

後輩:答えれないなら、「先輩がらみの苦情書」の処理はご自分でお願いします。

ポーニャ:やっぱり試練ですぅぅぅぅぅ

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