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月の滴  作者: あれっきーの
遥かなる家路
65/136

065 名物受付嬢登場





―バタン


 大きな音を立てて扉がしまる。「どうしたの」と女性の声が聞こえる。


「先輩! 大変です!! Sランク冒険者からのクレームです。」


 受付のお姉さん、クレームじゃなくてちょっとした確認をしたいだけなんです。サヤーニャの煽りでギルドマスターを呼びに行ったからって話を広げないでください。


「・・・。ごめん、もう一度言って。」


「だーかーらー!! Sランク冒険者がクレーム付けてるんです!!!」


「なんですって!? この国には片手で数えれる程しかいないのよ。下手な対処したら犯されるかもしれないのよ! それでも、あの人たちは希少だから犯され損になるのよ! 早く対処してらっしゃい!」


 犯すとかしませんから。奥の部屋(そっち)で何話してるか丸聞こえだから、もうちょっと声押させて。


「いや、ちょっと、先輩! 無理ですってば!! 」


「そう? じゃぁ私が食べ・・・コホン。私が対応を変わりましょうか。」


 今何か変な単語が聞こえたような・・・? アレ?


「いえ、マスターはいませんか?」


「あぁ、あのお爺ちゃんなら、散歩の時間よ。」


「使えない!! こうなったら先輩お願いします!」


 いや、マスターさんが戻る頃に出直しますよ。


「何か引っかかる物が有るけど、まぁ良いわ。で、相手はどんな人なの?」


「2人組で、1人は綺麗系。もう1人は草食系ですね。年はタグで確認してないですが15~25って所じゃないですかね。」


 綺麗系はサヤーニャだろうな。俺が草食系か。野菜より肉の方が好きなのな。


「近いうちに寿退社するから、あなたもがんばるのよ。」


 もうすぐ結婚するのか、そんな先輩の最後の仕事なんだろう。後輩さんも先輩の背中をみて問い合わせをクレームと勘違いしない、立派な受付になってください。


―パタン


「お待たせしました。先程の者に代わりまして、(わたくし)ポーニャが責任もってご対応させて頂きます。」


 出てきた先輩は、俺達の顔をみると溜息をついた。期待に添えれなくてごめんなさい。

「よろしくね。私はサヤーニャ。Sランクよ。こっちがさっきEランクになったばかりのダーシャ。」


「よろしくお願いします。」


 サヤーニャの挨拶を聞くと、先輩受付嬢(ポーニャさん)は一瞬真顔になった。


「っと、すいません。ちょっと忘れ物したのでとってきますね。」


―パタン


「ちょと! 話が違うじゃない!! 見た目と年齢はストライクゾーンだけど、片方は女性だし、もう片方はEランクよ! 私の恋心をどうしてくれるのよ!!!」


 先輩受付嬢(ポーニャさん)の魂の叫びはきっとギルドの外まで響いただろう。サヤーニャと顔を見合わせると、ものすごく良い笑顔をしている。周りの冒険者達の顔をみると、あからさまに視線を逸らされた。


 ・・・今後の対応を考えると凄い面倒な予感しかしないのは気のせいだろうか。




相変わらず話が進みませんが見捨てないでください。orz

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