048 冒険者登録 その1
昨夜の万屋の話を参考に、朝の準備を終えて冒険者ギルドに行くことにした。
「いい加減に起きようよ。」
「んー。もうちょっと。ダーシャ君も同じ同じお布団に着ていいからぁ。」
布団から手が伸びて俺を探している。つかまったら布団まで連れ込まれて抱き枕にされるのは相棒が経験済みだ。起きてしまえば豪快なお姉さんだが、朝の寝起きはめっぽう弱い。しかし、俺だって毎日の戦いだ。この状況を打破する手段の一つは持っている。
「結構です。早く起きないと、ご飯食べそびれますよ。」
この状況に唯一勝てる魔法の単語を使う。本当に手段が一つしかないのだが・・・。
「ご飯!!」
さっきまでのグダグダした反応が嘘のように布団から飛び出した。しかし、時間は10時を回っている。宿の食事時間はちょうど終了してたばかりだ。
「ほら、食べそびれた。」
自分の寝起きの悪さが原因と分かっているので文句は言わないが、明らかに不機嫌そうな顔をしている。
「ギルドに行く途中の屋台で食べましょうか。」
『ご飯』と言う前に考えていた逃げ道を提示してこの場を誤魔化した。
「そうね。」
宿のご飯は食べそびれたが、ちゃんと朝食を食べれると分かると上機嫌に準備をした。
サヤーニャが服を着替え(当然部屋からでてました)、身支度を整えると10時半を回っていた。女性の準備は何かと時間がかかるが、これに文句を言うと大変と昔ナーシャが言ってたなぁ。
「お待たせ。」
「いえいえ、それじゃぁ行きましょうか。」
万屋に聞いた場所へ2人と1匹で仲良く歩きだした。大通りを選んで歩くと、小さな屋台が良い匂いを放っていた。
焼き鳥だ。味付けを買えるように、タレ付きと塩だけの焙りとなかなかこだわりを感じる。サヤーニャと目が合うと『ココにしよう』と訴えていた。
「お、そこのイカスカップルのお二人さん。小腹の足しに買ってかないかい。」
俺たちの気配に気がついたのか、威勢のいい声が飛んでくる。
「あら、おじちゃんお久しぶり。」
側まで行くと、どうやら知り合いの店だったらしい。
「おぉ、嬢ちゃん! 嬢ちゃんじゃないか! 久しぶりって、何年振りだ? 生きてたのか。それなら、たまには顔を出せよ。」
最低でも5年ぶりの再会だ。店主が感極まっていた。
「久しぶりぶ、おじちゃんの食べたいな。」
「はっはっは。嬉しい事言ってくれるな。よし、温めなおしじゃなくて、今から焼くから待ってろよ。」
「お腹空いてるから、早い方がいい。」
そう言うと、炭火の上で焼かれていた塩串をひったくると一口で全部頬張った。
「焼きたての方が美味いんだけどな。」
呆れ顔の店主だが、声は笑っている。
「ほへは、ははってるへど、おなはへってるはら、ほっひのがいいほ。」
「まあ、いくらでも焼くから、落ち着いて食いな。」
サヤーニャのお腹が落ち着くまで食べ続け、俺と相棒の分を合わせて銅貨50枚を支払った。みんな満腹で幸せいっぱいって顔をしている。
「お待たせ。それじゃぁ、改めて冒険者ギルドに行こうかしら。」
「あぁ。」
次は何の障害もなく、目指す建物に向かうことができた。
登場人物の割合でオッサン分が多い気がする・・・。
本当はバディみたいなもふもふ要員をたくさん増やしたいのに・・・。




