表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の滴  作者: あれっきーの
これからの事
126/136

126 メイドさんの潜在能力



 フォリシアと握手を交わすし改めて部屋の中を見る。この汚れ切った状態のまま密封棚を開けたら、この棚の将来は明るくないだろうな。仕方が無い、先に掃除を頼むか。


執事(セイゲル)さん、仕事を増やして申し訳ないんだけど、この部屋の掃除をお願いしていいかな?」


 この屋敷の侍従長をしている彼に頼めば、たいていの無茶はその日のうちに何とかなる。部屋の掃除も今日中には片付くだろう。


「かしこまりました。恐れながらダーシャ様、このお部屋はこれから使われる予定ではなかったのですか?」


 父上の前からその理由で立ち去ったので気になるのだろう。


「うん、その予定だったんだけどね。さすがにこの状態で作業は厳しいでしょ。ごめんね。俺があの時『俺が居ない時は立ち入り禁止』って言ってたから誰も入れなかったんでしょ?」


 その言葉さえなければこの部屋は綺麗だったと思う。いや、間違いなく塵一つ落ちていない綺麗な部屋だったに違いない。つまりこの部屋の埃は俺の責任である。


「そのお言葉痛み入ります。確かにこのお部屋は5年間手付かずのままです。しかしダーシャ様がお戻りになった段階でこのお部屋の掃除許可を頂いていればお待たせすることはありませんでした。早速これよりハウスキーパー一同で一斉清掃に入らせて頂きます。」


 そう言うが速いか、懐から取り出した銀筒の笛 ―― 人の耳には聞こえない ―― を吹くと文字通り家中のハウスキーパーを呼び出した。呼んでから全員集合するまでの時間が1分以内。庭から全力疾走した者(マーシャ)も居るが汗一つかかず涼しい顔をしている。


「いいですか皆さん? これよりダーシャ様工房の大掃除を行います。では、かかれ!」


 その号令を合図に、集まったハウスキーパー達は一言も発せずに己がすることをしていた。あるものは天井から床まで埃をおとす、別の者は入り口から壁までの埃を集める、そしてナーシャは全ての埃を纏め、塵取りに納めていく。無言でいながら完璧な連携に思わず関心してしまう。騎士団ですらここまでの連携はお目にかかれないだろう。うちのメイドさんの潜在能力(ポテンシャル)は彼らの追随を許さないのか。


「ダーシャ様、まことに申し訳ないなのですが、このペースで掃除を行っても多少のお時間を頂く必要があります。そろそろお昼時でもありますし、よろしければその間にお食事を取られてはいかがでしょうか?」


 意識を奪われているときに不意に話しかけられ思わず体がビクリと反応してしまう。


「ああ、判った。」


 執事(セイゲル)の進言を素直に受け入れ、フォリシアと一緒に昼食を取るため食堂に向かうことにした。フォリシアも一糸乱れぬ連携作業に見入ってた為、俺と同じようにビクリと肩を動かしたのには思わず笑みがこぼれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ