お願いだから
掲載日:2013/07/01
「島崎さん」「ざっきー」「あかねちゃん」
多分そんな順番に呼ばれていった。
最後以外の呼び方が好きだ。
これはあの人が呼んでくれた私のあだ名で、あの人は未だに呼んでくる。
まぁ、呼ばれすぎたのか、「あかねちゃん」と言われると思わず「なおくん」と呼んでしまう。
これは歪みなのか、何なのかわたしにはわからない。
だから今好きな人に「あかねちゃん」と言われると思わず好きな人の名前じゃないものを言ってしまう。
だから私は好きな人ですら、「あかねちゃん」と呼ぶのは許せないのだ。
まるで呪いみたいだ。
あの人は自分から私を避けたのに、未だに名前で私を縛ってくる。
元々、嫌いだった私の名前がますます嫌いになる。
名前を手放したいくらいに。
だけど呼んでほしくないはずなのに、呼んでほしいという葛藤に悩む。
呼ばれると期待してしまう、また私の側に居てくれるのではないかと。
そんなことはない、あの人にはもう生涯の伴侶がいるのだから。
期待なんてしたくない、頭ではわかっている。
ふと、顔をあげると笑顔の好きな人は口を開く
「あかねちゃん」
だからだからお願いだから、私をその呼び方で呼ばないで
「なあに、なおくん」
閲覧ありがとうございます。
相手のいやがることはやめましょう




