海にあつまる生き物のせかい チクワハンター編
今年もこの海にツナチキンがやってきました。
彼らが狙うは産卵のために海面近くまでやってきたチクワです。
あ、今、一缶が海へ急降下しました。
チクワの群れが一気に退き、巨大な輪となります。
これがみなさんご存知『チクワの穴』です。
さて、チクワたちもただ黙って食べられるわけではありません。
襲撃を受けた彼らは互いの体に海藻を通し連結させ、巨大なチクワとなり防御態勢に入ります。
これをこの地域ではイソベアゲと言います。
おや、ツナチキンの鋭いくちばしが一本のチクワを捉えました。
しかしチクワはイソベアゲとなっています。
持ち上がりません。
ツナチキンの敗北です。
諦めたツナチキンは再び空へ戻りました。
危機を脱したチクワたちはイソベアゲを解き再び産卵場を目指し始めます。
……が、再びツナチキンです。
チクワたちは輪を作りましたが、どうも1本捕まってしまったようですね。
群れは混乱している様子でしたが、すぐにイソベアゲとなり再び泳ぎ始めました。
さて、こちらはチクワを得ることができたツナチキンです。
ツナチキンはチクワを岩場にある巣へ運んでいます。
……おや、ツナチキンの雛です。
巣では今年生まれたばかりの雛鳥たちがチクワを待っていたのです。
ツナチキンは雛鳥たちにチクワを与えるとまたすぐに飛び去って行きました。
――生きるために奪い、生きるために繋ぐ。
今年もツナチキンとチクワの命の営みをこの海でおいしく観察することができる季節がやってきました。
◇おしまい◇
それでは手を合わせてください。いただきます。




