第七章(1) 公爵様のお誘いに乗れない私
「今日も食べられませんか?」
カミラは心配そうに私に声をかけてくれます。
「・・・・ええ、ごめんなさい 」食べずに破棄されてしまう食材達が、とてももったいなくて、食べようとしたことも何度もありました。
けれど、手が動かないのです。
食べたくても食べることが出来なくて、結局、全く食べることが出来ないでいました。
「今朝、公爵様より、『今夜一緒に食事を摂らないか』と、ご連絡がありました。どうなさいますか?」
「・・・・お断りして」
「で、ですが・・・・」
「・・・・お願い」
絶対に会った方がいいのは分かっています。けれど、なぜか会いたいと思わなくなってしまったのです。
『私はきっと愛されていない』
そう思うと、どういう顔をして会ったらいいのか、わからなくなってしまったのです。
「・・・・分かりました」
カミラの方を見ると、カミラは、とても心配そうに私を見ていました。
「・・・・アリーナ様は、ご自身が楽しいと思うことを、なさってください」
カミラは、私に一言そう言ってから、部屋を出て行きました。
一人になると、また考えさせられてしまって、結局何もできないまま、一日を終える私なのでした。