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三話:この絵のタッチ、どこかで見たことあるような…

やばい!前回に「次回田んぼ先生の正体が明らかになる!」とか言ってたのに、全然明らかになる感じがない。…だってラノベ書くの楽しいんだもん!次から次へとネタが思いついて指と脳が追いつかないんだもん!

いや~、それにしても文章力と言うか語彙力が欲しいよ(国語66点)

でも下手なりにかけて今回も楽しかったです!

それでは「俺の働いてる塾の教え子が大好きなエロ同人作家だったんだが。」三話をどうぞ!

 夏も段々と本格的になってきた。

塾はアパートの裏にあるというのに、着いた時にはもう汗をかいている。

あぁ、冬が恋しい。逆に冬は夏が恋しく思うし…結局はないものねだりなんだな。

まあ考えても冬は来ない。

まずは目の前にあるレポートをやってしまおう。

…今は一時半過ぎか。四時からバイトがあるから二時間レポート出来るな。

パッと済ませて昨日届いた同人誌も読みたいし。



……全然進まない。と言うか暑さでやる気が全く湧いてこない。

少し前までは金銭的に余裕があり、クーラーをガンガンにつけれたが、前日の焼き肉で調子にのってせっかくのバイト代をほとんど使ってしまった。

その上すぐにその肉は腹痛で全部出してしまった。そして残りのバイト代は昨日届いた同人誌でパア。

それに働き詰めで体中が引っ張られるように痛い。きっと筋肉痛だろう。


 それにしても最近全然ついてない。

そんな事考えてたら、レポートなんかやっていられない。やはりこう言う時はアニメや同人誌を見る事が一番いい。

そうだ。きのう届いた田んぼ先生の新刊でも読むとしよう。

今回は表紙がかなり過激だ。こんなものが誰かに見られるのは本当にまずい。その上「教師✕生徒」で、なぜか知らないが罪悪感で心が抉られる。

本当に何故だろう。思い当たる節があるが考えてしまうと負けな気がする。


しかし本当に絵は上手いしエロい。キャラクターの表情も豊かで、髪の塗り方が独特で、ポージングもキレイ。そして、何よりも田んぼ先生の絵柄が俺にドンピシャなのである。

この同人誌はただ「エロい」で済ましてしまっていいのだろうか。これはもう「芸術」と言ってもいいと思う。

 正直その同人誌には「エロ」よりも「美しい」と言うものを感じる。最初はオカズ用に買ってみたが、思っていた以上に絵柄が刺さりすぎて、エロを超え芸術を感じて過激(隠語)が出来なかった。


 ページを捲り、読み進めていく。

その上田んぼ先生の同人誌にはストーリー性があり、時には純愛。また時には悲愛。と、色んなジャンルに富んでいる。

他にも登場人物同士のすれ違いや、身分の差。大きな壁にぶつかりながらも互いを愛し合う。等のストーリーもよく出来ており、田んぼ先生は多くのファンに支持されて「ツブヤイタッター」のフォロワー数は七万人にも上る。

勿論俺はそのフォロワーの内の一人だ。


 それにしても今回は過激なシーンが多い。まあ一応はエロ同人だからな。

快楽に堕ちていくヒロインの姿が何とも美しいというか、シコい。

誰もいない塾でヒロインの女の子と塾講師は甘い関係に…と言う内容だが、ヒロインの女の子はストレートの黒髪ロングで白いカチューシャをしている。

本当に香染さんにそっくりだ。あと、設定も何だか既視感があるし…

もしかして俺達を知っている人が描いてるとか…なんてそんなエロ同人みたいな展開がある筈がない。

そんな事考えてたら、もうバイトの時間だ。少し腑に落ちない所はあるが、遅れるのはマズいので行くとしよう。


 ーーーキイィーっと重い扉を開ける。それにしてもここの塾の扉は本当に嫌いだ。

扉が開く度にちょうつがいの金属が擦れ合う嫌な音がする。その度に周りの人が一斉に振り向いてくる。誰も油をささないからずっとこのままだ。だからといって俺はやろうとは思わないが。

しかし、慣れればいいだけの話かもしれないが、良い気持ちにはなれない。

「キイィー」

また嫌な音がする。俺と同じタイミングで誰かが来たらしい。俺も他大勢と同じ様に振り向く。

「ウっ…」

急に変な汗が吹き出して、思わず目を逸らしてしまった。

よりによって今一番会いたくない香染さんだ。理由は勿論、さっきまで彼女そっくりのエロ同人を読んでいたからだ。

彼女を見る度に罪悪感と変な高揚感がある。まるでアニメキャラが出てきた様な感覚だ。

「先生。邪魔です。」

「…ああ。すいません。」

「全くもう…こんな所でボーッとしないで下さいよ。」

「す、すいません。」

ニコニコと愛想笑いで謝る。ここは言い返したい所だが、邪魔だったのは事実の上、あの同人誌が頭によぎり何も言えなかった。

「先生。そんな所に突っ立ってないで下さい。他の生徒さんに邪魔なので。」

気づけば彼女はもう既に席に座っている。

それにしても相変わらずツンツンしている。しかもいつもよりも棘がある。

と言うか、昨日のデレはどこに行った。昨日はあんなにデレてたじゃないか!

「先生、早く来て下さい。」

「あっはい!」


ーーーーー...…

「あ、香染さん。ここも間違えていますよ。」

「しゅ、すいません…」

かなり簡単な問題をすべて間違えていく。元々彼女の成績はあまりいいとは言えないが、それにしてはこれは酷い。

「今日はやけに間違えてますね。もしかして体調悪かったりして…」

「ち、ちぎゃいます!」

「噛みまくってますよ…」

何だかいつもよりも元気がない…と言うか、眠そうだ。目元には薄っすらと隈が出来ている。それに、いつもはきっちりとセットしている髪が、所々はねている。俺もレポートに追われている時に隈が出来るから、彼女も何か課題にでも追われているのだろうか。いつもはレポートに追われてる俺をいじっていたから、弱っている彼女が珍しく見える。

いつも俺をいじってるからいじり返してやろうか。

「でも、本当に大丈夫ですか?良かったら休憩しますか?あ、それとも子守唄でも歌ってあげましょうか?」

「よ、余計なおしぇわれしゅっ!!」

余計なお世話、とでも言いたいのだろうか。これはいじりがいがあるぞ。いつもいじって俺の尊厳破壊をしてきたんだからちょっとぐらいなら許されるだろう。と言うか、許されろ!!

「またまたぁ~。だって香染さん、さっきからすんごい眠そうですよ……あっ!良かったら()()でもしてあげましょうか?」

近くにある椅子を持ってきて彼女の横に座る。

 これは結構攻めたぞ?!彼女はどんな反応をするのだろうか。とても楽しみである。

お、見る見るうちに彼女のほっぺたがプクゥーっと膨れ上がって、眠い目で俺をジイィーっと見つめてくる。さ、流石にやりすぎただろうか。

小中高、まともに女の子と喋った事がなかったから、もしかしてとんでもない事をしてしまったのかもしれない。セクハラだったらどうしよう…

とりあえず蛍光灯の方に目をやる。


ぽてっ


太ももに何かがのった。と言うより何かが倒れた、と言った方が正しいのかもしれない。

とにかく何かが倒れる様にのっかった。それが何がかは大体検討がつく。しかしまさかそんな筈はない。エロ同人じゃあるまいし…

ゆっくりと視線を落とす。さっきまで、眠そうに目を擦っていた彼女の姿が見えない。

そして俺の太ももにのっているものの正体が明らかになった。

何となく想像はしていたが、まさかの香染さん、彼女だったのだ。


 頬をほんのりと赤く染め、火照った顔で俺を見つめてくる。…睫毛が長いな。

いや!そんな事考えてるんじゃないんだった!

一体今何が起きているのだ?全く分からない。状況を整理しようとしても全く整理できない所か、疑問が更に増えていく一方だ。

あの香染さんが?俺の膝に…?

 ちょっと嬉しいと言う気持ちと、誰かに見られると普通にマズいと言う気持ちが混合している。

幸い、机ごとに柵があり、周りからは見えない様になっていて誰かに見られる心配はないが、単純に塾講師とその教え子でこの図は傍から見れば非常にマズいだろう。と言うか、傍から見なくともマズい。

とにかく早く起こさなくては!

「香染さん起きて下さい!冗談言ったのは謝ります!だからこんな事…」

「いやなの?せんせ、」

彼女の大きな瞳が俺を見つめる。その瞳はいつもの勝気な瞳とは違い、何かが吹っ切れたような。人に甘える時の犬の様な瞳だった。

クソ…そんな目を俺を見ないでくれ…

「い、嫌と言うか他の人に見られたらいけないというか…その…」

「じゃあ嫌ではないんだ、せんせ。」

「え…」

 そう言いながら彼女はゆっくりと体を起こし、さっきとなんら変わらないいつもの彼女に戻り、今のは夢ではないのかと思わされる程だった。

しかし、俺の太ももにはっきりと残った彼女の体温はさっきの事は真実なのだと伝えたのだった。



ーーー...…

「はぁ~…それにしてもさっきのあれは何だったんだ。やっぱり幻か?だけどあの時の感触はしっかりと俺の太ももが記憶している。」

 結局その後、お互い気まずく全然授業が進まず彼女は帰っていった。

彼女に関しては我に返ったのか、顔をこれでもかと真っ赤にして目も合わせてくれなかった。

 とりあえずもう上がる時間が過ぎてるし、机の掃除して帰るか。

いつもは勉強熱心で机に消しカスがいっぱい落ちているが今日はほとんど落ちてない。

机の中には何もないだろうか。よく机の中にワークや教科書を忘れている人がいる。いちいち電話をかけて取りに来て貰うのは面倒なので声掛けはしているのだが、それでも忘れていく人が稀にいる。

「ゲッ…」

 そんな事を考えていたら早速忘れ物を発見した。しかしたった一枚の紙切れだけだった。

それも何か書いてある。これは絵だろうか。女の子の絵が描かれている。

 それにしても何と言うか…この絵の女の子。「アへ顔ダブルピース」してないだろうか。

紙が小さいうえに線が薄いが、確かにアヘっている。

しかし、何て言うか、この絵のタッチどこかで見た気がするんだよなぁ...


少し気になるしただの落書きだし持って帰ってもいいよな…?


俺は速足でアパートに帰った。












どうでしたか三話?!今回は香染さんのデレ回にしてみました。

ついでにちょっとだけ匂わせておきました。いや~次回が楽しみですね。まあ皆さんは田んぼ先生が誰かは大体想像ついていると思うのですが、(と言うか登場人物が今の所二人だけでバレバレすぎる)流石にマズいと感じてきました。次回かその次に新キャラをだせるように精進していきます(笑)

というか今回かなり長かったぞ…いつもは3000字行くか行かないかだったけど今回4000字近くある…

まあ何はともあれ、では諸君サラダバー!

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