一話:教え子が王道ツンデレなんだが。
人生初のラノベ系の小説執筆(笑)
後々これが黒歴史となるか誇りになるか…
文章として拙い点がいくつのありますが、良かったら暇つぶし程度に読んでみて下さい。
はぁ……あと2時間の辛抱だ。頑張れ俺。
大きなため息をつき、淹れたてのブラックコーヒーを少しずつ飲んでいく。コーヒーの水面にすっかり疲れ切った自分の顔が反射する。
げっ…めっちゃ隈出来てる、まあ最近徹夜でレポートやってるもんな、それに早く家に帰ってログインしないと今月は4年フェス開催してるし。はぁ…もう2分で休憩から戻らないと…
俺の溜息が静かな休憩室に部屋いっぱい広がる。
俺の名前は獅童 仁。どこにでもいる普通の大学二年生だ。別にどこかのサークルに入っているわけでもなく、彼女のいるリア充でもない。ずば抜けて勉強や運動が出来るわけでもない。
しかし、「超」が付くほどのオタクではある。毎月の仕送りは漫画やアニメグッズ、そして同人誌に消える。
だってしょうがないだろう?こんなに可愛いフィギアやゲーム、これを買わずにはいられない!
最近はなるべく買わない様にはしているが、サイトをチェックする度に欲しいものが増えていく。
しかし、さすがに生活費に手を出し始めてからマズいと思い、3ヵ月程からアパートの裏にある「京庸塾」で塾講師としてアルバイトをしている。
「先生。ここの方程式はどの様に解けばいいのですか?」
「ふぁっ!は、はい!…えーっとここはこの二つを因数分解すればいいですよ。」
「ありがとうございます先生。ふふっ、今日もボーっとしてますね。またソシャゲのイベントの周回でもしてたんですか?」
「いやっ!最近は徹夜でレポートをやってたんだよ!」
「『最近は』って事は、いつもはゲームしてるんですね。」
そう言い、脚を組み替えながらニヤっと目元を歪ませる。
彼女は俺が担当している教え子の一人で、「香染 牡丹」(こうぞめ ぼたん)と言い、腰まで伸びた長い黒髪と二つの白いリボンがついたカチューシャが特徴だ。噂でしか聞いた事がないが、かなりのお嬢様らしい。
時々俺をからかってくるのだが、押しや褒められる事に弱く
「そういえば香染さん。最近成績上がってきていますよね。勉強頑張っていて偉いですね。」
「ふぇっ!?…と、当然の事ですし…」
と、めちゃくちゃツンデレである。
こんな事を言うと塾講師の立場として危ういが、かなりの美少女で、長い睫毛に透き通るような肌に華奢な体。そして今時あまり見かけないストレートの黒髪でまるでラノベやギャルゲーに出てきそうな要素がてんこ盛りである。
それに俺のやってるゲームの好きなキャラ「エンジェル」ともそっくりで、彼女には申し訳ないが心の中では勝手にエンジェルと呼ばせてもらっている。
と言うか、疲れているのだろうか...彼女の黒髪が部屋の蛍光灯に照らされて眩しい。これじゃあ本当にエンジェルじゃないか。
「…っと、ちょっと先生!聞いてますか?!」
「あっ!すいません、どうしましたか?」
「どうしましたか?じゃないですよ!さっきから私の事をジロジロ見て…へ、変態ですか?!変態ですよねこの変態!!」
「自己完結しないで下さいよ…それと僕は変態じゃありません!」
「じゃあ何で私の事を舐める様な目つきで見てたんですか?」
ニヤニヤしながら僕の事を見てくる。顔文字で例えると(・∀・)←こんな感じだな。
さすがに『貴方様が僕のやってるソシャゲのエンジェルに見えたから』とは言えない!
と言うか全く下心はないんだ!
こう言う時は…
「舐める様な目つきって…いや、ちょっと香染さんの後ろに飛んでたハエを何となく見てただけですよ。」
「そ、そうですか…私を見ていたわけではないのですね。」
そう言いながら指先で長い髪をいじる。
さっきとの俺をからかう時の態度と急変させ(´・ω・`)←こんな感じのしょぼくれてしまった。何か言ってはいけない事を言ってしまったのか?
しかし本当にバレなくて良かった。
もしこんなことが知られたら平穏なオタライフが終わる所だった。でも、こう言う時って何て返せば正解なのだろうか。やはり俺には女心がさっぱり理解出来ない。
ーーー…ふぅ。ようやくバイトが終わった。
重い身体を引きずるようにアパートに帰る。まだ家が近くで良かったよ。他のやつなんか電車で一時間のやつとかもいるから、さぞかし大変だろう。
まあ俺が体力ないだけかもしれないが。
はあぁぁ…疲れた体にはやっぱりラーメンが一番だ。体に染みて美味しいったらありゃしない。
そして、俺にとっての宴というのがあるのだが、それは「大好きな食べ物を食べながらソシャゲや好きな絵師のツブヤキをチェックする事」だ。毎日の日課とも言っていい。いかにも現代人らしい娯楽で代わり映えのしない宴だが、慣れないバイトで疲れた俺を癒してくれる最強の方法(自己流)だ。
そして最近欠かさずチェックしてるのが、「田んぼ」と言う名前で活動している同人作家だ。とてもと言うか、本当に絵が上手い。田んぼ先生のファンプレミアムの有料会員でもある程好きだ。
本当はもっと人に勧めたいのだが、その田んぼ先生は『エロ同人作家』なのだ。だからそんなものを人に勧められるわけがない。元々少ない友達が減るだけだ。 それと、実を言うと俺は家族や友人にはオタクである事は隠している。俺の親はアニメやそう言うものは教育に悪いとされ、小中高生の頃は全くそう言った類のものには触れさせてくれなかった。その反動もあってか、大学デビューで地元を離れるのと同時にオタクになった。だから、それまでに出来た友人は俺がオタクである事は知らないし、皆の家庭もその様なものに触れる事は禁止だった。
今思えば、どうして俺は親に反抗しなかったのか。学校では話題についていけず、いつも教室の隅で勉強するふりをして周りの人の話をこっそり聞いていた。本当は見たかったのだ。アニメや漫画を。ゲームだってしたかった。しかしもう終わってしまった事はしょうがない。 少し虚しく思いながらスクロールする。
「…お!!田んぼ先生の夏コミの新刊出てる。早速買わなくては…」
毎年二回、コミケと言う同人誌即売会のイベントがあるのだが、田んぼ先生は夏に新刊を出している。と言うか、もうそんな時期か…時の流れは早いなぁ…
「ん?」
タイトルを見て思わず顔をしかめてしまった。
『塾講師と教え子の禁断の恋…』
何だかとても既視感を覚える。よりにもよって大好きな田んぼ先生の新刊が教師と生徒ものだと...
その上、ヒロインの子は黒髪ロングで不思議と誰かが頭に浮かぶ。『誰か』と言うか、完全に『アイツ』である。
いつもは大喜びで直ぐにカートにいれるのだが、少し引っかかる点があり、俺の中の天使と悪魔が戦っている。
本当はとても欲しい。とても欲しいが、買ってはいけない様な…買ってしまったらアウトの様な感覚だ。いや、別に意識しているわけではないが、もしこれが誰かに見つかったら本当に人生終わる気がするんだよな。
もう一回言おう。本当に意識はしていない。
確かに香染さんは美少女だが、流石にそう言う目で見る事は出来ない。
それに『誰かに見つからなければいい』だけの事だし…
「よし!買おう!」
俺は思いきり購入のボタンを押した。
あまり上手く書けなかったけど自分なりに楽しくかけて良かったです。
これからも更新していくので良かったらまた読んでみて下さい!
それでは諸君サラダバー!