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お目付け役

前回があんなことになってました。

 そして、今回は国監査官が登場していきます。

おっとその前に、ユーリの今後ですね。

女の子に対してすることじゃないな。

――――荒療法以前に、自分の欲求が嘘のように引き下がる。

「!!!!!」

 どうやら、効果があったのか。

「これが恥ずかしいってこと。機械も関係ないだろう?」

 こくこくと首を振って、胸を張れるはずもなくただ布団で隠していた。

ユーリはその場から動けるはずもない。

布団から顔を出して、赤くなった顔はもはや正常とはいわんばかりに染まっていた。

その後、無言で部屋を退出して階段で下りていく。

後から、ポンと恥ずかしかったのか湯気が上ったように私服に着替えたユーリは少なからず今後においてすこしは成長すると思う。

まあ、俺も恥ずかしかったわけだし、こんな機会は本人にとても申し訳ない気持ちだったけど。

意地っ張りに、勤めようとするとやはり意識してしまう。

胸とか、初めて起動したときも裸だったわけだけど……意識的に触ろうなんて思ったことないし。

ああやってすこしでも、羞恥してくれるだけ女の子としては大丈夫だけど。

 何故だろう、無性に罪悪が。

「あ、あの、」

 ユーリも、経験ない行動と唐突にされたわけだし不測の事態に心得など整っているはずもない。

第一、管理者とはいえ合理的にいえば起動の手伝いをしただけで他人には変わりないわけだったのに。それに、恥ずかしいなんて価値観の植えつけるために胸を触るって。もしかして強制わいせつ。いや、考えてみろ……迷惑防止条例で逮捕される。

――――それだけで果たして済むのか?

中途半端だからこそ猛烈すぎる罪悪意識が捉われてしまい、どうすればいいのだろうか?

「ごめんなさい」

 ユーリの陳謝に意識しなかったから、確かに意識して欲しかったけどそれでは罪悪感はどこに済ませればいい。

「いいよ。今度は自分の裸を見せるのは自分が心を許せる相手にしてくれ」

「ハルさんには?」

「俺は、ユーリの責任者。だけど、ユーリはきちんと相手を選ぶ必要があるんだよ。俺に対しても」

 クロアとかには気にしていないだろうし、多少なら済ますことになれるが。 

いずれかにしても、贖罪は解き放たれるわけもない。

「ユーリ、着替える時は自分の部屋で。いいな?」

「はい」

「また、俺にセクハラされたくないだろう?」

「――――」

 何言っていっているのか、挙動不審にほどがある。

自己嫌悪。

それに、胸を触られたことに嫌になるのは当たり前で。

「できれば、はいって……言ってくれ。ユーリ」

 その行為を戒める。

「はい。でも……それはハルさんがそうしろと命令したから。私はいいえです。ハルさんがそんな人じゃないから。“いいえ”です」

 ユーリはどうして人を呆気なくそんなことどうでもいいと、頬をゆるんでいた。

起きてきたわけだから指示された携帯を鳴らす。

数回のコールに、5秒もしないうち誰かの声がする。

「もしもし、秋月です」

 それは、ユーリの姉であるクロアが電話に出た。

どうしてあの強引男の電話からクロアが出てきたことについての疑問を指し示す前に、淑やかにした彼女の前では口に出せるはずもなく。

「すこし、お連れしたいところがあります。ユーリは起きてきたのですよね?」

「ええ、何なら電話代わりましょうか?」

「いえ、もう玄関に着きましたので。電話切って構いませんよ」

 玄関口からのマフラー音でなんとなくだが、想像はついた。

行き先も知らないまま、ただ出向いてきたことにはそれだけの理由もあるだろう。

その点、考えてみればクロアの方が分かり易く説明してくれるだけ救い慨にはなる。

「ユーリ?」

 差し詰め、まだ眠たげに目をこすっていた。

「は、はい。処理能力が起動5分間は0.3パーセント効率が落ちますが日常処理には変わりません。それより……お腹すきました」

「ごめん、途中でコンビニなんかで寄って食べよう」

 すると、きゅぅ~とお腹の鳴る音。

いくら、ロボットとはいえこういう音に対しての抵抗はあるらしく恥ずかしがっていた。

ドアを叩く音に、渋々来てしまったのだろうと開けると。

「遅い。なっとらんぞ、少年」

 家に上がり込む、秋月。

それも、無許可に上がり、家主の許可なんて一つも許可した覚えがない。

それは、俺に対してみればとても眉を媚びるわけだが申し訳なさそうにクロアがそのあとに続いて家に上がる。すこしばかり許す。

「クロエアお姉さん?」

「ええ、おはよう。ベッド変わって熟睡できた? 研究所じゃないから熟睡できてないかクロア、心配」

 姉との面会。ユーリは昨日といい余程嬉しいのか、お腹空いている事さえ忘れていた。

だが、生憎10時間は熟睡していたねぼすけにはその心配とは無縁のようだ。

何事にもなかったように秋月はリビングへと行き持っていた紙袋から黙々と出していた。

……それは紛れもなく、俺の学校と同じ制服。

つまり言動される前に察知するならば、ユーリに学校への生活をさせる気らしい。

「人としての補助する前に、まず自分のことをきっちりこなすことができないと話の代用すらできない。つまりだ……ユーリの学校でもお目付役を任せたいわけだ」

 ああ、察知していたことに寸分足らずとも違わぬ答えが今の自分には欲しかった。

迷惑ではないが、それにおける途方もない苦労さえ黙認しなければならないとサトラサセラレルハメニ。

政府として、まるで一大プロジェクトに加担するにあたってあまりにも身近な存在としての最新鋭のガイノイドに対しての教育方針は、多分俺に委ねられてしまった。

しかし、疑問になることが一つ。

「ユーリは基本型には知識を取り入れる必要がないだろう。ロボットだし」

 そう、単純に考えてみればテスト100点満点なんて当り前だ。

真中に当たる脳核は、もはや知識レベルとしては常人ではない。

故に学習することは、ユーリにとってみれば小学生の算数程度しかないはずなのに。

それなのに秋月は全くこちらの話を理解しようとしない。

「馬鹿か。お前の頭はカメムシか」

「ちょっとまて。カメムシは失礼だろう」

 反論してみたが、無視された。

「学校のカリキュラムが必要ならば、研究所で事は済む。俺の言いたいことはユーリには人間性としての勉強だ」

 手っ取り早い方法だろうと、自画自賛しているが肝心なことを忘れている。

「その前に、ユーリをロボットだと明かしていいのか? 元々秘密なのだろう、アレは」

 間違いなく、先行き不透明であるわけだ。

頓挫しているかに見えたが、秘策だと机に置かれたのは……口封じだった。

粗方、そういう膨大すぎる権力と金でモノを言わせることには慣れたくはない。

 それにユーリにしても希望があるはずだ。

学校まで指定されて当然ながら俺のクラスに転入することになるのはあまりにも強引すぎる。

「ユーリは、それでいいのか?」

「はい、構いません。役立つことをすることが使命ですから」

即答して本人は、まるで当然だと言わんばかりだった。

「護衛として、クロアも転入することになったから心配ごとはないぞ」

 秋月の言うとおりならば、心配しているわけではないが。

ユーリに対して果たしてそれは効果が望めるからだろうか?

ガイノイドとの接点。

 だけど、人間でいう人見知りというものがロボットにも少なからずある。

第一彼女は昨日再起動されたいわば赤ん坊。

自分の変化だけでも戸惑うのに、周りの変化に動揺してきちんと耐容が判断しにくい。

 服もそうだし、まだ人間としての感情プログラムには許容できるわけもなく。


なんだか、日常的な話とはべつになってしまいましたね。

今回は、ユーリの動向や今後のハルやユーリとの関わり合いになっていきますねぇ。

 あ、でも難しい話ではないので、サクサク読み通してください。

それでは、また更新時に

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