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last Chance

示しに後2話ですと明言したのに、撤回してはいけないと頑張っていましたよ。

まあ、そのお陰で色々犠牲がふえましたけど、なにはともあれこれと後1話。

長いというか、後半はダレる結果になって本当に残念でしたけどそれでも見てくれた人には感謝しています。それでは、

 その場所は、乾きを波乱とした風が吹いていた。

設置された街灯から、光り輝いてまるでその場所だけが浮遊している。

 主要道路からの境界線は、まるで一望できるほど眺めは街中でもよく見えてしまって、それが情景として、猶の事主要幹線道路からみた景色は絶景といえるだろう。

街の輝き、シティビルとも呼ばれる新型都市配置産業建物としての建造物群から飛び抜けて高い建物。

その建物一つ一つが、光彩とした余光の中一人そこで停滞していた。

灯火が消えかかるように、オレンジの色彩を放つのは火花に近い色で何度も点滅。

螺旋構造となった湾岸幹線道路が、幾多の道を分裂して新都に繋がる道を連なって真っ白になった思考回路を自分で出来る最善策を行使しようと考える。

 春陽にとって、取り残された状況の中での打開策を練ることも結論に至らない。

「クロアさんっ!!」

 直後、クロアが頭を掴まれ持ち上げられた瞬間理性の一部が壊れてしまう。

だが、高さからみて謁見すべき問題であることには違いない。故に、飛び降り自殺してしまうのではないかと思われる高さを飛び降り。

煽り文句を言っている暇さえない状況に、そもそも考える必要なんてなかったのだ。

手にしていたグロックを片手に拳銃なんて扱ったことはないが、セーフティロックは解除されて、ライフリングが右回りということも幸い。

本来の複列弾倉から金属製フレームがより銃そのものへの重さを感じ取る。

「くそ、銃身が重い。それに引き金の中心部分にももう一つ引き金がある仕組みだ」

 手にした銃で自分の一瞬の躊躇を殺さないと、本能的に恐怖を窺えてしまう。

踵を返し、壁までの距離を噛み締めるように歩き、振り返ってその先にある場所を据えた。

自分の靴紐を縛ってよしと声を掛けた上で、助走を付ける。

落下地点の計算なんて考えもしない、衝撃が酷ければ死ぬことだって考えていいないといけないのだが、まずはクロアさんと共に生還することだけを考えないのだと。

「………勝算なんてない。だけどやれるだけやらないと!!!」

 春陽は自分の全てを賭けて飛び上がった。

主要幹線道路から軌道を描くように、飛場し風を切る。

その感覚がまるで、飛躍しているのだと、改めて思考することになったときには落ちる感覚が、落ちても全身打撲による骨折、内臓破裂、脳挫傷なんてものを想像してしまう。

真下の位置も、まして高さが80mはくだらない高さは高層ビルにまで達し、飛び堕ちる高さが高いほど、地面に激突する速度は早くなる。

 落下中にバランスだけは崩さまいと、回転だけは防いでいた。

頬が麻痺して、脚を相互に歩くといってもこの場合は堕ちるが正しい。落下速度が楽と苦の置き換えとはいうが、その価値そのものが生と死そのものなのだ。

「楽になるはずないだろう、こん畜生」

 交互に振り、落下のスピードへと唯一つ妨げる細いワイヤーでは体を支えられるほどの耐久力を期待しているわけではなかったわけだ。

苦悶とした体へとなんとしても、失速へと速度を追いあげる。

それでも、けじめをつけなきゃいけないのだ。

 一発。

いや、それだけでもいいしそもそも、それ以上の力を振り絞って外すことはなんとしても避けたかった。

 落下に幾分余裕がでてきたのか、俺は外に目線を向ける。

街明かりが広大そのもので感じ、喪失した感情に取り込められ圧倒してしまうくらいに白く光り輝いていた。

それは、街の営み。人の暮らしがあるからこそ、光が存在している。

温もりも、優しさもそこにはあってみつめればみつめる程、愛惜しく感じてしまう。

「だから、やらないといけないだろう」

 引き締まった表情に、握りしめた銃身と銃口を突きつけた。

たった一度のために、それもクロアさんの為にも。

「仕方が無い。だからよ……」

 こんな事で死んだら惨めだろうな。

「だから、だからさ」

 目先には、クロアさんを押し潰そうとした強化外骨格の姿がちらつく。

ああ、間違いないのだと深々と呼吸をした。

ここにいることも、何をすべきかなんて一瞬で真っ当できるとは考えてもいない。

だけど、理解はした。成すべきことを。

 春陽が痛い体を堪えていたのは、サイドカーを切り離した際の怪我を患っていた事さえもぼんやりして息は既に乱れがちに整えることも難しい。

落下のスピードは更に激しさを増し、姿勢制御さえ難しさの中に自身の価値観の真価などどうでもいいのだと狙いを定めた。

 瞬間的に、春陽は目を瞑った。

体のぶつける瞬間なんていうものは、3秒にも満たない。

 その落下も、その後しなければいけないことも理解はできていた。

 近視眼とした光景の先にクロアは体を持ち上げられ、強化外骨格の片腕で頭蓋ユニットが徐々にみしりと握り潰されてしまいそうような音を上げている。

 黙殺し、粉砕せしめようとにじるように、何度も砕けるような感覚がすぐ近くで聞こえた。その2秒後には機能を停止し、既に動けなくなったクロアにトドメを刺そうと更に力を強めるのだ。

「やらせるかっ!!」

 鈍い音と共に、飛び降りをしたのだ。普通の人間である春陽にとって衝撃は凄まじかった。

ワイヤーは、役目を果たす前に使えなくなり今になっては捨て身でアームスーツへと飛び乗らなければならない。

 春陽が着地の耐性時に受身すら取らずに、片腕で強化外骨格の背中へとしがみつくように体を支える。

刹那の激震に気管の一部と脆い鎖骨が折れ、横方向からの衝撃吸収はそれでも収まることを知らない。

 肺の一部は欠落し、過呼吸症候群に苦し紛れに浅く息が吐き続ける。

特定箇所の痛みを堪えて、耐えるように執着し目が泳ぎつつも落とされないのだと執念だけで捕まっていた。

 強化外骨格も突然のことに、振り落とそうと輪舞としている。

胸郭からの痛み、肋骨からのダメージに内蔵が刺さっていないことを願うだけだ。

敵も、まさか背中に人が飛び降りてきたと、不意を突かれたのだと浮き足立つ。

 揺さ振り見舞わられる瞬間的力は、隙があれば拳銃もろとも手を離してしまいそうになる。

強化外骨格は春陽の存在に気が付いたようで、クロアを手放しその姿に滑稽であると腕を伸ばし阻害しているのだ。

「明日を精一杯生きるより、今日を精一杯生きなきゃいけないから」

 死んでも可笑しくない。それは、誰かが言うなら多分その通りなのだろう。

弾き飛ばされてしまいそうになっても、懸命に伸ばした腕でよじ登った。

考えるな、感じろと自己暗示に酔狂し構築した意識レベルを一つの行為に集中させる。

敵が、こちらに躍起になる間でもいい。

 春陽が過去へのケジメとして、あの時なにも出来なかった自分へのけりをつけたかった。

救えなかったユーリの姿が死神のように過る。

 無力だった自分。だから、こうして救おうと努力するだけだ。

彼は開閉ハッチを開いてS-RAMの集約である首の後ろである脊柱、肩甲骨辺りに銃の狙いを付ける。

「俺達は、こんな所で潰えちゃいけない―――だから!!!」

 狙いをつけずに、拳銃の引き金を引いた。

銃弾は、春陽の意志通りに放たれたように綺麗な放物線を描くこともなく直線を貫いてまるで弓矢のように低い音と、スピードを兼ねて集約装置へと直撃する。

 アームスーツは、その一発の銃弾によって全システムを停止することとなるが、それでも動こうとする強化外骨格に銃身が焼き付くまで撃った。

静けさだけが静観とした景色に再び戻るかのようだ。

ステンドガラスは割れ、横倒しになったアームスーツは2度と大地を立つことはない。

月明かりに漏れ、少し淡暗とした景色に光が当たる。

薄明かりに、釈然としない気持ちだけが、上辺に俺にとってみても疲れ果てた体以外残っているものが然程見みあたらなかった。

 教会の壁画、聖母の賛美歌が、まるで小さく折りたたまれた鶴のように幻聴のように聞こえてくるのだ。

何機ものヘリコプターの飛び交う音が胸騒ぎをするが、気にしていたらすぐに封鎖した彼らがすぐにやってくると限らない状況。

 世界が止まったような錯覚がそこに確かに存在しているようだった。

まるで、何かの縛りから開放されて体は急に軽くなった気分と同時に引き起こされる喪失感が体を駆け巡る。

「春陽さん、はるひさん……」

 春陽が気付いたときには、転覆し体を打ち付けていた。

すぐ隣にまでクロアさんが、自分の体を引き摺りながらも俺の心配をしてくれているようだ。

「生きている」

「無茶苦茶、正直死んでもおかしくなかった」

 まるで年相応の姉のような言葉だと、立ち上がろうとするにも力が込められなくて空を見ている。

そのまま、起き上がれないでいた春陽がクロアによって起こされたのは数分後だ。

提案するように、彼女に肩を抱えられていた自分が、

「ごめん」

 と謝罪の言葉を入れた。

だが、肝心の彼女はまるで冷静さと冷酷さを兼ね備えるように小さく呟く。

「感謝している。だから謝る必要なんてない」

 起き上がるに、これほどに関節痛に悩まされる日が来ようとは思ってもいなかった。

痛いと簡単に言えば、そうなるかもしれないが我慢してまでも勇気をもらった気がする。

二人で残りの道を歩くが、当然追いつかれてしまうのも時間の問題。

しかし、バイクも失った今では徒歩以外の手段を選択せざるを得ない状況だけど、それでも歩く脚は止まることはなかった。

待ち構えているとしたヘッドライト、サイレンの鳴り響く音。

機動隊の先遣隊が警察官共々先に交通封鎖し、これで終わったのだと自衛官が盾を作りその先での通行を禁止している。

行く手を阻まれた状況に、手出し出来ない俺は降参だと手を挙げるが、全く動じることはない。

だが、何故か機動隊諸々が道を開けてくれた。

「攻撃中止命令を受理した。我々は誤報とした情報を信じきっていたようだ。内務人民委員部から通達と無事に届けるように総理親族から伝言があります」

「えっ」

「お気をつけて。それと、誰も差し伸べてくれなかった手を貴方だけは差し伸べてくれた。感謝していると」

 そして、敬礼して見届けられている。

どうして、そんな状況になったのかさえわからなかったし、開放された道をみて少しよろけ漸く肩の荷が下ろせたのだから。

その安心した顔がクロアさんにも感染したのだろう、微かに頬を緩ませていた。


あと1話ね。

こういった場合は即座にバットエンドが(大嘘)

まあ、元々物語において幸福か不幸かなんて呼んでいる人が決めることですが作者にとっても幸福であってほしいとかありますよね。

 今回の話にとってどちらでも、決めるべきだと思いますが、はい。ある意味失敗点が多いかもしれないです。

最終話くらい、せめて普通な形でもいいかもしれませんね。

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