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衝突

更新時間を前回前日の10時というヘンテコ時間にした紬です。

間違いじゃないですよ、手違いなんですよ(汗

今回はクロアに乗せられたハル視点。

まあ、当然ながら障害が多々発生するわけですので次回にはすごく期待してください。

バイクが目的地として向かった手前数メートルで、ブレーキペダルと急制動しつつ一気にブレーキを踏む。

幹線道路網、主要道路の一つであったが、彼女が口にしたのは車が一台も見当たらない。

「疑心暗鬼。車両トラブル発生もないのに道路を封鎖されることはまず有り得ない」

路面の摩擦音とともに車体を斜めにして停止するまで時間がかかった。

車定である反動と、タイヤ痕がくっきりと。残り前のめりになる摩擦した熱だけが、逃げることもできないでいたのだが物事を理解するのに熟知しているわけでもないがそのままバランスを崩さなかっただけ、まだ幸運と思うべきだろうか。

「急に車が減ったのは、夜だからでしょうか。クロアさん?」

「違う、もっとべつなモノだと囁く」

 そうして、停止したY2Kと取り乱すクロアさんが必死にその主要道路から車が減ったことに腑に落ちない様子で、エンジンを停止させて空虚な間所である路に佇む。

最後の1台が過ぎ、ついには車が1台も通らなくなりY2Kだけが道路の中心で取り残されていた。

 まるでエラー音がプログラムから検出されたのは複数台の車が出入口付近で停止して兵列化し、一般市民を締め出し非常線を張っているのだと彼女はモニタリングシステムからGPSで表示していた封鎖した検問所へ衛星から通信し、経緯を追求している。

「別軌道上の衛星利用測位システムリンクを認識」

「それってどういうことですか?」

「簡潔的なら、こちらの位置を既に特定されている」

 拍子抜けするほど彼女は簡単に言う。

全てにおいて、上手くいくとは思っていない。だけど、こんなにも展開される出来事が急転落した瓦礫のように迫り来る。俺たちはそれを乗り越えないといけないことは解っていたのに目的地とそれまでの推測と憶測が行き交う。

機動隊の先遣隊が封鎖し誰も立ち寄りを禁止指定領域だと定めていた。

バイクの体勢を整え、先見性のある鋭い眼差しと同時に予測ポイントのデバックを組み上げて、機動隊においての十分ではない真意に突破口さえ導き出せずにいた俺たちが、

「これ以上の侵入は我が軍においての領土侵害である。速やかに転回、帰還するように。尚これ以上の侵入が認められた場合、公共の秩序の維持行為として抵抗の抑止のため必要な場合法外的処置をとることになる」

 追い打ちをかけるかのように1.2tの先遣隊のトラックと指揮車両が停止し、侵攻を阻むように警官車が両サイド3台セットにして道幅を狭くさせていた。

彼女が言っていた特派という実験部隊は遠方からの実況見分のつもりだろうか、遠距離からの狙撃可能数値を演算しているように停車している。

自衛隊法が改正され、自衛隊の施設の警護のための武器の使用が可能となり、テロ行為としての大規模な破壊活動なんかやりたいわけではない、俺たちには辿り着きたい場所があるだけだ。

「クロアさん、どうしたのですか?」

 バイザーから液晶画面では目的地までの時間にはあと12秒で一向に動く気配もない。ようやく停止していることが理解に苦しい俺を心配そうに物入れしていた。

「警察車輌も居る。特派も介入行動に移した」

 峠だと、確かにいい表現だと思うのは打開する案が今の処思い当たらないから。

「それでも、俺は」

 相手はたった一台のバイクに造作もないことかもしれない。軍や警察の間をくぐり抜けるなんてプロのスタントマンでもやりたがらないだろう。でもやらなきゃいけないのは、それだけの理由がその先で待っているからだ。

「わかっている。ワタシモ春陽さんに賛同する、だから準備」

彼女が車体座席後部トランクから自身の爪先だけで蹴り、砲身前後に分解してあったのだろう。そこから肩へと滑ら分解してあったRPG-29をすぐさまに組み立てを終えてしまうが見たことのある形だと思えば、ニュースにも掲載されていた携帯式対戦車擲弾筒(ロケット砲)だが、それだけでは心細いと感じるのは国の防衛力を間近で知ることになったからだ。

たった一台のバイクに同時多発テロ想定とした先遣が、添付されるように規定にそり職務を従事法令に侵害している。

「レバノン侵攻作戦において有利。メルカバ初期型くらいなら破壊も可能」

「でも、クロアさん。約束してください、怪我人は最小限に」

誰もが怪我をさせたくないし、まして侵入者に問題になる。先遣隊にとっては防衛策や天津さえ兵器という武器を使って妨害することは憶測から遂行することが正しいことだったのかだろうか。

武器を手に持つ時点でテロ行為と、対処される側にしてみれば安易すぎる平和協定法を破ることで状況下に正当防衛という名の侵略というものとなにも変わっていない。

「判っている、あちらの攻撃も必然。盛大に打ち上げても文句ない」

 後部から装填された弾頭を光学式センサー付きとはいえ12kgの重さを意図も簡単に持ち上げて俺の役割なんていうものは、精々サイドカーに押し丸まり彼女を見守ることしかできなかった。

「片手運転になる、バランス崩しても文句は言わないで」

 メディアのヘリコプターが飛び交い、スポットライトを照らした先には先遣隊以外にも自衛隊が多連装ロケット自走発射機を駐屯させている。

特派にはアメリカが開発途中とされていたMCSという戦車を3台待機させていた。

昼夜を逆転しているとはいえ、ライトの照らし。色を塗るような光景は異様といっても他ならない。

ロケット砲の光学照準器と予備の赤外線センサーを標準にした視野で先遣隊が、当然バイク一台に装備しているなどと事例がないことに先攻から威嚇射撃程度に発砲。

それに当たるまいとY2Kは急制動が一歩足りとも動かなかった。

弾丸が擦れ、周波数帯の高い音。

耳を塞いで、バイザーから表示された液晶モニターを幾分にも適意に音が防音される。

「クロアさん、ロケット砲の有効射程距離まで詰めないと単発式のロケット弾では威力を発揮できない」

「承諾、但し単発で複断面では奇襲」

 出たとこ勝負だとバイクにアクセルペダルを全力で踏み込み、前進しようとしていたバイクを足で寸前にまで地面に圧えている。

先見していた警察車輌が展開し広範囲のトラップと高速で走るY2Kを狙撃せしめんと銃弾が撃ち放たれて、それは当然に言えば地面が削り取られた。

「神との懺悔は済んだ?」

 口ずさむように、クロアさんが言い残している。

コンマ数秒、振り切るように避ける弾速を音速というバイクが既に刃のように切れるような音をたて銃弾が掠めていた。

ガスタービンから火を引き上げ、Y2Kから苦言にも近い声で喋る。

「振り切る、貴方は弾道を予測して流れ弾に当たらないように」

「無理、そんなことむりですって」

 冗談ではない、寧ろ冗談で済まないと思うのはかけ廻っていく銃声とバイザー表示には幾つも展開されている警告メッセージが鳴り響く。

有効射程距離から100mという距離へと近づくために、バイクの急制動を駆使したとしても、安定した姿勢での発射というわけでもないために初弾のみのロケット砲は本当に有効的なのか定かでない。

先遣隊である警護車と戦闘時パトロールカーにY2Kのハンドルを握ってクロアさんが片手で発射した弾道ロケット弾のロックを解除されエンジン音からのシフト、クロアさんが足を離した瞬間から加速したバイクが銃弾の雨の中へと飛び込む。

 無茶振りを発揮すると、発射スイッチに手をかけ

「Fire」

 一発のロケット弾が射出機構から固体ロケットに点火し飛翔。

一瞬、後部にバランスが揺れる。

アクセルペダルから足が離れてハンドルからの振動で軸がぶれ頭から響く、それを真横から聞く暴音は視線の先へと向ける前に一瞬の振動の怖さに目を閉じた。

バイクの反動とはまた種類も違い、振動が強すぎて車体からバランスを崩しかけてしまうが、持ち前のセンスとバランス感覚が幸いして、クロアさんが何事もなく体勢を立て直しそのまま前進。

距離にしてY2Kが最高時速にして10秒満たない場所での封鎖だが、倍速駆動に加圧した速度を上乗せして続けざまにロケット弾を放たれた。

車輌を列にして並べていた警察官にしてみれば、正体不明のテロ集団がロケット弾を撃ってきたのだ。更に拍車をかけるならば、脇に駐車してあった車輌目がけてだ。

360メートルの高射から撃たれた弾丸が上空を高く、落下地点の一目散に逃げる警官隊と車体前面から逸れた特殊徹甲弾が一台の警察車輌へと前輪からロケット弾が畳み掛けてくる。

 車体壁へと小爆発、車輌の簡易装甲が板挟みされて軽々と伸びきったテープのように爆風を繰り返し、熱が浸透するまでの間多大すぎるほどの熱量が誘発して辺りを吹き飛ばし粉砕。単発で四方に弾けとんだ車輌は、既にスクラップとかし飛散した雲と空高くスクラップが巻き上げられ落下して警官隊へと鈍い音を立てて直撃した。

タンデム成形炸薬弾と呼ばれる特殊徹甲弾式の弾薬は対人危害だって起こり得る。

だが、彼女は予備車両から人が居ないことを予め予測し、車体の爆風によって陣形を崩しそこから抜けるように走り始めるのだ。

人を傷つけるために生まれたと彼女は言ったが、ならば何故人に怪我をさせないように気遣う必要がないはずだ。

 それは俺が命令したから? それとも、彼女自身がそれを望んだか聞けなかった。

ぐっと胸が熱くなる、それが背負う覚悟と背負わなきゃいけない重さが今なら分かる気がした。


これでも頑張っているつもりなのですよ。

まあ、人により頑張りと言うのもアレなんですけどとりあえず完成までまだまだ長いので頑張りたいです。

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