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さよならと囁く醜い世界

今回は、少し長いかもしれません。

そのあとの話には、最も長くなるのではないでしょうか。

とりあえず、前回の確認して改めて文章について色々修正すべきところが沢山あります。

判っていると思いですが、改めてアマチュアだなあと実感しましたよ。

 信号までようやく猫が歩みを止めたのは、赤信号だと理解したのだろうかは定かじゃないけど、つい微笑んでしまった。

私は猫の身体を抱き寄せ持ちあげると、それが安心しきったのか野性的な眼差しなどどこにもなかったため安心しきって、その猫が私にも癒しの存在になるには時間が必要としない。

「手、柔らかいです」

 前足を触れていて、固くもなく調度いい肉球にどうやら、すり寄られるということは気持ち良かったのだろう。しつこくとしても、あまり怒った素振りはなかった。

 信号が青になって猫が身体から飛び出し目の前の声に反応してびっくりとした私を他所に、小学生が猫を見て即座にあとを追うように駆け出した。

「みぃちゃん」

 ああ、飼い主さんなのだろう。猫もそれが判ってからか、尻尾を丸めて気持ちよさそうにしてすごく嬉しくてしかたない。

微笑ましい光景とは相違するように私も歩道を渡ろうとしたが、突然の騒音が再会を掻き消し不足の事態を招くとは予想してもいなかった。

粗野な一台の満載したトラックがカーブから急に旋回をして、子供が渡りきっていないのに曲がろうとする。速度が速い。まして運転手は慌てて、ハンドルを切るが大型のトラックにはまるで暴走した馬車のように言うことを聞かず、雨にスリップしバランスを崩し左後輪タイヤが持ち上がった。

 積載した超過の重量が急旋回を曲がりきれない。そして、体勢が維持できなかったトラックは横ばいになり頭上へと振り落ちようとする。

「ダメっ!!!」

 私は全身の身体足の筋肉と、雨にもかかわらず初速秒数は記録を抜け水面を蹴り複数の動作をバネのように推進。

当初の手順を省略して、水面から弾くように走る。

 早くしないといけないと思う気持ちだけが優先するように自己の概念が急かすように高速で収縮した筋肉が、関節から伸びて神経制御を切り離し触媒されたわけでもないが、そこには動けるだけの力と機械でしかできない芸当がそこにある。

 延ばした腕、だがトラックの荷物は鉄筋建造物用の鉄骨に子供に当たれば痛いでは済まない。

神経筋結合部からの伝達処理をフル稼働で放出し、神経部からの最優先での行動を最短でインストールして、電脳の指示よりも前に本能で子供を身体にしがみ付く。

 荷台から先に降りかかってそれを体の一部で防ごうとするが、傘が自我崩壊して鉄鋼の部品が何度もぶつかる。

衝撃に、一瞬思考がぶれて同時に一瞬の出来事に対して、トラックの倒れた衝撃は計り知れないほどコンクリートを削り取り近くの建物は意図も簡単に崩壊させるほどの威力を発揮しながら、私に直撃して皮膚の一部が剥ぎ取られてしまった。

 タイヤからの消炎に生半可に済まない事故がガツンとそこには一時的な機能が停止し、気がついた時には補助電力に切り替わり痛みに堪えると、脳髄まで響くように感情が震えて苦痛が役に立たない程耐え難くて廃棄できない。

体が重たくなり、動くことがやっとなのだが持続性に現実逃避したくなる。

痛みが苦しいことを学習したことへの結果という行為よりも第一に、子供の安否が気になって仕方がない。

 身を挺して守ってみせたが、鉄鋼の一部が子供に運悪く当たり致命傷になりかねない一撃をぶつける要因から逃れたとはいえもしかしたらばらばと心配する。

「っぁ」

 苦し紛れに出した声さえ掠れ、心臓を貫かれてしまったのではないだろうかという痛みだけが全身を襲って動けない体に、当然ながら子供を抱き抱えているのだ。

 子供の事を優先にして、体の神経を遮断してでも子供を僅かな隙間を作ろうとするが、余計に上に降り注いだ鉄筋が体の自由を奪っていた。

「ダイジョウブ、ですか?」

「うん、みぃちゃんも無事」

 どうやら、怪我はない。最優先に守りたかったモノが守られたためにほっとした気持ちを他所に、煙がもうもうと上がり雨が当たり鉄筋から伝わった雨粒が冷たい。

運転手の無事はわからないけど、子供が無事なのが救い概だと思う。

私が身体を動かそうとしたのにガチリと引っかかり、降り注いだ鉄骨が足が絡まるように、動かせば動かす程、痛い。

 神経ユニットに支障が出たのだろうか、感覚のスイッチが切れない状態なのは事故による故障。

「おねえちゃん」

「ダメ。動けない」

 荷物に搭載していた住宅用とはいえ、大型のトラックが横転して隙間でさえ一人では動かせない。

立ち上がった煙が、目の前を阻害して複雑に折れ曲がった鉄筋がどうやら腕を鉄骨に掛かっているのだ。

「みぃちゃんと逃げられる?」

 子供は首を振り、どうやら閉じ込められてしまうが、残酷なのはエンジンからの異常に火が燃え始めなんとかしないとエンジンに引火すれば大惨事も確実なのは確証していた。

どうする事も出来ない、ならばこのままだと子供は助けられないとロボットである私だろうと、もしもハルさんだったらと走馬灯のように、一瞬頭に過ぎる。

 あの時、何もわからなかった私にハルさんが身を呈してまでも助けてくれた。

それは今の子の状況ならばと比例するかのように、思考が180度切り替えられて動ける部分だけでも押し上げようと踏張るがそれも難しい。

シュミレーションした予測の結果が、行動を起こさないと子供が助からなかったのではないだろうか。

 もしもという気持ちだけが、支配して今一瞬でも死ぬという言葉が理解できるか定かでもないまま、私はひたすら、ハルさんに対しての謝罪の言葉だけがぐるぐる廻っていた。

「誰かを助ける覚悟があるなら、自分を犠牲にしてでも助ける」

「おねえちゃん?」

「大丈夫、絶対大丈夫だから」

 全身全霊、自分の胸中を覆い隠すように引っかかった腕へと全身の筋肉を集中させて身体から切り離そうと力を込めて、選択肢が思いつかなったし、究極の手段だと思うけどこれ以外思いつかない。

そのまま胸郭から浮かび上がる肋骨が犇めくように筋組織から悲鳴を上げ身体から浮かび上がり、ケーブルからの人工筋肉が女性であった体をまるで、内部である組織化した細胞を活性化させて引き延ばそうとした。

「ダメだよ、それじゃあおねえちゃんの腕が」

「平気。私はロボットだもの」

 必死に伸びた本体のユニットから膨れあがる筋肉が片腕を上肢へと繋がり抵抗は子供を抱きかかえて、片手が動かせない状態での激痛は回路がショートしてしまう。

限界までの力が許容していたリミットを越え腕から上腕骨と前腕骨から骨の砕ける音に、皮膚がぶちりと内部から剥がされて中の内部からの液体を吐き出す。

 想像を絶する痛みだけが、全身を駆け巡り初めて死んでしまうという概念を想像できた。

不安に押し潰されてしまうのではないだろうか?

それよりも、死という概念とは一体どんな気持ちなのだろうかと恐怖にも似た感情だけが精神を支配してしまいそうだ。

まるで伸びきったテープのように、隔離できない苦痛がノイズのように視界がブレる。

「いたっ」

 内にある制御ユニットから壊れ、筋組織が立て続けに引きちぎられ、皮膚であったその部分は筋肉が見え内蔵した電気ケーブルが骨であったマイクロファイバーを砕いた。

 もうすでに、身体の一部がむき出しになったことへの痛みと片腕を自ら引きちぎらなきゃ助けられないと判断したことは、後悔なんかではない。

「おねえちゃんっ」

抱きしめていた腕が強くなる、猫の毛と触れる温かさだけがせめてもの救う対象なのだと信じるほか見つからなかった。

こんな犠牲ならばと、改めて思考を隅に追いやり終いにはその思考を殺す。

「あぁぁ」

 唸りでも、遠吠えでもそんな激痛を耐え子供とこの黒猫のためにも自分の片腕など裂けてしまう。

最後の粒子ファイバーも壊れ残っていた筋肉だけが片腕を切れまいとしたが、ケーブルが垂れ片腕の先端から離れ、損壊した腕にノイズが走り、腕には幾多のパーツが空中へと飛散し伸びていた有線は、元のパーツが想像も出来ないほど原型を留めていない。

 すぐさま地面を蹴り、鉄筋を折り曲げるほどの力も残っていなかった自分はそこから離れ痛みに涙が止まらなかった。

「行きますっ!!」

 勢いに任せ、猶予もないために切り離した腕を確認する前に足で飛び上がるように鉄骨を蹴る。

がくんと、一瞬の衝撃がより痛みよりも、子供に目を瞑らせて自分の頭を強打しながらも力一杯その場所から離れること以外しか思い浮かばなかった。

鉄鋼が崩れ、ひしゃげた腕が修復不可能だろうと言わんばかりに潰れもしあの場所にいたならば同じ運命を辿っていたかもしれない。

 帰化した引火物が蒸気圧に空中に濃度が急激に増加し、あとすこしでも遅ければと蒸発した液体が零れ、空中で燃焼を始め圧縮した濃度が発火点を越え着火あっという間に引火したエンジンが爆発したのだ。

巻き込まれながら子供と猫を庇いコンクリートに身を守りコンクリートで顔面を擦りつけてしまい、痛々しく映ったのだろう。

ゴロゴロとコンクリートに体を打ち付けて、最優先事項だけの項目を体に縛り子供と猫の衝撃の緩和だけできればいい。

 体に出来た傷を修復する器官も最早役には立たないだろうし、今は人間でいることを捨てた。

子供がギュッと私の失くした腕を掴んで巨大な爆発に、渦巻く炎がトラックを包んで周りの窓ガラスを割れて警報が鳴り響き、鈍い音と共に爆発音が高く響いて、黒煙と共に住民の一瞬の悲鳴があがった。

「おねえちゃん、ごめんなさい」

「いいえ。私の腕で済んだのですから。お怪我はありませんでしたか?」

 痛覚神経を切れず、立ち上がろうとしたのに動けないまま、コンクリートに寝そべる。

破損した腕から人口血液と、シリンダーとケーブルが広がり雨が痛いなんて、普段感じなかった。

 抱きかかえていた子供を開放して、残っていた力で失くした片腕を触り、見物に来た人からはまるで私の片腕がないことを再確認。

爆発まで起きたのだから冷静でいれるはずがないし、自分がロボットであることを晒されてしまうことよりも、急に意識が軽くなってきたのはきっと衝撃のせいなのだと思う。

 心配そうに見ていた子供が私の後ろに回りぎゅっと猫を抱きながら不安げな表情をしていた。

「おねえちゃん」

「ユーリです。アナタは?」

「未来」

「いい、名前です」

 そんな本当に小さな子供が巻き込まれてしまったのに、私は根本的な事の解消として猫をずっと撫でていた。

これでよかったのだと、上半身を起き上がるのを子供が手伝ってくれた。

「アリガトウゴザイマス」

「腕、痛い?」

「はい、すごく痛い……です」

 機能が急停止するように、失うように思考が鈍っていた。

そのまま腕を離して、子供が心配そうに見ているが自然とソラを仰いで、

「ごめんなさい………私、眠たく」

 いずれか痛みに負けるように、幹の血流が瞬間的に遮断されることによっておこる一過性の瞬間的な意識消失発作。

だから、謝れない自分が涙して家族の一員でいたくて、あんな事言ってしまったのに今はただごめんなさいとハルさんに向けてそれだけを言い残して意識が遠くなる。

 雨は冷たく、私たちを濡らして処方する手立てもないのに子供の姿もぼやけて遂には真っ暗になるだけに留まり、私はまるで消えてしまうように意識が途切れた。

                                            Rain end

次は主人公視点。

話も長くなるとおもうし、十分に修正したつもりですがこれもまた長たらしい文章が多いかもしれません。

とりあえず、更新においても評価においてもあまりいい結果を得られるかどうかもわかりません。今までのお気に入り件数が一人でも多くなるようまた増えることをを願って頑張りたいです。

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