Rain 第5話
雨ですね、丁度桜が例年よりも遅い時期に開花というのに、雨降りというのは憂鬱としかいいようがないですよ。
ああ、休日だというのに酒もないのかとノリツッコミをしたいのですが、酒とバラの日々はまだ迎えられそうもありません。
やっぱり雨のせいだわ、雨に八つ当たりです。
その雨はとても冷たかった。景色は暗闇が広がり、そこには雨雲の太陽が遮るように初めて蓄積された経験の一部には肌寒い雨が、大粒のように降りしきっていた。
それは、とても酷くつめたい。まるで、痛みのような作用とこうして自分の体が動けなかった。
気象上、天候の変化しやすい水循環によって起こる現象で、大気中の水蒸気の影響。
「五月雨なんて……もう過ぎたのに」
止まれば、びしょ濡れの身体。張り付いた服。湿った髪。冷淡な雨がかえって震えてしまいそうだ。
「………どう、謝ればいいのでしょうか?私は」
きっかけなんてすごく単純なのに。謝る方法がわからない。謝罪の言葉を述べればいいはずなのに、どうすればいいか。やはり、人間に成りきれない所詮は機械なのだろう。
それは、学校に向かう途中電車の液晶が雨一色に染まっていた時から始まった。車内は人の多さに圧倒されてしまうが、それよりも液晶画面を見て揺れながらでも楽しめる。文化の違いを判り易く説明した、夫婦の4コマ。簡単手料理。そして、何事もなく、それなりに過ごしていた。
電車という乗り物を乗ることは数回。学校にまで通う必要があったため通学手段として利用している。新都の街並みには、文化の発展と統合するように科学が網目のように織りなしていた。
「マナー……ですか?」
「ああ、“これが社会の常識マナー”だろ。でも、それは会社に就職したときやサラリーマンは必見だが、かえってマナーが良いことがいいわけじゃないからね」
「どうしてなのですか?」
「例えば友人間では気兼ねない付き合いっていうのがあるのに。そんなに礼儀正しいとすこしばかり気落ちされてしまう場合があるからだよ」
おどけた表情でユーリに諭した。社会人マナーから他の交通規制へと画面が移り変わる。
「友人とは常識や譲歩が必要になるのですか?」
「正直な話。現代人には友達という言葉はどの程度かって本当はよくわかっていないのだと思うよ。第一お互いに共感や信頼を構築していくことが本当に価値のあるものなのかさえ」
俺は言葉を濁して、自分の心境を重なり合わせこの上記した友情という言語を躊躇した。
「今のハルさんと私は友達なのですか?」
「友達とは違うよ。きっと」
人間ではないかもしれない、でも彼女は友達とは別問題。
「私は、それでもいいです。いつかハルさんに友達だって思っていただける日が来れば私はそれだけで十分ですよ」
「ちがっ、お、俺は」
「やはり管理者とロボットなのでしょうか?」
それだって、そんなことを言いたかったわけじゃないのに。すり抜けてしまったユーリを追いかける。それは学校最近とはいえ、まだ通勤ラッシュの最中。そこにはまだ慣れていない彼女ははぐれてしまうのではないかと思い、懸命に人を押しのけても探す。危なっかしくて、すごく真っ直ぐでそれでいて世界に疎かった。
「ユーリッ」
駆け込むように、押し込む。このままじゃあとおもって、撥ね退けた。混雑で、誰かのバックで殴られながらも、それでも懸命に出ようとした。
「ゆーりっ!!!」
置いていけない、放っておけないからだからこのままじゃ駄目なのに。本当に、自分たちのことしか考えてない。それは、満員列車に乗り込む乗客程、中の人のことなどどうでもいいのだ。自分たちさえ良ければ、考えることなどないのだろう。
腹が立つ、だけどユーリはそんなことを悠々と駅のホームへ出て行く。誰かに押されて、少しよろける。それも、後ろから。
「っ、邪魔だ!!!」
まるで、我先にと言い放った。それは中年のサラリーマン。ようやく出そうな時に、発車のベルが鳴っている。それでも、無理やり入ろうとする人のせいで中年のサラリーマンの姿はそこにはなかった。きっと車内でもがいているに違いない。
ざまあみろと声にならない声で叫んでユーリの腕を掴んだ。
「ハルさん?」
「ユーリ、先に行くなよ」
「だって」
「だってじゃないよ。ラッシュ時はあんまり離れないでくれよ」
「ごめんなさい」
言えなかった、言いたくもなかった。そんな自分を背中から蹴る。
「だから、社会の規範も知らないと苦労するから」
その後のユーリが情緒していたのは、言うまでもない。
そういえば、玄関の勝手口って使用していないといつの間にか開かずの間になっていることってありませんか?
うちの場合は特にペットボトル野山になって、これでは茸でも生えたら嬉しいのですが、生えるのは所詮べつのものなんですよねぇ。
密封していないからというわけではないのですが貯まるということはよくないですよ。
特にストレスとか。