Sister
おっと、今回は素直に気が付いたら12時を超えてしまいました。
すみません、更新ペースが不届きです。
ということで視点は別に変わります。
話の視点が違い、物語がそれでも進むというのだからなんだか噛み砕いてでも簡単にチュートリアル的なものがあった方がいいかもしれません。
リアルに、わかりにくい。説明が不十分な面があると思いますが宜しくお願いします。
このセミの鳴き声。
そして、気温が地獄の猛火。気がつけば気温も35度を超えていた。
汗が垂れ落ちる。
それはロボットと言えど必要不可欠な機能と不必要な機能が同時に働くため。
私は、それでもゆるぎない道をただうちひられるように二人で歩いていた。
そこは、まるで新世界。
研究所なんて考えてみれば世界がこんなに広く感じることなんて今までなかった。
記憶されたメモリーが私に囁く。
ワタシハツクラレテイタ。ソレハナニゴトニモカワラナイジジツ。
「お姉ちゃん?」
アニスが首を傾げる。
その気のマヨイガから救い出され、一瞬ほっとするものの。自分たちは一体何者だろうかと、たぶんすごく悪寒が走った。
真実とは、偽りのないこと。その事実を知ることは自身の存在を知ることになる。事象されたことはその定義した存在を知ることに。
「ごめん、起こして無理やり」
「うんん、お姉ちゃんが誘ってくれないとわたしダメな子だから」
「そんなこと絶対違う。私が認めるもん」
要らない子じゃない。
否定だけはご立派で、私は首を勢いよく振って否定した。
だって、アニスがいないときっと挫折してしまう。
――――研究所だって、きっと狭い部屋で我慢していた。
「暑いね……お姉ちゃん」
それは、とても残暑にしては厳しい。行く手を阻むのは、長い坂道。
勾配よく、傾斜もさほどではないが。道路標識を無視して何台も車が停止していた。
街灯も真新しい。新設して間もないためか路地に設置したプランターには花が対立よく咲いていた。
だが、年配の人には親切に見えない造り。
それに、なによりもコンクリート作りがここまで身体から蒸し返されるように、酷く環境に配慮なんていう言葉は見当たらない。
まるで……試されているようで。悔しくて一歩踏み出す。その坂道はもはや200メートルは超えていた。
こんなに長い坂道があってたまるか。
反感にも近い感情が生まれる。
それに、アニスの涼しげな顔を見ていると余計にそう思えた。
傾斜はそれほどでもないのに、蒸し暑い。服から発熱した汗がべたべたして気持ち悪い。フリフリの服がかえって、これ程坂道を登るのに苦労するとは……。
「アニスは……楽しそうね」
「うん、前もお姉ちゃんとこの坂を見た気がするの」
「そう」
それは、会話に覚束ない理由でもない。
見当たらないんだ。自分の事を。
それは、全くないわけではない自分個人の記憶が完全に消えていない自我の一つ。
意思はたしかにある。
だけど、今の自分はその意思とは無関係に位置していた。
「お姉ちゃんも、覚えている?」
「私は……事故の記憶しかないの」
そうなんだ、とすこし残念そうな顔。
「だって、これから作ればいいじゃないかな? お姉ちゃん……もし個体としての記憶があるならたぶん重みになるだけだよ」
「アニスは……覚えているの?」
「うん。私は梓って名前があるの。鈴未原梓って」
「私の名前は?」
姉妹なのだから、きちんとした名前を覚えているアニスが羨ましかった。
私はほんの一欠片。
重みがある。その当時の記憶しかない私は、確かに今の個体を維持することには負荷の一部にすぎない。
「う~ん、………あ、そうだ。縁ちゃんだったよ」
「今考えたでしょう?」
「う、……酷いよ。きちんと思い出したんだよ、お姉ちゃんっ!」
面白がって茶化すと、それだけ反応してくる妹。
今はそれぐらいで十分だった。
でも、覚えているということは不備があるわけじゃない。
本当に、羨望したい気持ちは何処かにあった。
「じゃあ、例え縁でもいいけど。梓ってどんな人だったの?私たちは作られているんだから。その記憶もきっと」
それを口にしてしまえば全てが憧憬からかけ離れる。
だけど、
「違うよ。もし梓ちゃんが作られた記憶かもしれないけど。その記憶を保持することによって“個”がいるんだもん。それに事故の記憶をもっていないから……どうして梓ちゃんが私に存在している事が判らない。それに憶測だから」
「やっぱり、羨ましい。アニス」
「でもでも、お姉ちゃんは尊敬できる人だよ」
小さい子供の抵抗。
それに妹として見るには十分な証拠でもある。
「どこが?」
「………う~ん?」
そういった場合即答してくれれば有難いのに。
この子の天然さと、それにそれでも答えを模索してくれる優しさだけで。この暑さも乗りきれそうだった。
「まあ、いいわ。アニスは決してダメな子じゃない。それに今後卑下するのは辞めて」
「―――はい。お姉ちゃん」
素直にいうことを聞く妹。
それに、真夏もそろそろ飽きてきた。
とにかく、自分たちの向かっている場所も本当に正しいのかわからないまま。
ひたすらに前に向かった先、瞬間に数秒の眩暈。
なるほど、精巧な機械は暑さ立ち眩みするようだ。
「システムの突然停止とかには復旧すれば問題ないが、無意識的なモノには対処しようがない」
「お、お姉ちゃんっ!!」
心配ないと……無理やり立ち直りまた歩こうと一歩動く。どうやら、あまり良くない負荷でもあるか。それとも異常なエラーだけか。
システムの欠陥でもないのに。身体を維持することも出来ず斜面であるコンクリートに体勢が崩れ叩きつける。
生憎、喉が渇いた。
だが、お金は持っていない。
日陰に立ち止まって、休もうとした時にはずるりと崩れ落ちる。
どうやら身体の必要最低限の水分は既に干からびていたようだ。
まったく、ピアニストが命より次に大切な譜面をなくしてしまった気分。
どうしてこんな事を気づかなかったのだろうと、私はあっけに取られた。
それでも、
「む、無理しちゃダメだよっ!!」
気遣うように身体をすり寄せ、日陰になった木に身体を支えてくれる。
アニスの方は、当面は心配ないようだ。
始めに基本的な駆動面に関してはきちんとした段階を踏んでいるためだと思う。
「……ごめん、なさい」
妹に諭されるくらい。姉としては威厳もなく萎れる。
動けなくなかった身体。そして前に進めなくなった身体。
「喉渇いたね」
それを誤魔化してくれるアニス。
「そうね。アニスだけでも」
「いや。お姉ちゃんと一緒じゃないと絶対いや」
とまるで駄々こねられた子供。
「仕方がないじゃない。私は動くこと出来ないんだから」
「じゃあ、お姉ちゃんを助けるよ……そうだ、お金貰えるように頑張ってみるっ」
「いいわよ。そんなこと」
どうせ、無理な話だ。
わかっているだろう? そんなに心優しい人なんているはずもない。
また研究所に連れ戻されてしまえば、尚更人に物乞いなんてできるはずもなかった。
樹の下で、ただ涼めばいい。最低限の水分で賄えるなら、雨でも降ってくれればいいのだが。
「それに飲めるなら水溜りでも飲んでやるわよ」
「お、お姉ちゃん……さすがに身体に良くないよ」
「うるさいっ、ろ過できるんだから便利じゃない」
それに、暑さのせいで頭がずきずき痛む。
何度もエラーを処理しているのに、どうやら起動してから何かしらの物を補給しておけば問題にならなかった。幸い、脳核には影響はでない。
だけど、このままシステムが停止することは避けたい……。
そっと振り返るように坂道から垣間見てみる。発展された街。研究所。
そして………その空には飛行機雲。蒼い、限りなく碧い一枚の壁のよう。
有機した世界には真っ白なはずがない。それが世界なんだ。
今度は、この姉妹の秘密と結果。ヒューマノイドロボットの捜し物です。
それと便座カバーではないですが、お後があまりよろしくないのも現状ですので、少しペースを落としてでもなるべく話においての完成度をましていきたいですね。
なんせ、アマチュアが書くということはそれなりの覚悟が必要だということも改めて知らされましたから。
粗相がないように、何事も気を配るつもりですので応援してくださいませ。