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Gothic 第4話

今回の前書きは本編中に、書いております。

 お手数ですが、内容のご確認を上に面倒くさいなどと思ってしまった方またはダルイと感じられた方は危険です。

注意して気を引き締めるなりで、御覧下さい。

それは、知ってはいけない結末。 これは最果ての一幕。

とても、俺自身がこのことを知ってしまったことに浅はかさと、不甲斐なさが重なる。

全ては誰のために……また、誰かはすべてのために、こうして結末から物語が進んでいく。

 いつか、それが天使のいない街。

語り継がれるお伽噺は、まるで人の心のように紡がれる。

 偶然にも手にしていたのは死亡記載のされた紙でもそれは塵紙程度でしかない。

そこに移る少女が、目の前にいる。それは、ウソででっちあげたのだろうか?

簡単にこの時ばかりは思えていた――――そう、これが他愛もない結末。

結局、障害なんて自分たちで乗り越えられる。

 母親の愛情は、この死んでしまって忠実に作られたロボットの娘たちを愛せるかの話は、親子愛によって、今こうして3人で幸せそうな顔で迎えられる。

 それには、今後どんなことが待ち受けていても分かっているつもり。

それは、希望なんかじゃない。

 もしかしたら辛いことだってある。

それでも、受けとめた母の愛だとわかったのは……きっと幸せだと思うんだ。



「帰ろう、ユーリ」

「はい……ハルさん」


 それが、始まりでもあり終わりでもある。



結末から10時間前に遡る。

それは暑い日差しの中、ようやく這い出た電車からユーリの転入手続きを済ませどうせ秋月の差し金だと思われるが、何故か俺と同じクラスに決まった。

「大丈夫ですか? ハルさん」

「全然、昨日の病院で母親にとんでもないこと言われたのが頭に離れなくて」

「……一緒に屋根の下に暮らしていいってことですよね?」

「ほぉ~~~~、って、ハルっ!!!! お、お前が女と話しているっ!! い、いや絶対あり得ない光景に遭遇したっ!!!!」

 偶然ではないが、吉田が驚いた顔を浮かべる。

まして、クラスメイトのお披露目が吉田になるというのはビックリしていたのと、ついでにすこし躊躇いが。

「まて、吉田」

「ここは、まずフルコースか。それとも俺としては音沙汰になっているエロ本コースが嬉しいのだけど」

「………、1」

「だめだ。3だ」

「ちぃっ、2だ」

「いいや、3だ。どうせ転入してくることがわかるだからこの辺でとりあえず親しい間柄っていうだけでもプラスにしてもいいだぞ……ってまた偉く美少女だな」

「びしょうじょ?」

 首をかしげるユーリ。

「ああ、キミキミ。新密度はいいが、とりあえず誰なんだ?」

「はい、Mlr-RDX 1cユーリむぐぐっ」

「いや、ユーリっていうんだ。この子転校生なんだよ」

 咄嗟に誤魔化してみたものの、

「怪しい。絶対に怪しい。お前の隠しごとは大体が怪しいオーラを放つんじゃ」

「まて、それじゃあ変人扱いだろう」

「は、ハルさんは変人じゃないです。すごく優しいひとですし……それに、私なんかのために」

「懐柔したなっ、ハルっ」

「ち、ちがっ」

 誤解を解こうとするが、彼の表情から窺う限り。

「――――くすくすっ、冗談だよ。久しぶりにハルが笑っているからつい嬉しくてな」

 嬉しい?

「吉田?」

「はは、期待しているぞ。フルコースとエロ本。お前の懐の広さに免じてさ」

「免じてない。めんじてない」

 吉田はああ見えて、結構腹黒い。

そして、何故執拗に自分に構うことが彼の学生生活の一部になっているようだ。

断固辞退する。というかもはや確定事項ということが腹立たしい。

「おはよう、ハル……それに騒がしいぞ」

「おはようございます」

「っ!!!! ダレ、えっとすくなからず、ワタシは」

「ああ、えっとユーリっていうんだ。柚樹」

「――――ハル?」

 比較的冷静、ではなかった。

「おい、ユー。ちぃっ、これではエロ本計画が……がっ」

 突然のグ―パンチにごろごろと転がる吉田。

「お前のそのエロエロ脳からそろそろ脱却しろっ、今すぐにっ! それと、ワタシの初印象が暴力女に設定されてしまうだろうがっ」

「お前、そもそも女じゃ……・ごふぅぅっ!!!!」

「あ、あのあの……喧嘩は」

 止めようとするユーリだが、ここは守るように抑えてやる。

「いや、あれでも手加減しているから大丈夫だってユーリ」

「は、はいっ」

 でも、やりすぎて朝には似合わない顔が出来上がったのは言うまでもない。

「っで、とりあえずこうなってしまったのだから全てお前の責任だ。とりあえず状況を掻い摘んで説明してくれ」

 ぼこぼこに傷だらけになった吉田の顔。そして傍では、ぷんすか怒る柚樹の姿。

「ユーリは、帰国子女なんだ。元々親戚で養われていたわけだけど。改めてうちで生活することになったのだが……それに吉田の冗談だろう。べつに俺は柚樹のこと“男”とは一度も思ったことないから」

「は、ハル」

 すると、嬉しそうに顔を赤らめて恥ずかしがる。

さも奇異とは思わないが、隣にいた吉田がそんな振る舞い。

「お前、褒め殺しすぎだろう。大体コイツは性格の悪さと体型からして――――っ!!!!」

「何か言った? ヨシ」

「いいえ、なにも語っていません」

 どうやら認識の不一致というのは、柚樹故だからだろう。

「それよりも、ユーリだっけ?」

「はい。えっと、えっと」

「ワタシが草薙柚樹、こっちがだ」

「ちなみに、俺は思うんだ。コイツに関しては全く女としての容態に当てはまらないと」

「まだいうか、バカ吉田」

 それでも、自分にとって有意義な時間だと思ってくれればいい。

「ユーリ?」

「なんですか、ハルさん」

「うんん、なんでもない」

 それが、彼女が人間でいたいと思うなら。

誰かと自然と笑う光景には、目の錯覚ではないとするならば。

「それはそうと、ハル。お前……最近美味しい立ち位置にいないか?」

「? 美味しいのか?」

「ああ、オカズに沢庵とそれに牛皿が付くからな」

 一体何が美味しい立ち位置なのかわからないけど。

それでも、決して悪い友人ではない。多少の冗談と過ぎたことを付加かいしなければならないが。

「あ、あのっ ハルさん」

 なんというか、真新しい制服に身を包んでいるわけだから。

それがお気に入りになったのか、ユーリはつい嬉しそうにほころばした。

「クサナギさんは、どうしてハルさんとどうして友達になったのですか?」

「……随分直球な質問をするな、転入生。ついでに言えば草薙と呼ぶヤツはヨッシーだけで十分だ」

 そして、そこ場所には珍重されてもと久野の姿が後ろから自転車が走り去ろうとした処で止まる。

「……だれがその珍獣ドラゴンの名前で呼べと言った」

「んなっ、ヨッシー。今日も早くに出所かい?」

 吉田を驚くような素振り。

「煩い、吉田。大体出所では刑務所からでてくるみたいではないか」

「あっ、失敬。しっけい」

「まったくっ」

と、珍しくいつもなら学校に到着しているはずなのに遅めに登校していた。

珍しいこともあるなと、

「おはよう、久野」

「―――ああ、おはよう」

 マウンテンバイクに跨ぎ、そして彼に対してそこに不快などなかった。

「悪い、日直だから先に行く。それと転入生か?」

 こくりとユーリが首を振る。

「ああ、久野……この前病院に顔を出していたのだって」

 母親から聞いた感謝の言葉を並べようとしただけでも、彼は取り繕うことなく平然と流した。

確かに彼はとても優しい人で。それに彼なりの礼なんて言葉では出来ないほど。

「噂だ、それに俺はお前の母親に対して恩がある。それに対しての敬意は表さないと。それと草薙。お前は今日バイトサボりいれるんじゃないぞ」

「わかっている。久野」

 そして、何事もなく自転車は走り去って行った。


4話目突入ですが、前書きが今回のオチです。

オチなし谷なし。コレ……結論を表示して導入部分へと行く4話は特殊な話でございます。

 オチを知ってしまったので、つまらないと思うのでしたら即刻戻るボタンを押して(冗談ですよ

そんなわけで始まったのは良いのですが、少し長い頸を痙攣して待たせてしまいそうです。

……定期的に更新を努めるつもりなので、応援お願いします。

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