プロローグ__手紙
ずっと書きたかった物語です。
モヤモヤとしていましたが、ようやく踏み出せました。
宜しくお願い申し上げます。
私は、私を生まれた意味を、問う。
それは私が私である限り、終わらない事です。
問う度にあの日の光景と、貴女の哀れみが交ざるけれども
これだけは確実に言える事です。
____貴女が、私を選んだ事を、この世に解放した事を
私と出逢う度に、貴女は自ら自滅を選んだのだと。
私は、無力です。
貴女が、私の____である事に。
無慈悲と哀れみのヴェールを包まれて、貴女を、敵と見做したこの世に。
けれども、私達の事は仕方無いのです。
貴女は私を、私は貴女を選ぶ事など出来ないのですから。
けれども後悔はしません。それが運命というのならば
私は潔く受け入れましょう。
この砂時計には、天秤がある。
その天秤が貴女と私に例えたとして、
砂という棘はどちらに降り注ぎどちらに傾くのか。
けれども、天秤の運命を揺らす事は出来る事でしょう?
この砂時計の中には、砂という名の棘が降り注ぐ事だと思います。
私は私の運命を受け入れる代わりに、
棘の砂時計に私達の運命を委ね、
蔦が絡み着いた天秤の蔦を千切り、揺り籠の如く揺らす。
砂時計が留まり、天秤がどちらかに傾いた刹那に
事は決まる事でしょう。
これは、
私が貴女が奈落に落とすまでの、終わりのないワルツ。を
あくまでも「手紙」です。