魔物対妖怪
「主人よ、私に小鬼達を率いさせてください」
土方歳三は、小鬼達を率いさせて欲しいと頼んできた
「わかった。小鬼達の指揮権を土方歳三に渡す」
土方歳三に小鬼達の指揮権を渡すと土方歳三はカイリ達と共にゴブリンとオークがいるとこに向かった
「久しぶりだな。隊を率いるのは」
土方歳三はゴブリンとオークを対峙した
「奥にいるのがオークね」
カイリはゴブリンの奥にいる大きな個体を見た
「あれは、前の冒険者狩りより強いな」
うつけもオークの強さがわかるようだ
「先頭は俺がいく、皆ついて来い」
「「おおおお!!」」
小鬼達が雄叫びをあげる
「ふっ、妖怪もなめた者じゃないな」
土方歳三は刀を抜いて、正面のゴブリン達に刀の先を向けた
「突撃!!」
土方歳三率いる小鬼達は、ゴブリン達に向かって走り出した
「イケ」
オークがそう指示するとゴブリン達も土方歳三に向かって走り始めた
「弱いな」
土方歳三は、衝突してきたゴブリンを正面から薙ぎ払って突き進んでいく
小鬼達はゴブリンと乱戦になり、カイリとうつけは土方歳三についていく
「こんな戦場は久々だね。暗殺者やってた時はなかなか経験できないものだよ」
カイリも立ちはだかるゴブリンの急所を的確に刺して倒していく
「同じ首無しなのに、こんな恐ろしい攻撃を持つなんて恐れ入ったよ」
うつけもゴブリンを切り倒していく
「あんたらの手下は弱かったな」
そして、土方歳三達はオークの前にたどり着いた
オークは武器を構えた
「ワレラハ、ココヲシハイシニキタ」
「俺等はここを守る者だ。支配したければ我を倒せ」
土方歳三は、オークの懐に一瞬で間合いにつめた
オークの胸に刀を突きさす
「ぬ...」
しかし、土方歳三が突き刺した刀はオークの分厚い骨に阻まれて貫通しなかった
「ワレラオークノムネニハヲトオソウトスルトハオロカナ」
オークは持っていた斧を振り下ろすが、土方歳三はそれを避けて後ろに下がった
「硬いわね、あのオークというやつ」
カイリは土方歳三とオークの戦いを見て戦況を分析した
「関節を狙え、骨は分厚くとも関節は柔らかいはずだ」
土方歳三はカイリ達にそう言った
「任せなさい」
カイリ達も残り2体のオークに向かって走り出した
「あんたはあの剣を持ってるやつをやりなさい。私は槍を持ってるやつをやるわ」
「ああ!」
カイリは槍を持っているオークに向かって突撃する
「ワガソウジュツウケテミロ」
槍使いのオークはカイリに向かって突きを放った
「体がでかい分遅いわね」
カイリは突きを避けると、槍の上を走りオークの頭上の真上に飛んだ
「骨は丈夫みたいだけど、ここはどうかしら」
カイリはそう言うと、オークの片目にナイフを突き刺した
「グワアアア!」
オークは片目を抑えて叫ぶ
「柔らかい所あるじゃない」
カイリは血にぬれたナイフの血を舐めた
「カイリのやつえげつないな」
うつけはカイリの戦いを見て引いていた
「ワレノタタカウアイテハアンタカ」
オークはよだれを垂らしながら言った
「よだれを垂らすなよ。仕方ねぇ、さっさと終わらせるぞ」
うつけは剣を抜きオークに斬りかかる
「ワレノヒフハハヲトオサン」
オークはうつけの剣を左腕で受け止める
「油断してくれるの待っていたよ」
うつけが振りかぶった剣は、刃を通さないと言われたオークの左腕を切断した
「グワアアア!!ナゼダアア!!」
オークは出血する左腕を抑えた
「俺の妖術...ここでは魔法といったかな」
うつけは自分が持っていた剣を見せた
「マホウダト...!?」
「先日の客人が武器に炎をまとってるの見てね、真似したんだ」
うつけは隣にあった岩に剣を置くと、石が真っ二つに斬れた
「武器強化魔法『柔剣』」
「カタイブッタイヲヤワラカクスルダト」
オークは今まで見なかった魔法に驚く
「(ほんとは、そんな大した能力じゃないけどな)」
うつけは、嘘をついていた。本当の能力は『あべこべ』である
あべこべは、柔らかい物体は硬くなり、硬い物体は柔らかく能力だ
しかし、生き物にしか対応できないという限定されたものである
「(この真っ二つの石は実は違う魔法で斬ってるんだよね)」
そして、うつけではなかった
相手を切る時は、あべこべで斬り、相手に種明かしをする時は違う魔法を見せて強力な魔法だと勘違いさせた
「今度はどこを切ってほしい」
うつけは近づくがオークは下がっていく
「クルナアアア!」
オークの悲鳴が戦場に響き渡った
「やるではないか、うつけ」
土方歳三は斧を持ったオークと交戦してた
「ソンナヨソミシテイイノカ!」
オークが振りかぶった斧を避ける
「あんた他の2体のオークと違うな」
「ワレハ『ハイオーク』、オークノセンシヨ」
ハイオークは鼻息を荒げた
「戦士...侍か面白い」
土方歳三は剣に魔法をまとい始めた
「武器強化魔法『闇刀』」
土方歳三が持っている刀が闇に覆われた
「マホウカオモシロイ」
ハイオークは地面に手を添えた
「チジュツ『ツチセンボン』」
地面から土でできた棘が土方歳三を襲う
「剣技『一閃』」
土方歳三は走りながら突きを放った
土の棘を突きで打ち破っていく
「オモシロイ、シンタイキョウカマホウ『コウテツノカラダ』」
ハイオークは自分の身体を魔法で強化する
「ワレノカラダトキサマノツキショウブダ」
ハイオークに土方歳三の突きがささる
しかし、また貫通することはなかった
「フハハワレノカチダ」
ハイオークは高い笑い声を上げる
「闇魔法『闇玉』」
ハイオークに突き刺さった剣先から魔法が発動した
「内側から爆ぜろ」
「ワレノタイナイカラ、マホウダトヤメロ!」
それがハイオークの最期の言葉になった
ハイオークは体内側からの魔法により上半身が吹き飛んだ
「また、派手にやったわねあんた」
カイリはオークから切り取った頭を持ち歩きながら歩いてきた
「ちゃんと倒してきたわよ」
「やるな」
土方歳三はそう言うと地面に座った
「俺も倒したよ!」
うつけも走りつけてきた
「うつけだな」
「褒めてくださいよ!」
うつけの嘆きが洞窟内で響き渡った
次回は冒険者との戦いが始まります