新たなるダンジョンマスター
「君がダンジョンマスターだと?」
俺は女性が言った事に驚いていた
「ええそうよ、私はこの都市の北へ真っ直ぐ行った『迷宮の森』のダンジョンマスターよ」
「君がダンジョンマスターの証拠はあるのか?」
「なかなか用心深いわね、いいわ証拠を見せてあげる」
ダンジョンマスターと名乗る女性が片手をあげると酒場から5人の人が集まって来た
「この5人は私の護衛よ。人に化けてるのもいるけどね」
「主よ、あの男性がダンジョンマスターなのですか?」
「そうよ、恐らくあの男性の前にいる2人は霊魂召喚で呼んだ偉人かしら、圧力が全然違うわ」
霊魂召喚を知っているのか、本当にダンジョンマスターの可能性が高いな
「あぁ、そうだ。霊魂召喚を知ってるってことはダンジョンマスターに違いないな」
「あら、意外と信じてくれるのね」
「霊魂召喚を知っている人物はダンジョンマスターの他にいないだろ」
それを聞いて、その女性は口を抑えて笑いをこらえる
「ふふっ、霊魂召喚ができるのはダンジョンマスターだけではないのは知らないのかしら」
霊魂召喚ができるのはダンジョンマスターだけではないのか
「それは本当なのか?」
「その質問には答えられるけど、まず座っていい?」
構わないと言うと、ダンジョンマスターと名乗る女性は俺の向かいにある椅子に座った
「ありがとう。じゃあ、説明するね。霊魂召喚は異世界に存在していた歴史に名を残した偉人を召喚する魔法になるわ。私も最初はダンジョンマスターにしかできないと思っていたけど、血筋など遺伝関係なしにある日突然できるようになった人がここ数ヶ月で現れ始めたわ」
「その人数は多いのか?」
「いいえ、そんな決して多くないと思うわ。私の予想だけど、ここの領主様が治めている土地で1人いるかいないかと思うわ」
地上にいる人でも使える人は極限られた人なのか
「ある程度理解したみたいだね。そして、霊魂召喚がするにはある特殊な条件が必要になるわ」
「特殊な条件?」
「えぇ、あなたにも次の霊魂召喚できるまでには、この条件を達成する必要があるって言われたでしょ?その条件は様々で、部屋の数を一定数に達したり、ダンジョン内の魔物の数を一定数まで増やすなど個人によって様々あるわよ」
そうなんだ、自分はダンジョンレベルだから、それだけかと思ったけど個人によって条件が違うのか
「その霊魂召喚ができるダンジョンマスターは何人ぐらいいるんだ?」
それを聞くと、ダンジョンマスターを名乗る女性は前かがみになった
「そこを気になるよね。ここの領主様が治める土地には、あなたと私を含めて4人いるわ」
「4人いるのか」
「えぇ、4人よ。そして、そのダンジョンマスターは同時期に出現しているという謎があるわ。だけど、その原因は私にもわからない」
同時期に出現しているのか確かに謎だな
「その後ダンジョンマスター達は、偵察に来た冒険者などを倒した。そして、その噂が気になるって、みんなこの都市に集まっているわよ。あなた達と同じでね」
「ダンジョンマスター4人この都市に集まっているのか...」
さすがに驚きが隠せなかった
「そうよ、私はあなたが一番最後でそれ以外のダンジョンマスター2人ともあったよ」
「なんで、ダンジョンマスターってわかるのだ?」
ダンジョンマスターを名乗る女性は人差し指を自分の口の上に置いた
「それは、秘密よ♡」
「そこまで俺に話した理由はなんだ?ただ会うだけでも良かったのではないか?」
「そうね、一つ言うとしたら他のダンジョンマスターは信用成らなかったって所かしら。そして、あなたは他のダンジョンマスターと比べると欲がないわ。絶対的な力を手にしても、態度を変えることなく野望を抱いていない」
野望か、そんなこと考えていなかったな。自分のダンジョンをどう運営するかに必死で考えている暇がなかった
「初対面なのに評価が高いな」
「そうよ、人は第一印象で8割決まるんだよ。私は直感を信じるの」
「そういうもんなのか」
「そういうものよ」
女性が考えていることはいまいちよくわからない
「そして私はあなたに同盟をしたいとも考えているわ」
「同盟?」
「そう同盟よ、圧倒的な力を手にしたダンジョンマスターが次に行うのは、自分の領土を手に入れたいと考えるわ」
ここまで話を聞いて俺はある結論に辿り着いた
「戦争か?」
「そう戦争よ。戦争が起きた時に私とあなたは協力し合うのよ良い考えじゃない?」
それは自分にとっては嬉しい考えだ。敵は少なければ少ない方が良い
「あぁ、同盟を結ぼう」
「即断即決できる男性は素敵よ。よろしくね」
ダンジョンマスターを名乗る女性は手を俺の前に出した
俺も手を差し出して握手を交わした
ここにダンジョンマスター同士の同盟が誕生した