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みんなで一緒に料理作り♪ 後編

「それでは、エレナちゃんはこのナイフを使ってじゃがいもの皮を剥いて下さい」


「うん、分かった♪」


 ふ~ん……、それにしてもナイフね……。そういえば思ったけどこの異世界って、包丁やナイフは存在してるのにピーラーは存在してないんだよね……。ピーラーが使えたら少しは楽なんだけどね……。まあここは剣や魔法が使えるファンタジーな世界だし、時代的にはそうとう昔だと思うからピーラーが存在しないのは当然っちゃ当然なんだけどね♪ 今思うと、ピーラーを考えた人って本当にとっても凄いよね♪


 異世界で第2の人生を過ごすようになって、こうした当たり前だと思っていたことにありがたみを感じるようになるなんてね……。やっぱり異世界はとても恐ろしいわね……。


 エレナちゃんとアレンさんがナイフを使ってじゃがいもの皮を剥き始めたのを見て、私はふとそんなことを考えていたの。


 普段何気ない日常にもこうした違いを見つけちゃうと、ここは異世界なんだなとつくづく実感しちゃうよね♪ まあといっても、私にとっては今の異世界での生活の方がとっても楽しいんだけどね♪



「……」


「こ~ら! アリアちゃん手が止まっているよ!」


「えっ……? あっ……! ごっ……、ごめんなさい……!」


 私が考え事に耽けていると、ソフィアさんから手が止まっていると注意されたの。うぅ~……、考えることに夢中になりすぎて、つい手を止めちゃってたよ~……。


「そういえば、アリアちゃんは料理のお手伝いをしたことがあるの?」


「たまに料理のお手伝いをしているよ♪ エレナちゃんは?」


「私もたまにかな♪」


「そうなんだ♪ じゃあお互い一緒だね♪」


「うん、一緒だね♪」


 私は再びにんじんを切り始めていると、私もエレナちゃんもたまに料理のお手伝いをしていることが分かり、お互い何だかちょっぴり嬉しい気持ちになっていたの♪


「そういえば、アリアちゃんが初めてお手伝いをした時と今を比べてみると本当にとても成長していて、そのことにしみじみと感じるんだよね♪」


「それは確かに分かりますね。最初の頃のアリアちゃんはホットケーキを焼くのにとても苦労していましたからね」


「なっ!?」


「そうそう♪ とっても苦労していたよね♪」


「へぇ~、そうなんだ♪」


「ちょっ、ちょっと!? 恥ずかしいからそのことは言わないでよ! もぅ~!」


「確かその時のホットケーキはとても黒コゲになっていて味も苦かっただけに、ほろ苦いデビューとなったんですよね♪」


「よっ、上手いねメイ♪ 流石ね♪」


「もぅ~、メイさんまで何言っちゃってるのよ!? あと全然上手くも何ともないんだからね! むぅ~!」


 私の料理の腕前の成長ぶりにソフィアさんがしみじみと感じていると、アレンさんとメイさんによって私が最初の頃に作った料理の失敗作をエレナちゃんとエマさんに明かされ、私は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながら2人に怒り、頬を膨らませていたの。


 お願いだからその話はもうやめて! 私にとっての黒歴史の1つなんだから~……! ホットケーキは一応前世でも作ったことはあったけど、あの時は大分久しぶりに作ることもあってちょっと忘れていただけなんだからね!


「ちなみに他にもあったりするんですか?」


「ちょっとエレナちゃん!?」


「そうですね……。アリアちゃんが初めて包丁を使えるようになった時、今みたいに上手く切れなかったことですかね♪」


「「へぇ~♪」」


「にゃああああぁぁぁぁ~~っ!?」


「そうそう♪ あの時のアリアちゃんは、包丁を上手く使えないながらも食材を一生懸命切ろうとしていてとっても可愛かったんだよね♪」


「そうですね。あの時アリアちゃんが一生懸命食材を切ろうとしているその姿を見て、僕たちもついつい応援しちゃってたんですよね」


「そうだったんだ♪ 私もその時のアリアちゃん見てみたかったな♪」


「そうだね♪ 聞いててとても素敵だなと思ったしね♪」


「もぅ~、それ以上言うのは本当に止めて! その話は私にとってすっごく恥ずかしいんだからね! むぅ~!」


 続けてメイさんから私が初めて包丁を使ったときのことをエレナちゃんとエマさんに明かされ、とても恥ずかしくなった私は再び顔を真っ赤にしてこれ以上話すのは止めてと必死にアピールし、頬をまた膨らませていたの。


 あっ、あれは手がまだ幼いこともあって、包丁を上手く扱えなかっただけだからね! 中身は元女子高生である私だけど、転生して体が子供だったことを忘れて、それで戸惑ったのもあるんだからね……!


「そういえばエレナちゃんもクッキーを作っていた時、初めは黒コゲになることが多くて、最初はとても苦労していたよね♪」


「にゃっ!? ちょっとエマさん!?」


「エレナちゃんもそうだったんですね♪ ちょっとびっくりです♪」


「うんうん♪ 確かにちょっとびっくりかも♪」


「そうですね。エレナちゃんにもそんな一面があったんですね」


「そうだったんだ♪ あれ? それじゃあの時もクッキーももしかして……」


「そうよ♪ あの時のクッキーもエレナちゃんは何度か失敗したんだけど、それでも諦めずに挑戦して作ったものなんだよ♪」


「やっぱりそうなんだ♪ エレナちゃん、私のためにそんなに頑張ってくれていたんだね……♪」


「うっ……! もぅ~、エマさん! それ以上話すのは止めてよね! むぅ~! でも……、アリアちゃんが喜んでくれたのはちょっと嬉しいかも……」


「あっ……、あはは……」


 エレナちゃんがツンデレ状態になってる……。まあ可愛いから別に良いんだけどね♪


 昔の私の料理の腕前を明かされると、今度はエマさんからエレナちゃんがあの時私のために作ったクッキーのちょっとした真実を明かし、私は凄く嬉しくて感動したけど、エレナちゃんは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしてエマさんを怒り、頬を膨らませていたの。何か……、暴露大会になっちゃったね……。



「フゥ~……、やっと終わった~……」


「こっちもやっと終わったよ~……」


 何だかんだありながらも、私はソフィアさんと一緒ににんじんを切り終え、エレナちゃんもアレンさんと一緒にじゃがいもの皮剥きを無事に終えたの♪ なぜかはよく分からないけど、何だか物凄く疲れた気がするんだよね……。


「2人共お疲れ様です♪ それでは次の担当を発表しますね♪」


「「は~い☆!」」


 それからは、私もエレナちゃんもそれぞれの担当をお手伝いし、とても頑張っていたの♪ 途中、玉ねぎを切り過ぎた影響で目がかなり染みて料理どころじゃなかったり、卵を割るとき黄身だけじゃなく殻も入ったりするというハプニングもあったりしたけど、それでも何だかとっても楽しい時間を過ごすことが出来たの♪


「これで全ての料理が無事に完成したね♪」


「そうですね♪ 全ての料理が無事に完成出来たのはアリアちゃんとエレナちゃんが手伝ってくれたおかげですね♪ 2人共本当にありがとうございます♪」


「エヘヘ~、どういたしまして♪」


「みんなで一緒に料理を作ることが出来て、私もアリアちゃんもとても楽しかったです♪」


「うんうん、とても楽しかった♪」


 何だかんだで色々あったものの、無事に料理を全て完成することが出来て、私もエレナちゃんもとても嬉しい気持ちだったの♪


「それでは、ご主人様と奥様が帰って来るまでにこれらの料理を全て並べないといけませんね♪」


「うん、そうだね♪ それじゃ2人共、料理を並べるのを手伝って♪」


「「は~い☆!」」


 全ての料理が完成し、私たちはパパとママが帰って来るまでに急いで料理を並べ始めたの♪ みんなで一緒に晩御飯を食べるの何だかとっても楽しみ☆!

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