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ゴブリンとの戦いを終えて 中編

「ねぇ、アリアちゃん。ゴブリンは一体どうなったの……?」


「あはは……。えっと~……」


 といっても……、本当のことを言ったところでエレナちゃんには多分信じてもらえないと思うんだよね……。う~ん……、どうしたらいいんだろう……。よし、こうなったら……!


「ゴブリンは私とエレナちゃんを襲おうとした矢先、突然どこからと光が出て来てゴブリンはその光にかなりのダメージを受けてしまったの」


「うん……」


「そしてゴブリンはその光にかなりの恐怖を感じ、怖くなってそのまま逃げてしまったの。すると同時に、なぜかその光もそのまま消えてしまったんだよね……」


「そうだったんだ……」


 ハァ~……、自分でもかなりびっくりするくらいの嘘を付いたけど、とりあえずここは誤魔化すしかないよね……。


 エレナちゃんからゴブリンは一体どうなったのか聞かれた私は、本当のことを言ったところでエレナちゃんに多分信じてもらえないと思い、どうしようか考えた末、あからさまな嘘を付いて誤魔化すことを決めたの。


「つまり……、ゴブリンはその謎の光にダメージを受けてしまったのが原因で、恐怖を覚えて逃げてしまったってことなの……?」


「うん、そうなの♪ 謎の光が現れたおかげで私たちは無事に助かったってわけなの♪」


 もう自分でも何言ってんだって思うぐらいのあからさまな嘘なんだけど、エレナちゃんはこの話信じてくれるかな……?


 謎の光というあからさまな嘘を付いた私は、エレナちゃんがこの話を信じてくれたらいいなとただただ祈るばかりだったの。


「うっ……、うっ……、うわああああ~~ん!」


「ちょっ、エレナちゃん!? どうしたの急に!?」


 すると突然エレナちゃんは泣き出し、私は何が何だかよく分からずパニックになっていたの。


「良かった……。本当に良かった……! その謎の光のおかげでゴブリンが逃げてくれて、私たち無事に助かったんだね……」


「エレナちゃん……。うん、そうだよ……。私たち無事に助かったんだよ……」


「うん……。本当に良かった……」


 良かった……。何とか上手く誤魔化せた……。でもここまでちゃんと信じてくれたことに何だか申し訳なくて、逆にちょっと複雑かも……。


 エレナちゃんは突然泣き出すと、謎の光のおかげでゴブリンが逃げてくれて無事に助かったことを知り、何だかとても安心したみたいで、それに対して私は上手く誤魔化せたことに安心したのと同時に、エレナちゃんを暖かく抱きしめていたの。


 だけど、ここまで上手く誤魔化せたのはとっても嬉しいんだけど、エレナちゃんがそのことを純粋に信じてくれたことに、私は何だかちょっと複雑な気持ちだったの……。

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