そして完成したホットケーキのそのお味は……?
プス……、プス……。
「うぅ〜……」
「見事なまでにパーフェクトなコゲ方ぶりですね……」
「うん……。これはもう完全に真っ黒黒すけだね……」
「もはや原型を留めていませんね……。見た目に関しては、失敗作と言って差し支えないでしょう……」
「だっ……、だよね……。シュン……」
その後完成したホットケーキをお皿に盛り付けたのは良いものの、全体が黒コゲになったのを見てメイさんたちは困惑した表情を浮かべてかなり唖然とし、私もショックでとても落ち込んでしまったの……。
まさかここまで上手く行かずに完成させるなんて思ってもみなかったよ〜……。何だか終始空回りしてしまった感じだね……。ハァ〜……、ショボン……。
あと、ソフィアさんが某有名映画のセリフを言ったことについてとても気になったんだけど……。もちろん偶然とはいえ、異世界にその言葉が存在したことに凄くびっくりだよ〜……。そもそも異世界では映画自体が存在しないからね……。あはは……。
「でっ、でも、味の方はまだ分からないから、とりあえず味見してみよう♪」
「うっ……、うん……」
パクッ☆! モグモグ……。
「うぅ〜……、にがくてマズイよ〜……」
「予想通りの苦さですね……」
「あちゃ〜……、やっぱり大逆転にはならなかったか〜……」
「その……、凄く言いにくいのですが……、これは完全に失敗作ですね……」
「やっぱりそうだよね……。ショボン……」
そしてソフィアさんの提案により、わずかな希望を信じて味見することになったんだけど……、奇跡は起きることなく見た目通りの苦くて不味い味だったの……。
こうして私の異世界での料理デビューは散々な結果となってしまいました……。トホホ……。何たってもう初手の時点で大きな誤算だったもんね……。ホットケーキミックスがないと分かってから全てが狂ってしまって失敗の連続だったし、作り方もブランクの影響で忘れたのもあって結局中々上手くいかなかったしね……。あはは……。
ハァ〜……、今回のホットケーキ作りは私にとって間違いなく黒歴史になること確定だよ〜……。自信満々だっただけに何だか凄く恥ずかしいです……。しくしく……。
「ですがご安心ください。アリアちゃんにとって辛い料理デビューとなってしまいましたが、1人で一生懸命頑張って料理に挑戦したその勇姿は称賛に値すると思います♪」
「ふえっ……?」
「そうそう♪ 確かにその勇姿はとても素晴らしいものだったよ♪ そこは褒めるべき点ね♪ うんうん♪ それに誰だって最初は失敗しちゃうしね♪」
「そうですね。失敗を糧に成長してこそ一人前の道はきっと切り開けると思います。なのでここはポジティブに捉えていきましょう」
「そっ……、そっか……。うん、そうだよね♪ みんな、ありがとうございます♪ わたしぜったいにがんばる☆! エヘヘ〜♪」
ホットケーキ作りを失敗してしまったことに落ち込んでいた私だったけど、メイさんたちの励ましにより無事に立ち直り、ちょっぴり照れながらも感謝してこれからの頑張りを誓ったの♪
まだまだ希望はあるもんね☆! 挫けずに前を向かなくちゃ♪
「それでは予備の分を使って、今度はみんなで一緒にホットケーキを作っていきましょう♪ ゆっくり丁寧に作り方を教えていきますね♪」
「はいは~い♪ 私とアレンくんも教えるから安心してね♪ それにみんなで一緒に作った方がとっても楽しいよ♪」
「ソフィアの言う通りですね。楽しく作りながら学んでいきましょう」
「うん、そうする♪ よ~し☆! それじゃこんどはみんなでいっしょにホットケーキをつくるぞ〜☆!」
「「「「オ〜☆!」」」」
立ち直った私はその後、今度はメイさんたちと一緒にホットケーキ作りをすることに決めたの♪
そしていざ開始すると、メイさんたちが丁寧に教えてくれたり手伝ってくれたりしたおかげで、さっきのと打って変わってホットケーキは無事にふっくらと焼き上がり、更に味も見た目もとっても美味しい仕上がりになったの♪
メイさんたちのおかげで、今度は上手く作ることが出来ました♪ 本当にありがとうございます♪ とっても感謝感激です♪ とりあえずはリベンジ成功かな♪ な〜んてね♪ テヘッ♪
それとソフィアさんの言う通り、みんなで一緒に作った方がとっても楽しかったね♪ 特に盛り付けを考えてる時が一番楽しかったかな♪ フフッ♪
そしていつかは1人でホットケーキ作りを必ず成功させなくちゃね♪




