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最後の仕上げ

「それじゃ、油は流石に危険ですのでここは私が入れておきますね♪」


「は~い☆! ありがとうございます♪」


 そしてここからはフライパンで生地を焼く作業に移るんだけど、油の危険度からメイさんが代わりにフライパンに油を入れてもらったの。


 まあやっぱり、幼い子供が油を使うのはとんでもなく危険だよね……。メイさんのその判断、とても感謝感激です☆! といっても私の場合、幼いのは見た目だけなんだけどね♪ テヘッ♪


「無事に油を入れ終わりました♪ 次に火を入れますので、温まるまでしばらくお待ちください♪」


「うん、わかった♪」


 メイさんがフライパンに油を入れ終わると、次は火を入れてそのままフライパンを温め始めたの。


「充分温まってきましたね♪ もう生地を入れても大丈夫ですよ♪」


「わ~い、やった〜☆!」


 コトコト……。


 そしてフライパンが充分温まったことを確認したメイさんの許可により、私は遂に満を持してホットケーキの生地をフライパンに入れたの♪


 いよいよ焼く作業が始まったね♪ 最後は大成功して必ずハッピーエンドで終わらせてみせるんだから☆!


 

 フツフツ……。


 それにしても……、ホットケーキを作るのにまさかここまで手こずるとは思ってもみなかったよ〜……。前世でよく作っていたはずなんだけどね……。あれ……? そういえば最後にホットケーキを作ったのって一体いつになるんだっけ……? う~ん……、あっ、思い出した! 最後に作ったの私がまだ小学5年生の時だ! まさかそんなに期間が空いていたなんてね……。あはは……。


「あの〜……、アリアちゃん……」


「みゃっ!? はっ、はいっ!」


「今焼いてるホットケーキが黒コゲになっています……」


「えっ……? キャアァ〜ッ!」


 それからしばらく考え事をしていると、メイさんからホットケーキが黒コゲになっていると言われ、私は大慌てですぐさま急いでホットケーキをひっくり返したの。


 フツフツ……。


 うぅ〜……、考え事に夢中になっててメイさんに言われるまで全然気付かなかったよ〜……。頭の中が再びパニックになって終始アタフタしながらも一応何とかホットケーキをひっくり返すことが出来たけど、焼いた面は本当に黒コゲになっててまるでオセロみたいな感じなんだよね……。ハァ〜……、今はまたまたとてもションボリとした気持ちです……。


 というか……、私が最後にホットケーキを作ったのって小学5年生になるんだね……。思い出したとはいえ、かなり前だと分かって何だかとてもショックかも……。あはは……。でも一体どれぐらい経つんだろう……? え〜っと〜……、転生した今の私が4才になるから、前世の頃と合わせて……1……2……、って、もう10年経ってるじゃない! 嘘……、まさかそんなに経過していたなんて……。そりゃこんなにブランクがあったら上手く出来ないのも当然だよね……。うんうん……、絶対そうに決まってる……! というより……、そもそもそれ以前にホットケーキミックスを使えない時点で正直もう詰んでいたと思う……。前世の時はホットケーキミックスをよく使っていたしね……。うぅ〜……、ショボン……。


「アッ……、アリアちゃん……!」


「ふえっ!? ひゃっ、ひゃい!」


「ホットケーキがまた黒コゲになっちゃってるよ……!」


「へっ……? キャアアァァ〜ッ、またやっちゃった〜……!」


「これはもう完全に結果が見えましたね……」


「えぇ……、ですね……」


 そしてまた考え事に夢中になっていた影響で、ホットケーキの逆の面も黒コゲになってしまい、ソフィアさんにそのことを指摘されて気付いた私は再びかなり慌てふためきながら大急ぎでホットケーキをひっくり返してその後すぐさま火を消したの。


 うぅ〜……、せっかくの逆転のチャンスだったのにまたやらかしちゃって今はただただ絶望的な気持ちだよ〜……。それによく見ると、メイさんとアレンさんが結末を察して苦笑いを浮かべているし〜……。ハァ〜……、私の心の中は雨が土砂降りザーザーです……。しくしく……、ぐすん……。

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