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クラスの委員長決め 〜決選投票・終〜

「以上で僕のスピーチを終わります」


 パチパチパチパチッ☆!


 その後も拍手は鳴り止まないまま、こうしてセムレンのスピーチは称賛や喝采を浴びて終えることとなったの♪


 自然と最後まで拍手をしたくなっちゃうぐらい、セムレンのスピーチは凄く素晴らしかったよ♪


「はい、ありがとうございます♪ 2人のスピーチが終わったので、ここからは投票に移りたいと思います♪ カインくんかセムレンくんかのどちらかの名前を紙に書いてこちらの投票箱に入れてください♪」


「「「は~い☆!」」」


 いよいよ運命の投票タイムね……。まあどっちがクラスの委員長になるのかはほぼ決まったようなものだけど……。それにしてもティナ先生、さっきとは打って変わって目をキラキラと輝かせながらとびっきりの明るい笑顔で進行しているわね♪


 カインの時は怒りを抑えながら作り笑顔だったのに対し、セムレンの時はピュアでとっても可愛らしい内側から来る心からの笑顔とかなり大きな違いがあるんだよね♪


 つまりティナ先生もそれぐらいセムレンのスピーチに感銘を受けたってことだよね♪ ティナ先生を再び笑顔にさせちゃうセムレンはやっぱり凄く偉大な存在です☆! うんうん☆!


「みんな投票箱に入れたみたいね♪ それじゃ、今から集計をしていくわね♪」


「「「……」」」


 ゴクッ……。


 遂に集計が始まったわね……。どっちがクラスの委員長になるのかみんなドキドキしながら固唾を呑んで見守ってるわね……。


「集計が終わったわ♪ ではそれぞれ何票入ったか発表するね♪」


 ドキドキ……。ドキドキ……。


「まずはカインくん……、合計2票です♪」


「「なっ!?」」


「ハァッ?」


「続いてセムレンくん……、合計26票です♪」


「ありがとうございます!」


「よって、クラスの委員長はセムレンくんに決まりました☆! セムレンくん、頑張ってね♪」


「はい! 頑張ります!」


 ウゥ〜……、


「「「やった〜☆!」」」


 投票の結果は予想通りセムレンの圧勝となり、私たちは盛大に喜んだの♪


 セムレンがクラスの委員長に決まって本当に良かった……☆! 投票の結果は26対2でセムレンの圧勝だったけど、カインに入れたこの2票は大方ジルとブライトだろうね……。まあカインの取り巻きだから当たり前か……。


 

「それではこれにて、決選投票によるクラスの委員長決めを終わりたいと思います♪」


 ガンッ!


「「「ヒッ……!!」」」


「オイッ……、ちょっと待てよ……!」


 クラスの委員長も晴れてセムレンに決まり、ティナ先生が締めに入ろうとすると、カインが黒板を叩いて待ったをかけたの。


「どうしたのカインくん? 今回の結果に何か不満でもあるのかしら?」


「あぁ……、そうだ……。どうして俺がこんな奴に負けなきゃなんねぇんだよ……。こんなの納得が行くわけねぇだろ……!!」


「そうだそうだ! こんなの納得出来るわけないだろ!」


「えぇ……、同感です……。カイン様が伯爵風情のアイツに負けるなんてきっと何かの間違いに決まってます……!」


「「「っ……!」」」


 うわぁ〜……、どう見ても明らかな結果なのにアイツらまさか全然納得していないなんて信じられないわね……。この期に及んで悪あがきするなんて本当心底呆れるわね……。


「いいえ。何も間違いじゃないわ」


「ハァッ? 何も間違いがないだと? おいおい、そいつはおかしいだろ? いいか? 俺は辺境伯でアイツは伯爵だぞ? こんなのどう見ても俺の勝ちに決まってるだろうが。なのにどうしてこの結果になると言うんだ? あぁっ!? あぁ、そうか。アイツが何かしらの不正をしたに違いない……。絶対そうに決まってる……! でなきゃ、本来は俺が勝っているはずなんだ……!」


「カイン様の言う通りだ! アイツが不正をしたに決まってる!」


「不正をしてまでカイン様に勝とうだなんて本当最低な奴ですね……。全くこれだから伯爵風情は……」


「「「っ……!」」」


 凄まじい勢いでみんなの怒りを買っているわね……。まあ最初から既にそうだったけど……。それにしてもコイツら、いちゃもんや難癖を付けてまで負けを認めないなんてあまりにも醜いわね……。未だに貴族の階級で勝てると思ってるところも凄くイタイし……。更に挙げ句の果てにはセムレンが不正をしたとか訳の分からないことを言って自分たちを正当化しようとしてるところも最低最悪で悪質極まりないしね……。


「そんな訳ないじゃない。不正なんて起こってないわ。みんなが2人のスピーチを聞いて良かった方にちゃんと投票しただけよ」


「なっ!? だからそんなわけが――」


「あなたが何と言おうと全て事実よ」


「ぐっ……!」


 ティナ先生、カインに対してどこか冷めた対応をしているわね……。まあ無理もないけど……。


「つまりあれか? 俺の完璧なスピーチはコイツのスピーチより劣っているとでも言うのか?」


「まあ平たく言えばそうなるわね」


「んだと……、てめぇ〜……! 先公だからって調子乗んじゃねぇぞ……!」


 コイツ……、ティナ先生に対しても悪態をついて暴言を吐くんだね……。本当凄まじいぐらいのクズぶりですこと……。


「先生に対して随分と口の悪い利き方ね。まあいいわ。正直あなたのスピーチはおかしい所だらけでかなり最悪のものだったわ。ねぇカインくん、自分で言ってて何かおかしいと思わなかったの?」


「ハァッ? 別に何もおかしくはないだろ?」


 まあコイツの場合はそう言うだろうね……。常に自分が正しいと思っている人だから……。


「そう……。分からないなら仕方ないわね……。今は分からなくてもいいわ……。でもいずれ分かる時が来るよ♪ その時にはきっとカインくんが逞しく成長しているのを先生期待してるから♪」


「っ……!? チッ……! ウ〜イ……」


 ティナ先生、カインには内心とても怒っていると思うけど、それでも見捨てずちゃんと向き合って寄り添い成長を期待しているところが何だかとても素敵ね♪ そりゃ何たって、初めてクラスを受け持つ教え子の1人でもあるんだから、生徒を大切にしたい気持ちは当然よね♪ これでアイツやその取り巻きたちが改心してくれたら良いんだけど……。



「では改めて、決選投票によるクラスの委員長決めを終わりたいと思います♪ そして明日からはいよいよ本格的に授業が始まります♪ みんな、楽しみにしててね♪」


「「「は~い☆!」」」


 途中一悶着があったけどクラスの委員長決めは無事に終了し、最後にティナ先生は明日から本格的に授業が始まることを告げて今日のホームルームはそのまま幕を閉じたの。


 遂に明日から授業が始まるんだね♪ とっても楽しみだし、張り切って頑張らなくちゃ♪

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