クラスの委員長決め 〜決選投票・始〜
「2人以外にも他にやりたい人はいるかな?」
シーン……。
その後、クラスの委員長に立候補する人は誰もいなかったの。
「どうやらいないみたいね。さてと♪ ではここからはカインくんとセムレンくんの一騎打ちで決選投票を始めていきたいと思います♪」
「「「おぉ〜☆!」」」
なるほど……、決選投票ね……。まあ複数の立候補者がいる以上、そう決めるのが普通よね。
「ルールは簡単♪ 2人には今から教壇の前に立ってもらって、どんなクラスにしたいのかスピーチをしてもらい、みんなはそれを聞いてクラスの委員長に相応しいなと思った方に投票してほしいの♪ そして最終的に票の多い方が晴れてクラスの委員長に決まります♪」
「「「なるほど〜☆!」」」
へぇ〜、ルールは至ってシンプルみたいね。ここも異世界と現代で共通している部分だね♪
「ちなみに同票だった場合はジャンケンで決めます♪」
「「「ふむふむ♪」」」
ズコッ! って、そこはジャンケンで決めるんかい!
でも確かに私たちBクラスは全部で30人いて、そこからクラスの委員長に立候補したセムレンとカインを除けば28人になり、場合によっては14対14で同票になる可能性があるからジャンケンで決めるのは一番無難なんだよね……。あはは……。
というより、異世界でもジャンケンが存在していることに凄くビックリしちゃった! これでまた1つ勉強になったね♪ うんうん♪
「それじゃ、カインくんとセムレンくんは教壇の前に来てね♪」
「ウ〜イ……」
「ハイ!」
それからセムレンとカインは、スピーチを行うため教壇の前に移動したの。
そして話し合いの結果、カインが先にスピーチを行うことになったの。
先攻・カイン
「まずはカインくんからのスピーチです♪ どうぞ♪」
「ウ〜イ……。いいか、てめぇら……。この俺様がクラスの委員長になれば、お前らを目一杯扱き使って最高のクラスにしてやるからな……。どうだ? とても素晴らしいことだろ? ありがたく思うと良い……」
「「「なっ……!?」」」
「なっ……!?」
本当何なのアイツ……? 一体どこまで私たちをコケにすれば気が済むの……? カインは改めてやっぱりとても最低な奴ね……。
そして今のを見て、流石のティナ先生も驚きを隠せないでいるわね……。少なからず怒りも込み上げているとは思う……。
「俺の駒になれるんだぜ? こんなの幸せ以外の何物でもないだろ? もしそうじゃないってんなら、その腐った性根をこの俺様が直々に叩き直してやる……! お前ら覚悟しとけよ……」
「「「っ……」」」
「っ……」
カインの続く発言にみんなもティナ先生もドン引きしているわね……。かくいう私もドン引きしているぐらいだし……。本当に敵を作るのがお上手なこと……。
「ヒュ〜ヒュ〜! カイン様のスピーチとても素晴らしかったでございます! これでゴミ虫共にも心打たれたこと間違いなしです!」
「あぁ……、カイン様はどこまでも素敵なお方なんでしょう……。こんな価値の無いゴミ虫共をちゃんと活かそうとして下さるなんて、とても素晴らしい人徳であること間違いありません。まさにリーダーの器に相応しいお方です」
「「「ぐっ……!」」」
「っ……」
そして取り巻きのコイツらは当然のようにカインを支持していて、ますます私たちのヘイトを買っているわね……。どれだけ人を怒らせるのが好きなことやら……。
カインのスピーチに感銘を受けたジルとブライトの発言を聞いて、みんなは拳を強く握りながら怒りを抑え、ティナ先生は衝撃のあまりただただ呆然とした表情を浮かべていたの……。
案の定カインのスピーチにより、不穏な空気が流れて最悪な雰囲気になってしまったわね……。




