アリアのモノローグ
スゥ~……、スゥ~……。
「みんなどうやら眠ったみたいね……」
その後エレナたちはそのまま就寝に入り、現在起きているのは私だけになったの。
それにしても……、みんなの寝顔やっぱりとっても可愛いわね♪ スマホで撮ってみんなに見せてあげたいけど異世界では当然そんなのあるはずもないし、何だかちょっぴり残念な気持ちかも……。うぅ〜……、異世界に転生してから初めてスマホが使えないことに不便だと感じたよ〜……。
前世でもしエレナやルーシーやリラみたいな人たちとお友達になったら、お弁当の時間にスマホで撮った可愛い寝顔を見せてからかってはちょっぴり怒られたり逃げ回ったりして、その後仲直りしたらまたいつものようにしばらくじゃれ合い、最終的にはみんなのお弁当を分け合いっこするといった感じできっとそんな何気ない1日を楽しく過ごしていたのかもしれないわね♪ あっ、ちなみにスマホで撮った寝顔の写真は後でちゃんと消すつもりだよ♪
前世がもしそうだったら私の人生は……。ううん、そんなこと考えても仕方ないよね……。もう過ぎちゃったことだし……。それに転生してからの私はこうしてエレナたちとお友達になれてとても楽しい時間を過ごせているんだから、今はこの幸せな日々を大切にしなくちゃね♪
「ハァ〜……。それにしてもやっぱり……、今日は本当に色々なことがあったよね……」
それから私は、今日のことについて改めて振り返り始めたの。
まず最初に私たちが全員同じクラスだと分かってとても嬉しくなり、それから入学式が行われて、その後教室に入るとセムレンも同じクラスだということが分かり、知ってる人が1人でも多くいて安心した気持ちになったんだよね♪
それと同時にセムレンの人気ぶりも知ることになり、その後リラのもふもふタイムが始まってみんなでとっても癒やされたんだよね♪ この時までは幸せな時間だけがずっと続くんだろうなと、私自身そう思ってた……。
だけどそれはカインたちが現れたことにより、全てが崩れることになった……。カインたちは横柄な態度で私たちのことを見下しては挙げ句の果てにリラのことを罵倒し侮辱するという種族差別にも出て、リラの心を傷付け悲しませるという最低な行為をして私たちの怒りを買うことになった……。
でも、ルーシーとセムレンがカインたちに勇敢に立ち向かったおかげでリラは無事に救われたんだよね♪ さっきもみんなとそのことで話したけど、改めてルーシーとセムレンはやっぱりとっても凄いよね♪
リラとルーシーは別に何も気にしてなかったけど、私たちはカインたちの前に何も出来ずとても辛い気持ちだった……。前世で私が新野たちにいじめられた時、みんなが新野たちの前に恐怖で何も出来なかったことに私は別に気にしていなかったけど、その後ミューナを介してみんなが私を助けてあげらなかったことにとても後悔してるのを知って、私の心はとても救われたんだよね……♪
そして今回のカインたちの件で、私はみんなの気持ちを改めて知ることになったの。今の私って、あの時のみんなと同じ立場になるんだよね……。私がカインたちを恐れたように、あの時のみんなも新野たちを恐れていたんだね……。この気持ち……、今では痛いほどよく分かるよ……。助けることが出来ないのってこんなに辛いんだね……。
もしまた同じ状況になったら、今度は絶対にルーシーやセムレンみたいにリラを助けられるようにならないとね☆! そのためにもまずは私自身が変わらなくちゃ☆!
さてと、私の覚悟も決まったところで再び今日のことを振り返ってみると、それからはティナ先生が教室にやって来て出欠を取ったり教材を貰ったりしたんだよね。そして最後にティナ先生からクラス替えは行われず3年間ずっと同じクラスという衝撃の事実を聞かされ、そのまま今日を終えることになったんだよね……。
主な出来事だけ振り返ると大体こんな感じかな? やっぱりクラス替えなしという事実には未だに衝撃が強いわね……。良い意味と悪い意味の両方が混ざり合って今もとても複雑な気分ね……。
「この先上手くやっていけるかな……? 不安な気持ちが段々と押し寄せて……来る……わね……」
スゥ~……、スゥ~……。
これからの学園生活を上手くやっていけるかどうか不安な気持ちで押し潰されそうになった私はその後、睡魔に襲われてそのまま眠りに付き、こうして今日1日を終えることになったの。
みんなで一緒に頑張ることを誓ったんだもの♪ きっと絶対に大丈夫だよね☆!
今回の話で第6章は終了になります。
その後再び間章を挟みつつ、第7章に進んでいきたいと思います。
お楽しみに♪




