私の人生の最期
ビチャッ……。
「あっ、ごめんね♪ 手が滑って牛乳をこぼしちゃったの♪」
「レイちょん、ひど~い♪」
「だよね~♪ これはいくらなんでもあんまりじゃない?」
「……」
私の名前は奥村玲奈。高校二年生の女子高生だ。正直に言うと、今の私にとっては全然楽しくない学園生活を送っている。
「でも、その暗そうな顔を牛乳で洗い流して、キレイにしてあげたんだから、むしろ私に感謝してよね♪」
「なるほど~♪ さすがレイちょん。やるぅ~♪」
「うんうん♪ レイちょん、とっても優しいね♪ あなたもレイちょんに感謝しなさいよね♪」
「確かに♪」
「……!」
「ヤダちょっと! こっちを見てきて、チョ~睨み付けてくるんだけど~。怖~い♪」
「ハッ? 何それチョーウケるんだけど~♪」
「「「アハハハッ!」」」
「……」
コイツらは私の頭の上から牛乳をぶっかけ、それを見て嘲笑い、満足したのかそのまま教室から出ていった。
そう。私はコイツらにいじめられていて、そのせいで全然楽しくない学園生活を送っていた。私のスクールカーストは最底辺に位置し、コイツらのスクールカーストはトップクラスに位置しているから、コイツらからしたら私なんか見向きもせず、全く相手にしない存在なのだろう。
故に、当初の私はコイツらと関わることは一切なかった。だがそんなある日、私は1人の男子から告白された。だがその時の私はその男の子のことをよく知らなかったので、告白を断り、すぐに逃げてしまった。ただ、これがマズかったの。その告白の一部始終を誰かが見ていたみたいで、その出来事や噂が瞬く間に広がり、コイツらの耳にもすぐに入ったようだ。そして、それがきっかけで私はコイツらにいじめられるようになってしまった……。
どうやら、コイツらのリーダーがその男の子のことが好きだったみたいで、スクールカースト最底辺の私がその男の子に告白され、ましてやその男の子の告白を断ったもんだから、コイツらのリーダーからしたら、それがとっても許せなかったんだろう。故に、私はコイツらから恨まれるようになってしまい、いじめのターゲットにされ、色目を使ったとか誘惑したとか勝手な解釈をしては、私を毎日のようにいじめていき、それが段々とエスカレートしていった。
私をいじめてくるコイツらの名前は新野麗美・安藤莉子・西村絵理奈で、新野麗美がコイツらのリーダーで、さっき私に牛乳をぶっかけた女だ。この新野を中心に、安藤莉子も西村絵理奈も私のいじめに加担している。それぐらい2人共、告白の件で新野のプライドをズタズタにした私のことが許せないんだろう。ことあるごとに私をいじめてはコイツらは私を見下しながら笑っている。きっと、私をいじめることがとても快感なんだろう。全く迷惑な話だ。
そして、これまた腹立つことに、新野とその男の子は現在付き合っていて、とても楽しそうにしていた。にも関わらず、コイツらはそれでも私のいじめをやめようとせず、私が苦しむことにとても楽しんでいた。曰く、この屈辱は一生消えるものではないからそれを償えということらしい。正直、私にはコイツらに何もすることが出来ず、ただ睨み付けることしか出来なかった……。それがせめてもの私なりの反抗だったけど、全く効果がなかった……。それからというもの、私の心は折れ、それから徐々に壊れ始め、学校にも行きたくなかった。だが、そのことを誰にも言えずにいた私は、仕方なしに学校に行き、ひたすら耐えていた。だがそれも遂に限界に近付き、私の心は既にボロボロになっていた……。
「もう……こんなの……、耐えられない……!」
そして、私は涙を流しながらこの学園生活に耐えられないことを言葉にしたの。
もうこんな人生、終わりにしてやる……!
――そして……、翌日……――
「……」
翌日、私は学校の屋上に行き、覚悟を決めていた。
「バイバイ……、私の人生……」
そして私は、学校の屋上から飛び降りた。
私の人生……、長いようで、何だかとても短かったね……。
ドォンッ!
学校の屋上から飛び降りた私は、勢いよく落下し、そのまま地面に落ち、意識はほとんどない状態だった。
あ~……、これでやっと、私も死ぬことが出来るね……。アイツらはこれを見て、どう思うのか知らないけど、そんなの知ったこっちゃない。そして、学校側は事態が大きくなるのを恐れ、きっと隠蔽とかするんだろうな……。
私は薄れ行く意識の中、少し考え事をしていた。
まあ……、どうでもいいけど……。
そして意識がなくなった私はそのまま目を閉じ、人生の終了を迎えた。
「ん……、ん~……。あれ、ここはどこ?」
すると突然、死んだはずの私は目を覚まし、辺りが真っ暗なよく分からない場所にいた。
何これ……!? 一体どういうこと!?
「お目覚めですね♪ 奥村さん、おはようございます♪」
「うわっ!? びっくりした!」
私は寝ぼけているせいもあってか状況が把握出来ずに混乱していると、謎の人物が突然現れ、私が目覚めたことを確認し、挨拶され、私はあまりにも突然すぎる出来事にとてもびっくりしていた。
「あなたは一体……?」
「ふふっ♪ 私の名前はミューナ♪ 神様です♪」
謎の人物はミューナと名乗り、神様であることを私に伝えた。