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第2話 変態美少女エルネスト・ハルヴィ

ちょっと短いです

 華麗に俺をスルーして姉さんに突然抱きつくこの美少女エルフちゃんは誰かな?


 まぁスルーされる事は今に始まったことじゃないので別に気にしないんだが……。


 ほっ本当だぞ?

 

 にしても姉さんに顔をスリスリこすりつけてるし、マーキングのつもりかな? 丁度姉さんの胸元に顔が当たるのをいい事に深呼吸してやがる。 尻尾があれば全力で横に振ってる感じだな。


 あっ俺分かったぞ。 こいつ変態じゃないか?


「ふふ。 久しぶりですね、エル」


「あぁ! お会いしたかったですお姉さま。 依頼とはいえ、2週間近くもお側を離れる事になってしまい申し訳ありません! この私エルは一時もお姉さまの事を忘れた事はありません。(スーハースーハー)あぁ、無くなりそうだったお姉さま成分を補充しなきゃ!」


「2週間も離れれば少しは変わるとは思いましたが、相変わらず甘えん坊さんですね」




 絶句




 この二文字が似合うやつはいないなと思った。


 『○○成分を補充』とかリアルで言う奴を始めて見たけど、こういう理解の外にある存在を初めて見た時ってこういう気持ちになるんだな。


 いやぁ~勉強になったよ、変態さん。


「いや、姉さん。 それは甘えん坊さんとかそういう問題じゃないと思うんだ」


 とツッコミを入れると変態(エルフ)と目があった。


 じーっと見られてるんだけど、俺の顔に何かついてるのかな?


「お姉さま、こいつ誰ですか?」


 えっ、初対面の人間に『こいつ』って外見が良くても中身がアレなタイプかよ。 俺の中の評価は既にマイナス方向に振り切りそうだわ。


「そういえばエルは知らなかったわね。 この子はハルトと言って私の弟よ」


「おと……うと……?」


 初めてその単語を知ったような不思議な顔をしてる。 人間ってこんな顔もできるんだなぁ……と思っていたら。


「えっこれが?」


 まぁ確かに俺はまだまだ弱っちい最底辺の冒険者だが、初対面の人間にこれ扱いされる謂れはないんだよ。


「おい、待て『これ』ってなんだ」


「は? あんたには聞いてないから話しかけないで」


「あ?」


 オーケー。俺の理性よ落ち着け、ステイだステイ。 こいつはあれか? 俺を怒らせるのが好きだと見た。 よ~し、買うぞ、その喧嘩。


「ごめんね、ハルト。 この娘は男性が苦手なのよ」


 苦手もクソも暴言しか吐いてないんだけど。 苦手ってレベルじゃなく『嫌い』が似合うと思うんだよね。


 俺はもう18歳だ。 こんな小娘にカリカリしては子供と一緒じゃん。


 心を落ち着けるんだ、そう、大人になるのだハルトよ。 ここは姉さんの顔を立てて……。


「はは、厳しいな。 始めまして、ハルトと言います。 よろしくねエルさん」


 と丁寧に言ってみたんだがどうだ?


「……私はエルネストよ。 気安く話しかけないで。 後エルと呼んでいいのはお姉さまか親しい人だけよ。 馴れ馴れしくしないで」


 おいおい、丁寧に挨拶しただけでこれかよ。


 俺の顔はちゃんと笑顔になってるかな? ちょっと頬の辺りがピクピクするんだけど。


 こいつは俺にキツく当たることで精神的な試練でも与えてるつもりかな?


 俺の理性よ、我慢することは無いぞ。 こんな奴に丁寧に接する必要はない。


「はぁ……。 お前こそちょっと姉さんに馴れ馴れしいぞ。 離れろ変態」


 こいつに少しでも丁寧に接しようとした俺が馬鹿だった。


「はぁ!? 何よ変態って! あんたこそお姉さまに弟扱いされてるからって近寄りすぎよ! お姉さまから離れさなさい!」


「ふふ。 あなた達すっかり仲良しね」


「「仲良しじゃない!」」


 姉さん、一体どこをどう見たら仲良しに見えるのかな? どう考えても犬猿の仲なんだけど。


「あらっ息もぴったりね♪」


「全然ぴったりじゃないよ……」


「そうですわ! こいつなんかより私は……その……お姉さまと……ゴニョゴニョ」


 なんかゴニョゴニョと言いながら自分の世界に旅立ったようだ。 よし、今のうちに離れた方がいいな。


 せっかく新しい所に行けると思って少しワクワクしていたのに今日は厄日かな?


 気持ちを切り替えて新しい冒険に出よう!


「ほらっ姉さん、そろそろ行こうよ」


「そうね。 それじゃあエルちゃんまたね」


 こうして俺と姉さんは独り言をブツブツ言ってる変態を残して森へ行くことにした。

強烈なエルフが来たなぁ(´・ω・`)

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