第1話 親の顔よりよく見た展開
初めてWEB小説というものを書きました。
拙い文章ですが、どうぞよろしくお願いします。
誤字脱字ありましたらご指摘ください。
「うわっ! もうこんな時間か」
スマホに表記されている時間を見ると深夜0時を過ぎていた。
確か明日の一限行かないと単位がやばいんだっけ?
「めんどくさいし、行きたくないなぁ」
そう独り言を愚痴りながらベッドに横たわり天井を見上げる。
大学1年から既に単位がやばい俺の名は天城 春斗18歳 独身で彼女無し=年齢である。 家族は父・母・俺の3人家族で現在は一人暮らし。
絶賛彼女募集中で大きな理想を言えば年上がいいな。 せめて綺麗で美人な姉がいたならば……俺は一人暮らしをしていないだろう。
えっ現実は違うだと? うるせぇ! 持たざる者の気持ちはお前らにはわからんのだ。 俺なら奴隷でも何でもやってやるぜ!
ほらっ綺麗で可愛いお姉さん、俺はどうでしょうか。 大変お得だと思うんです。
まぁ現実は厳しく、大学入ってサークルに入れば、歓迎会という名の飲み会が始まり交友関係も広がるだろう。 広がれば自然と異性の知り合いも増え、もしかしたらその中からお近づきになれるかもしれないと思っていたのだが。
「想像してたのと全然違うんだよな……。 俺の大学生活って」
大学を気に一人暮らしを始めたのもあってお金を稼がないといけない。 そのためにまずはバイトだ。
授業は留年はしないように最低限出てればいいだろうと思っていたら、いつの間にか行かなくなっていた。
サークル入ろうにもちょっと時期が過ぎてしまい、今更感が漂う。 そのため新たな出会いなぞあるわけでもなく、高校時代からの男達の熱い友情という名の腐れ縁のみ。
そんな俺の大学生活は入る前に想像していた理想の大学生活とはまったく違う生活になっていた。
理想の大学生活といえば、色んなサークルに誘われて飲み会に合コンだろ。 そのまま初めての彼女が出来たならば、一緒に授業受けて帰りにそのままデートする。 そして二人は夜の街に消えて目が醒めれば――チュンチュンと鳥の鳴く音が聴こえてくるのだ。
「しかし現実はこれだ……」
SNSを見るといつもの奴から連絡が来ていた。 女子とのキャッキャウフフなやり取りではなく、男と男の熱い友情が垣間見えるトーク画面が俺のスマホに写っている。
『明日一限終わったら哲也も誘って集合な!』
と召集をかけるのは『要 真司』という幼稚園からの付き合いがある男。
哲也というのは高校から知り合った『周防 哲也』という男だ。
何故理想は現実とならなかったのか。人生は俺という人間に非常に厳しい現実を突き付けてくる。
了承のスタンプで返事をした後、すぐに『ねる』とだけ書いてトークを終わらせた。
返事をしただけでも有難いと思ってもらいたい。 これが女性で彼女とかだったら……いやいや、ここは血の繋がってない義理の姉でもいい。
いや、せめて幼馴染でも……って真司は幼馴染だけど、違う、そうじゃない。 異性だったら俺はこんな気持ちが何一つ入ってないトークで強制終了することもなかっただろう。
返事を返した後、スマホをベッドの横に置き、暖かい愛しきAIBOUの中へ入る。
明日も何時も通りの日常が始まり、何時も通りに終わる。
ゴロゴロと布団の中でSNSを見たりソーシャルゲームをしたり電子書籍を読んだりするとあっという間に時間は経っていた。 夜はもう更けているのもあり睡魔が俺を襲って来る。
「明日の準備は明日の俺に任せるか」
体が睡眠を欲求しているのか、大きな欠伸と共にまぶたが重くなってくる。 ふと気になって右手に目線を移すと薄っすら光ったような気がしたのだが、疲れて幻覚でも見たのだろう。
「それじゃおやすみ……」
あれから何時間経ったのだろうか。
暖かい光と柔らかな草のベッドが俺を包みこむ。 目を瞑り抵抗しても光が俺に起きろと問いかけてくる。
抵抗するのを諦めて薄っすら目を開けるとそこには……。
「うわっ眩しい」
なんということでしょう。
牢獄のような狭いワンルームに、飾り気の無い壁と天井しか無かった部屋が見事に無くなり、なんとも解放感のある空間と広々とした青空が広がっています。 安ホテルの様な硬いベッドは青々とした緑の草に変わり、なんとも草原のように……。
「ってここ草原じゃねぇか!」