表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
卒業旅行!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/277

あ~しあわせの湯

 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん。


 外から聞こえる小鳥のさえずりで夢の世界から現世に戻ったフルーツの香りがする夢のような女子。


 小鳥のさえずりで目覚めるなんて、おとぎ話の少女みたい。


「ふわ~あ、福島で迎える最後の朝かあ」


 両手を天に伸ばして大あくび。


「けっこう長くいたような気がするよね」


「また来ようよ」


 まどかちゃんとつぐピヨはもう起きていて、こたつに脚を突っ込んでワイドショーを見ていた。


「ここは時がゆっくり流れてる感じがする」


「それ、都会から茅ヶ崎に移住してきた人がよく言う台詞だね」


 頬杖をついてテレビのある右を向いたまま、まどかちゃんが言った。テレビで流れているのは茅ヶ崎でも全く同じ内容、同じキャスターが伝える全国ニュース。


「ふむふむ、私は茅ヶ崎にしか住んだことないからわからないけど、移住者はこんな感覚なのか」


「茅ヶ崎も飯坂も、都会でもなければお店が揃ってて不便でもないから、過ごしやすいし、訪れる人を温かく迎え入れる風土があるから、溶け込みやすいんだろうね」


「それだつぐピヨ! 核心を突いた!」


 8時に朝食をとり、10時半にチェックアウトをした私たちは、一旦ほりえや旅館から街へ繰り出した。荷物は預かってもらっていて、お土産を買い込んだら戻ってきて宅配便で送ってもらう予定。


「あ~しあわせ……」


 きょうはみんな好きに過ごすため単独行動。私は駅の中にある八百屋さんでフルーツを大量購入。ラヂウム玉子と、ほりえや旅館のすぐそばにあるお茶屋さんで飯坂オリジナル健康茶を買ったら、ほりえや旅館との間にある足湯に浸かって一休み。ぽかぽかで気持ちいい。しかも源泉かけ流し。足湯は何度入ってもいいですなぁ。


 みんなといっしょにいるのもいいけど、ひとりでいるのもいいね。


 足湯に浸かったまま、夢心地でたそがれる。修学旅行みたいに誰かに煽られたり、時間を気にしたりしないで。


 明日は学校だけど、飯坂温泉から茅ヶ崎までは乗り換え時間込みで4時間。それだけ覚えていればいい。焦って帰る必要なんて、全然ない。何かあって帰れなかったら学校を休む。


 松尾芭蕉がディスった、江戸時代を現代に持ち越したようなこの小さな温泉街を、私は大層気に入った。苦しゅうない、苦しゅうないぞ。


「隣、いいか?」


「あ、陸だ。お土産なに買ったの?」


 観光案内所の紙手提げを持った陸。中身やいかに。


「あげまんじゅう、ラヂウム玉子、小粒の梅干し、あとイカニンジン」


「おお、イカニンジン! ちょっと土産屋さん行ってくる!」


「俺も行くわ。アイスキャンディー食いてぇ」


 ということで、私と陸は足湯の斜め向かい、ほりえや旅館の正面にある土産屋さんに入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=50222365&si

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ