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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
卒業旅行!

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猪苗代湖畔3!

「あぁ、やさしい、ホッとする味。ばあちゃん、ばあちゃあああん……」


 駅から小一時間歩いて辿り着いた観光施設が集約されたエリア。野口英世のぐちひでよ記念館、世界のガラス館、地ビール館、その他飲食店、土産物店などがある。


 私たちはいくつかあるうちの飲食店の一つに入り、のんびり食事を始めた。


 店の戸は開きっぱなし、というより出入口に扉が見当たらなくて開放的。中にはスナック菓子などが置いてあり、その奥にテーブル席がいくつかある。更に奥には座敷の小上がり席がある。


 店先では味噌を塗った串刺しのだんごを灰を盛った台に突き立てて焼いている。私はその香ばしくて大きい焼きだんごを食べて、お店のおばあちゃんが出してくれたお茶をすすりながらホッとしている。


 まどかちゃんと陸はソースカツ丼、つぐピヨは煮込みおでん、自由電子くんは薄焼き玉子で覆った醤油ラーメン、武道は焼きだんご、煮込みおでん、ソースカツ丼を掻き込んでいる。


「おいしい?」


 会津あいづ訛りで、お店のおばあちゃんが私たちが囲むテーブルのそばにちょこちょこと寄ってきた。身長150センチくらいで細い縁の眼鏡をかけ、背筋はしっかり伸びている。ほがらかだけど、人の内面をズバッと見抜きそうな印象。


「おいしいよ、おいしいよおばあちゃあああん!!」


「それは良かった。お姉さんお兄さんたち、きょうはどちらからいらしたの?」


「神奈川県の茅ヶ崎です」


「ああ! 上原うえはらけんの!」


 やっぱりこの年代で茅ヶ崎といえば上原謙なんだ。


「そうです! 上原謙の茅ヶ崎です!」 


「そういえば、茅ヶ崎っていえば、うちの者が製粉工場に勤めてたよ」


「製粉工場?」


 はて、そのようなものはあったかな? 工場といえば、北茅ヶ崎とか円蔵えんぞうのほうかな?


 ていうか福島で茅ヶ崎の人しか知らないようなネタが出てくるとは。私はその工場を知らないけど。


「今のイ◯ンスタイルのところが昔は製粉工場だって、聞いたような……」


「おお、さすが自由電子くん、よく知ってるね」


「すげえよな、自由電子」


 陸も感心している。


「いやはや、それほどでも……」


 頭を垂れて恐縮する姿勢がなんとも謙虚。こんな謙虚な彼は、ちゃんとまどかちゃんに守ってもらわなきゃね。

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