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私たちは青春に飢えている ~茅ヶ崎ハッピーデイズ!~  作者: おじぃ
サザンビーチちがさき

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サザンビーチ!

「さーあ湘南は茅ヶ崎のサザンビーチに舞い降りました水着女子、白浜沙希! 海水浴は実に7年ぶりであります!」


 ギラギラ輝く太陽の下、アロハなオレンジの水着を新調したドリーミングガール、夏休みのサザンビーチに降臨! 海岸は親子連れやアタマのユルそうな若者で大賑い! 一人で散歩するおじさんなんかもいて、彼らはだいたい海の家のラーメンとビールを目当てに来ている。


 暑い夏にはラーメンが食べたくなる! 茅ヶ崎はラーメン激戦区! 海の家が営業していない日に来ても、海の近くをはじめ市内の至るところにラーメン屋さんがあるから大丈夫! 中華そば、家系、お洒落系、京都系、札幌系などなど、お好きなラーメンをご賞味あれ!


 サザンビーチは茅ケ崎駅南口からサザン通りを歩いて20分、もしくはバスで10分で行ける海水浴場。最近は北関東と茅ヶ崎を結ぶ圏央道が開通して、群馬県からの海水浴客が増えた。


 高校最後の夏、私たちは青春の思い出にと、みんなで遊ぶことにした。陸、自由電子くん、武道もいっしょ。ヤツらはもう海に入ってバッシャンバッシャンしている。と思いきや、はしゃいでいるのは陸と武道だけで、自由電子くんは波打つ水中を観察しているよう。生きものでもいるのかな?


「なかなか海入んないもんね」


 まどかちゃん、黒いビキニにサングラスがよく似合う!


「だいたい辻堂つじどう大磯おおいその大きいプールに行っちゃうよね」


「そうそう、波のプールと流れるプールとウォータースライダー! 39℃のとろけそうな夏って感じ!」


 つぐみちゃん! ああつぐみちゃん! 白ワンピの水着がよく似合う!


 ちなみにいま、茅ヶ崎の気温は30℃。茅ヶ崎の真夏の気温はだいたい東京より3℃前後低い。茅ヶ崎は過ごしやすい! でも油断は禁物、水とスポドリを持ち歩いて熱中症注意!


「あ、カツオノエボシ」


「ギョエッ!?」


 まどかちゃんが私の足元を指差して言った。


「危ないあぶないデンジャラス」


 足元に、青いクリアなエボシさん。


「危なかったね沙希ちゃん」


 言いながら、キョロキョロ周囲を見回すつぐみちゃん。一匹いたらなんとやら。


「カツオノエボシよ、お前はもう死んでいる。なのにどうして刺すんだ! ゾンビなのかキサマ! 死体を蹂躙じゅうりんするぞ!」


 夏になると砂浜に打ち上がるクラゲとよく似た青いもの、カツオノエボシ。死んでいるのに踏みつけると長~い触手がドキュッと伸びて、触れた者をグサッと刺すと同時に猛毒を注入。電撃のような痛みが走り、刺されたところがパンパンに腫れ上がって当分完治しない。死ぬ場合もある。正に天然の地雷。


「やめろ沙希! アナフィラキシーショック起こすぞ!」


 人間にはよく喧嘩を売るまどかちゃんが、カツオノエボシに喧嘩を売る私を止めた。


「アナルキラーショック……?」


 確かに、長い触手をグサッて突っ込まれたら、それはもうキリングショックというか、シャレになりませんな。


「意識障害とか、呼吸障害を起こしちゃうやつだよね?」


「な、なんですとつぐみちゃん! アナルキラーショックってそんなにヤバいの!? お尻から大量の血が出て何日も悶えるのかと思った!」


 無知な私にコメントし難いのか、つぐみちゃんは「え、あ、その……」とあさってを向いて困惑している。


「アナフィラキシーショックな、アナフィキラシー。沙希が変なこと言うからつぐみが困ってるだろ」


「アナフィキラ……え? あ、ごめん、カタカナ語苦手で」


 こりゃ失敬、己の学のなさを恥じるばかりでございます。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 作中は2018年ですが、今年2020はサザンビーチ海水浴場が開設されておらず、海の家もありません。ただし、ラーメン屋さんは多くが通常営業しております。

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